おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

さめやらぬうち、ゆら、ゆら

ゆら、ゆら くるのは あなたの指の端 ほら、また かたくな ふれてはなれて 二度とはもどらぬ 季節をともにいても 恋と呼んでくれるな はなれるが待つ 片腹いたいね 凡そは嘆きの 世に落ち世に生き まだいるつもりの こころ通じたら 目で追いはじめる 恋にな…

咳をしても

咳をすれば 1人も2人も苦しくて 日常的に死を 其処まで行かずとも いづれの終りを 予見してしまうのです 咳をすれば 身の弱きを己も己が 強く感じて 其の繰り返しが 本当に病ませていく 抜け出せぬものです 咳をすれば あぁどれだけ普通に息を ほっとでき…

明るみの正体

空が明らんでゆく頃合い 浸りに落る 大した物でもない命が 揺れに揺れている また足挫いてさ 格好付かない惨め盛り 恋人は去り 親の手など思いも出せぬ いよいよ世捨て人か、という時に 空が明らんでゆく やれ希望だ朝だと 讃えなければならない圧 そんな物…

西までなんぼ

西までなんぼ掛かっても 駆け出したい時がある 方角がそのまま逃げ 東はきっとススメ 後退するさ あの暮れ時を見るためなら 懐かしさに噎ぶよ 飾る錦も無いけれど 帰ってもいいかな 西までなんぼ辛くても 足掻いてみたい時がある 待ち望む人も無かろ 唯々噂…

周回おくれの人生は

www.youtube.com 周回おくれの人生が 空しくも口惜しくもなるもんやね 雨に紛れて逃げるな今日を それならどう思い直そか 人も疎らに西浜は 責めも慰めもせんのんやね 凭れ揺られて電車はどこへ 山手も波止もゆきどまる のらりくらりと人生は 弱りも立ち上が…

冷え煙草

迷いの中に居ることが 使命とさえ思えた夕 多感な時期の迷いだったのだろ それこそ 身には人知れず赤みが増し 肌に合わぬ星と嫌でも わかるわかる 紡いでも紡いでも 証も誉も生まれない あぁ 愛は遠い生き物だ 彼是と人の言うにたがい なんて遠い生き物だ 追…

暮らしのうた

なるたけなるたけ 地から離れぬように暮らそう 歩く速さよりも忙しないものは 関わらぬようにしよう 所詮 人ひとりの身など できることも無かろう 今日から明日も 日に晒した布団で眠ろう 本来それだけで 回復するはずの事 なにをむつかしく考えていたんだ …

宵詩歌

宵も亥を過ぎると 身体が云うことを聞かん 痺れまでも感覚薄れてきて 愈愈 行くか行かぬか 決めるのは此方ではないと 思い知らされる 嗚呼 手紙は読み捨て 恥もかき捨て 何が残ろう 巻き晒しの布が 解ける頃に会いましょ まだ互いに無事でおられたら

風読み

風読みの生業も尽きてゆきます 貴方の形見だけ守ってゆきます 遠ざかる影を見送るほうが 縋られるよりましだと知りました 明日は熱された地面さらに 熱り上がって 狂わせてゆく積りでしょう 風読みの生業は 身体より気を使うのです 果てる日まで続けるつもり…

うろつく夏

花火の音来る港町 よかった成りゆきでも 噎せ返しふらついた昼にもう 諦めてしまったの あなたの腕を 抑えきれない恋は置いてこよう 決めた矢先も引き摺っていた 鮮やか空はそこにあるのだろう 窓開けて見ないだけのこと 希望の持ち方を知らないけれど 絶望…

呼び呼び唱歌

気をつけなさいな 連れていかれるよ 暮れ時に気を取られて 真昼真中もご用心 本来境目はなくて 人も獣も物の怪も 交わっているものでしょう 知らぬなら不足 咎めるなら野暮 どうせ踊らにゃの根性で 酸いも甘いも喰らいつけ 気をつけなさいな 入れ替わること…

かえりみちふたり

帰り道にだまりこむのは やめようよ 気持ちよく分かれたいじゃない 酔い酔いバスが苦手でも 君の肩に凭れる暮れが 好きで好きで 泣いちゃいそうだったんだよ 昂ったり冷めたりの 風も太陽も酔い覚まし ダイエットは明日から 現実も急に来るものね 計りすぎて…

おとこと

おとのは 欠けて 季節 さらば 泣いたふりの子 責めないでね 纏まらない髪 また風打ちの うねる真昼に 酔って寝よ ことのは 混ぜて いのち つくる おいてけぼりの子 優しくしてね 歌い舞台の 光まぶしく 縮まる喉に 竦んで帰ろ おとのは ことのは どこにいた…

壊れたままで

24の時 人生が壊れても 死ぬわけにはいかなかったから 引き延ばしてきたんだよ それとも 疑ってよかった? 前提から 誰かが許してくれれば スッと逝くようにできている 歯止めは何でもいいから 生き延びてきたんだよ 心はもう跡形もなくて あとは魂を僅か繋…

闇上がり

吐きそうになる事わかっていて また夜更し癖がついた 無くて七、あって四十八 えらく幅の広いこと その中のひとつになってしまい 太陽のめぐりに忠実に 月のめぐりに抗わず 来たつもりが 荒れることも格好がいいと 勘違いした時期の付けがきて 頭ではわかっ…

神声の仕業

よもや 風吹けば構える 彼の声そのものだと 睨んでいるからだ 胸の痞えを その察知と 言うほか飲みこむ術がない 何だっておそらく 彼の仕業 耳を澄ませて それでなくても六感七感で 受け止めてしまうものよ 声は遠く また近く 旅好きなのかしら よもや 風吹…

離れ十兵衛

先見の明も 力が過ぎると唯の苦痛であろう 世の中には何割かの 予期察知の役割持った者がいるらしい 一挙手一投足のその手前で 察して疲れて傷ついてしまう 肌は赤く荒れて 太陽も合わない 何所が生きる大地だろうか 問う頭はあるけれど それらしい答えは 此…

帰ってこないヨッパライ

横になり昼過ぎまで 酔っていた 1滴も呷っていないのに 蒸せる梅雨時の部屋に ただ項垂れていたのだ 取り返しのつかない日曜に それは何曜であっても 横になり食えるものは ゼリーくらいで いつまでも贅沢は覚えぬ喉 噎せるばかりで慣れてしまった 健康とは…

blue note

舟を漕ぎ 己等が手で やっとこさ辿り着いた大陸が また地獄であったろうことを 思えば 思えば 美しいメロディーなどに 乗せてくれるな 理解されてたまるかと 後の世に平和ボケして 押しつけるのもよくないか それでも不安定を孕んだものが好きだ 耕した大地…

名無し

名前はまだない 感情も得体知れずの乱高下も 付ける気もない その瞬間に自覚しそうだ 病は病として 現代は現代として 切り離して考えろ 例えば平安にいたとしても 持ったであろう感覚を 簡単に現世で済ますな 名前はまだない これからもきっと持たない

青春のない僕らは

カレンダーが埋まってゆくけれど その時が楽しいだけで ふと振り返るまでもなく 虚しい虚しい時のたわごと 青春のない僕らは 空も風も敵のごとく 何されたでもなく憎むでしょう 虚しさが増すこと知っていても 鳥鳴きの帰り道は歌なぞって 夕焼けも小焼けも沈…

西瓜売り

当てもなき田舎町に 当てをつけてやって来る 古い男の西瓜売り 冷やす川も 裏に流れておらぬ 家族は次々に去っても 季節だけ来るものだから やって来る西瓜売り 大玉小玉 泣く子もいねぇか 木刀も仕舞ったままだ 甘い甘い薄赤の身は 頬張る笑顔のあってこそ …

真夏のNowel

The First Nowelに酔い浸る6月 アベコベの時空間には慣れているから いいのよ穏やかな日曜が手に入れば 少年たちは高らかに歌い 澄んだ声が癪に障る あぁいつからこんな沙門しいものに なってしまったのだろう The First Nowelを繰り返し流し 聞いているはず…

暗い女で結構

斜陽 悲しみを歌う歌からも溢れ 帰り道は身体ごと引き摺る様 恋など憎し 暗い女で結構 希望も何もあったもんじゃないさ この世の闇を吞むように 生き恥晒してやる 逢魔 彼方と行き来の列からも溢れ 仕様がない部屋に籠る 神さえ憎し 暗い女で結構 そのまま嫌…

愚労

敢えて言わせてもらえば 現代社会が病みに敏感寛容になった弊害で いつの世も向こう側を見て聞いて感じ取っていた者が 一緒くたにされていくのは どうにも納得できないもので 背が凍える事 喉が詰まる事 体から力が抜けてゆく事 何千年 時空越えも生まれ変わ…

荒んだすさんだ

荒んだすさんだ 取りもどしようもないさ 赤信号を覚えても コーヒーがうまく買えても 刻みこまれている 海山風とフルコース 人の憎しみと怖さも添えて 荒んだすさんだ 悪い子だあれ 取り返したくなっても 誰に文句言ったらいいのやら 滲み出てくる 思いやり…

風と髪と愛

柔くもない髪に そっと手を置いて ゆっくりと撫でた 初めての感覚 愛はきっと綺麗ではなくて あとからあとから波のように 穢く恥ずかしく押し寄せてくる 分からせられた気がしたの 好きだ嫌いだ言うよりも あなたが愛でた方法と 私が求めた感触が 重なった気…

音楽の民

音楽が高まるのは 早くても そうね 夕刻から 昼日中なんて太陽が パワーをくれて何とかなるでしょ Music Music 呼んでるわ 遠ざかるわ 暗がりを待つかのように 鳴り始める音たち 何でもないように働きながら 何とか背け 音楽の民 言葉が必要なのは 分かり合…

過眠族

眠れないことだけが悩みじゃないよ 困ってる風には見えないかもしれないけれど 眠り落ち疲れ果てる 例えばなんにもしてないのに それくらい消耗して生きてる奴もいる 世間では大きい声で言えないな 怠けてるように取られるから 力が入らないの 重力があまり…

声拾いの森

森に迷いこんで 方角に風向きにとらわれるうち 声を失ってしまったの 盲点だったわ 当たり前に 足が動いて思いも伝えて だと思っていたから どうしたらいいの 落してきた甘いお菓子も 今はほかの誰かのもの 宵闇が怖いなんて 言ってる場合じゃなかったわ 声…