おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

寄り戻しのささくれ

ささくれた 心は継ぎはぎの 水注いでも 光あげても 簡単に生き返りはしないのよ ぼろぼろでいることに慣れた 人の不幸は君の当たりまえ ずぶ濡れだ 今日も明日も たとえば 雨あがると人の歌っても 今降られるこの時を どう遣り過ごすかの話でしょ 暮れ時は …

川沿い

川沿いは 美しくなくても その流れを見ているだけで楽しい 行きしな帰りしな 風向きの気紛れ 鼻歌のささくれ もう忘れてしまった頃に もういちど来た 川沿いは 美しくなくても その流れに沿うだけで楽しい

風泣く恋

肩を掴んだ 手の強さに 僕とは違う人だと思った 涙まじりの 好きと言う言葉 受け止めてくれただけでよかった 幸せには いちども出会っていない気がするけど 君といた時間が もしかしたら それだったのかもしれない 叶う時に怯えていた 遠ざかって恋を知るの …

lie

もう眠るように逝って それでいいんじゃない? 随分長いこと考えてみたけど もういいやって思えるくらいの 思い入れの無さだもの 此方が素晴らしいと 思う人は思う存分 生きてみたらいいんじゃない? 今日の喜びなんか数えてさ 捻くれた思いは 一緒くたにさ…

恋のトリックオアトリート

改札を出た時はまだ 雨はぎりぎりしのげた ちょっと走っただけで 息切らしちゃった 帰り道も着いてからも ずっと反芻 言葉より声が残ってたりする あぁ吊り橋と 思い違いしてないかな ちゃんと確認しようとするけど 自分じゃわからないもん ダイエットは明日…

人によっては数学でも文学でもいいと思うの

ダイアトニックから外れてゆくとき 不安とは違うものに胸をぎゅっと ほらそれは物心ついたころからだったでしょ 大人になって 仕組みが分かってうれしかったもの 解きあかしてゆくように 果てしなく複雑で単純な深みへ およそ一生かけても 足りない足りない…

蔭り

愛してもらえなかったと いつまでも駄々をこねる その姿は滑稽だろうか 人間が道具だった時代から そして必要だった時代から 移り変わってゆく途中だ いままで埋もれていたであろう 感度も機微も 声にだして 言っていいような押しこめるような ひとことで 荒…

dear- the islands

水辺をうたった歌が多くて 勝手に馴染みと思ったものよ だけれど 岩肌 風の厳しさ 思い描きつづけた柔らかとは違って ますます吸いこまれていったものよ まるでその土地で生まれたかのように 知った言葉に似た 知らない言葉が 心地よく響く 魔法のような島よ…

おさな夏夜

また季節のものかしら 赤く搔きむしって 夜も夜で眠られぬ 小さきがさらにうずくまる ねんねんころりなど 経のようなものでしょう あなたにとっての世界は 知るか知らぬかのそれだけで あぁ代わってあげよと はじめて思う こんないのちに会えるとは 綺麗な道…

帰られぬ月

月を見ていたつもりよ 帰りたい娘は 何度生まれても 希望は晴れて 空あざやか それが残酷にも 届かぬを教えた 月を見ていたつもりの 帰られぬ娘は 記憶うすれて 仮の住まいに 住みよさを 見つけることもあり ほどよきにおさまる 月を見ていたつもりが 帰らぬ…

救いなき世界

生きているか分からない日は 何も記さないでおく 辿ったはずの道すがら 何も無いのが悔しくて あぁそうか 救いなど無かった 何を思い違いしていたのだろう 救いなど無かった たゆとう時の中に居ることが どうしても受け入れられず 愛はあると当たり前に説く…

過眠の民

眠れない者たちの歌が 市民権を得て高らかに さすれば 眠り落ちる者共は 苦しみの無いように思われる 疲れ果てているのよ 上手く扱えないということでは 同じようなものなのに 白昼夢に酔い 起きられぬ朝に抗う また惰眠を貪ると罵られ 果てに堕落の烙印を …

なげくひと

空虚とは違うのよ 本当に本当に 生きているのか分からない 悍ましい 背筋を走る確かなのは寒気だけ 連れて行ってくれる手もないのに ここに留まる力もなくて 不安で不安で仕様がない 思春期とは違うのよ 誰だってそうだって 慰めの言葉にもならない 痛ましい…

海また海のバス道

帰りのバス 肩にもたれ掛かって いつの間にか眠っていた 切支丹も隠れよう 入り組んだ急な山道を 騒ぐ皆の中で 眠り起きなかった 後から気づくものね 君が支えていてくれた時間に カーブを過ぎれば海 また海 まるで此方が異様の町 幾つか教えてくれた Bible…

ゆられごころ

自分が生きるために縋ったこの人は 正しい人だと思いたい そんなバイアスがかかる そして鮮やかなまでの裏切りね 自分が育ったこの大地 正しい息吹と思いたい 何度も言い聞かせる どして風に反して陰険な 傷ついても傷ついても 信じ続けた純粋が 今になって…

おさな情話

毒まみれの情話 お嬢ちゃんにはちょいとキツかったかしら いずれこと切れるなら 今が丁度いい塩梅 悪い男に騙される それで済めば上等 いつかあなたも見極める その時にどうか健康でいてね うす紫の汁を飲む 良薬でなくても口に苦し 土産にもらった菓子を取…

いつかの踊り場で

教室抜け出した 気の強い寂しがりが2人 もう青春とは遠い 屋上行きの踊り場で泣いたりはしなかったな 機嫌良くもなかったけど 好きな本と お気に入りのノート やり過ごすには十分の恋や愛なんかじゃなくても 同じ時間は築けること チャイムにも気づかないく…

深夜主義

物語は 朝に始まり夜に終わる その狭間を縫うように 真昼があり暮れ時がある迷うな迷うな迷い込むな 美しいゴールで待ってるよねぇそこにも入れてもらえなかった 深夜主義の子が1人改札弾かれた勢いそのまま しゃがみ込んで 不貞腐れて 明日待ちの歌を恨むよ…

はじめて

恋おぼえたローティーンの 目で追う先は駆け抜ける人 いずれ離れる年だとして 落ちるとは止むなきでしょチャイム鳴る放課後の グラウンドはそのまま海続き 風吹けば泣いちゃうような 未練も純粋もここで作られた息切らして追いかけるよ 苦しくても追いつきた…

呼び呼び宵道

腹を減らして宵道を あんたは1人で来んね来んね 祭りの気配も消えた頃 みんな油断しとるけんね只々向こうに行くだけばい なんの怖れることのなか そいでも足の進まんなら 可愛がり兎も連れて来いしゃらりんしゃらりん 昔の花街 あんたは意味も分からんろうで…

日向の二度目の夢

日向で見ていた夢が 時を超え所も変え ただ太陽ひとつに導かれて よみがえりましたいとしギター弾きはもういない 蝕みつづけてた病も和らぎ もう明日を見てもいいころ日向で見ていた夢が 春に連れられ よみがえりました

久し陽の下

陽の下は痛いくらい きのうの雨がうそみたい どうしたって乱高下 それなら皆巻きこんじゃうくらいのうねりが欲しいね ひとりじゃないなら 良くも悪くも声の大きい人が去った後は なんて気が楽でまた焼けちゃう痛いくらい それがあなたの慕う夏でしょう? も…

雨明けのララバイ

この子よう泣く 我がの手にあれど 背トントンとならして 雨続きのララバイララ ララ 慣れぬ土地に産んだね ララ ララ 至らん事ばかり考える癖がねこの命と向き合う時は 捨てなきゃねあなたはあなた 私は私この子よう泣く 我がの手であやす 望み通りの時代と…

堂島

泣いちゃった日の 薄くね 喉に残る熱が痛いなんてことないよ 言ったきり 緑の道を辿るだけねえもう ねえもう 会えないかな ちょっとだけでも 聞いてほしい泣いちゃった日の 行く末 祈り講堂も閉まってあとはぐったりベッドに 身を預けるか 君に話すかねえも…

たびはじめ

高速列車の窓を這う オタマジャクシのような雨旅は長靴いるかしら 余計な物は持ちたくないけれど びしょ濡れぐっしょりもヤだもんな酔いやすいのは覚えてて 疲れやすいのを忘れてた隣の父子に当てられて 世間一般の和やかと 随分違うと分からされてまた捻く…

叫びのブランコ

チャイムが鳴ったら泣いちゃうよ 懐かしみも 青春のない悔しさも ごちゃ混ぜにして 叫びたいのを ぐっと堪えてた 甘いドーナッツ 泣いちゃうよ あたたかみも 息詰まる怖さも ごちゃ混ぜになって 言いたいことも 分からなくなってた 苦しさだけならよかったね…

さるきたがりの迷子

電車の音に掻き消された そういうことには慣れてないんよ 田舎者やけんね 色味も慣れない 京急が勢いよく過ぎていった 何を話してたっけ そうやんね もうよかね 大したことないし 今日は何か食べて帰れば もう何かしたってことにして こんな高く眩しく晴れた…

夏宵がえりの子

背を追った 坂道はきつく バス停は息切らしたころ 海に触れ 時を数えた それを見下ろす道 夏は呼ばずとも来るものを 来い来いしてさ 宵町の かえりみちは 少し追いつけ 汗落ちるころ 話もできよ 背を追った 坂道を後に バスは走ってゆく山道 風に触れ 走り抜…

返答の一部

私の今を許してもらうには あなたの人生を否定するしかなく 流石にそんな勇気はないもの 此方が堪えればいいのだと 念じてきたものの成果よ 人の側にいることは 生命そのものは ただただ苦痛でしかないのだと 教え込まれた気がします 考えあぐねた夕刻に 捻…

春、あかつきに

風にしたがうような速さで 去らんでも まだ心も追いつかんろうに 石の冷たさを知る前の 春、あかつきのころに 生き急ぐたましいを 止める者は無かったか 審判の意味も 覚束んだろうに 風に呼ばれたような速さで 去っていったということは そういうたましいだ…