おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

身を埋めて歌う時

遠い異国の湖へ 帰れなかった者へ いいえ 魂はきっと その景色を見ている 私はまだ海を渡ったことがない それが非道くかなしく 同時に掻きたてているのだと思うの あぁなんて愛おしいメロディー 吐くようなことは幾らでもあったわ 現実でも思考でも それがな…

秋生まれの一瞬と一生

一気に暮れて 秋の東町 置きっぱなしのギターが泣いてるわ 誰に讃えてほしいわけじゃないけど 眠り起き 絶えずここまで来たのよ 浸ったっていいじゃない 事切れるのは一瞬の 分かっていながら一生の 続く様をこんなにも 思うのは 秋生まれの まだ身も濡れて …

雨の日のゆりかご

久しぶりの長い休みに 沿線の店を幾つも回る 目当ての本は見つからず いつの間にか帰宅の波に 飲まれるつもりはなかったのにな 雨の日のゆりかごは 自分で探すしかなくて 閉じたり差したり 煩わしさも 彩りで誤魔化す傘 また、明日ね 小さな画面に見入った人…

カワイイ子猫と秋の春空

久しぶりに陽の射して あたたか春も思うころ まさか泣いてるなんて思わないでしょ でもそれが君らしくもある ぎゅっと抱きしめるのは 簡単なこと でもそれじゃ止まない 痛みも震えも 愛しいなんて 言ったら怒るかな 他人事だと思ってって 引っかく猫みたいに…

港町生まれの渚

汽笛は遠くかすかに聞こえるほうがいい 風待ち 身に迫ればもう 心耐えられなくなるだろう スキップはしゃいで帰る子の 愛おしさにぼかしてさ 港町生まれの渚 まんまの名前をつけたもの あんたの親はどこ行った すまぬ今まだ 物分かり途中に 甘えてもう少し …

君の鳴るほうへ

どこの楽器だろ 遠い国の気がする 耳について 心地よいわけでもないのにな 離れないのは ジリジリと 夏の 熱も戻る 世の隙間に 鳴れ鳴れ 坊や 好きにできるから 病んでしまったとか 夜の隙間に 鳴れ鳴れ もっと柔らかさなど 忘れてくれていいのよ 誰が鳴らし…

雨のあとね

雨はもう雨でないほどに 知らぬ轟音を立てた 地の揺れる錯覚と 背中が熱持つ確か こんな小さな私の日常など 潰れていいから あなたの住む町は穏やかかしら 愛しさでなく思い出すのは 流行りじゃないから捨てようかしら 理屈唱えても思い出すのは あなたの声…

生まれた空にいるかぎり

世を儚むほかない時に なんて気楽な街の声 怒りの矛先を向けるという 無茶苦茶も身につかないままだったね いいよ そのまま息をしていても 誰も優しくないことを 知るためだけに生まれたなんて なんて悲しいことじゃない 恥ずかしいよね 無償の愛がどこかに…

記憶に落ちる

なんてことないわ 市井の雑多も 今日のゴタゴタも 苦しくても なんてことないわ あの地獄に比べたら そんな記憶を持っていることが 恵まれてるって? 馬鹿言わないで そんな記憶を潜めていることが 苦しくないわけないでしょう 今日もそっと 閉じるけどね 大…

葉落ちくれない

色づいた葉が すっと散るさまに 心とらわれたら 一瞬も一生のように 思いはじめたら 一生も一瞬のように 怖くもなるのよ それを 愛おしく感じると 人の歌うほどに まだそんな場所へは行けないわ 浅はかかしら 卑しいかしら それでも責め来る秋の音を すっと…

秋の香

あぁ私はなんて狭いところにいて 嘆き散らかしていただろう 迫りくる 浸みくる 秋を前に成す術なし あぁ私はなんて小さい生き物 分かってたつもりで偉ぶって 気づいたら そこにいる 秋を前に成す術なし あぁ私もどうせ死ぬんだからって 横着してはいられない…

刺す雨のおと

誰のせいでもないというのなら 誰に伝おう この殴り雨 光さすほうがいいと選んだ 窓辺の部屋 今は責められるように あなた怒っているのなら 何を正せばいいですか あなた慈しんでいるのなら どうやって返せばいいですか 心臓を刺す 降りしきる あなた笑って…

街とあなたの声のせい

また意地っ張りは あなたの声に嫌気がさす ふりをする 癒されたいなんて 思ってないよ カーテンを開けること 街に溶けず自分を持つこと なんで偉いんだって 誰が決めたの 聞こえる声を 消えぬメロディーを なぞって払うだけで精一杯だ まだ籠りたがりは あな…

世界の隅

昼も夜もなく 虚ろな目 殺されかけた時に死んでおけばよかった 聞く人が聞いたら怒るだろう 所詮なだらかな生き地獄 なんだってこんな星に 落した 恨み事くらいしか 残せなくて やたら音楽鳴らして 煽るNewsは嫌い 知らん顔する人はもっと嫌い どこまで行っ…

あちらも此方も浸す雨

音のないまま降る雨のせい 昼寝覚めも 今生の悲惨だって 産まれたからには幸せに 生きてるからには自分の意志で そういう言葉は知ってるわ ただ向こう側の人だけの ものだと思っていたの 薄ぼんやり気づきはじめてなお 今でも思っているの 少し湿った空恨み …

ただ遠ざかったあと

悲しむだけ悲しんで コロっと忘れたように泣きやんだ なんだ お前にとって そんなに大したものではなかったのか がっかりした数時間後に ふと過る 誰のことば 大切すぎるものは 亡きに受け止めきれず 消し去るのだと あぁ 泣いてくれ もっと 泣いてくれ お前…

チーム・ストレート

また真夜中のチョコレート 子どもじゃないから大丈夫 TVには嫌に励ます歌 速攻で消してやる そんなんで済むと思うな 捻たなら何処までもゆこう まるで西部の旅人のように 虚しさに出会ってなんぼ 子どもじゃないから大丈夫 続いて真夜中のココア おんなじ…

夜裂けても

綺麗な石に 縺れた糸を もいちど通し直すなら そうだ誰かの誕生日だった 忘れたならそれでもいい 片恋に似たシグナルを ずっと紡いで過ごしましょう 世分けるように 咲くも散るも 営み穏やか 1人見て 夜裂けるように 不安だったこと 嘘みたいに消えて どうせ…

メロディーに依るとき

音符を指で数えたころ 小さな町が苦しくてさ 1人籠った音楽室の ピアノの音がいちばん澄む どれだけ上書きされても 消えないように住んでいる そっと歌って あぁなんて 胸痛めるメロディーだろうって 言えなかったな 幻に見えるくらい 綺麗だったな 校庭から…

閉じ込めた今生も

喉の渇きを癒すだけなら 100円もあれば十分よ お高くとまった人達と違って 地に足着けて生きてるんだから ドアを開ければ すぐじゃない 何があなたを押し込めて 動けなくさせているのかは きっと今を見るだけでは 計れないものね どちらでもいいわ 好きな方…

追いすがる花の歌

タータンチェックのスカートひらり 泣いたりね しようにも 風はやわらかだった 初めて石の前に立つ どんな生き方 どんな最期を 抱えて 教えるのでしょう 花をほら 慣れない手で ゆっくり置いて これでいい? 遠ざかる時間を手繰り寄せ 目を閉じ思うだけでい…

真夜中に産まれおちた

もう明日 明日どころか今 死ぬんじゃないかって怯えても なんだ損した気分 意外と長持ちするもんで 恥ずかしい人生はつづいた ねぇ未来は 未来はどこまでも 果てないから夢を託せて 狭い部屋で怯え 冷やかに見られても 抜け出せる未来を持っていた なんだそ…

いのちなごり

いちど、生き返った そしてまた止めた 気紛れにもほどがあるだろう 野分の名残り 噛むように 神様、神様 唱えた分を返してくれ また1人の日なかに戻った それは、現実だった けして目も逸らせない ふらついたら最後のいのちって 教えた代わり 責負うように …

死んだような朝とあなたの声

あなたに負けるわけにはいかないから 奮い立たせなくちゃ 熱があっても 弱っちくても 関係ないんだから 本当は癒されるヒーリングミュージック 求めるのが正解かもね だけど行き着く あなたの声に ありがとう めったに使わない言葉なんだけど ありがとう 元…

地球が欠けてゆく時

何時とは知れず きのうかも明日かも知れないが 地球が欠けてゆく時は 私もともに在りたい 微力ながら 朽ちるひと欠けとなり なにかしらの緩衝になれることを 緩やかな音楽を奏で 心収めることも できたろうか それは きのうかも知れない 誰も気づいていない…

宵入りと残息

宵入り済みであることはすぐに分かった ただそれが どこまで深く入っているのか 計りがたいのだ 臥せる身には 1日の暮れ具合につけ 季節の深まり具合につけ ただ何もせず 昼も夜もなく 重い身を床に擦りつけて 飯だけ食らっている癖に 情けないったらないな…

文明の後ずさり

叫ぶような賑わいを嫌って 街を出たはずが 此処もまた人の住む里 煩わしさに変わりはなかった 海の音がすればいいなどと 誰が言ったか 意地汚さと陰険さは 文明とともに晴れてゆくものであり ならばこの地は未開の闇 来るでなかった 後の祭り 古いノートに書…

嘆くも花

泣けると謳われた映画には 碌なものが無かった そういう目で見てるからかもしれないけど 別に感情表したいわけじゃないのに 煽るのはやめてね 街も空も ただ風がゆけば 季節めぐれば それでいいんだと強く念じても たったそれだけのことが どんなに難しいか …

軽はずみ君の午後

ちょっと酸っぱいパイナップルと 甘いココアで 謎の午後 曇りか雨か 見えない風向こう 今から街に出るのは億劫だな 昨日からの熱はもう 引いたものと私はみなします 慣れてるから大丈夫よ 慣れるものでもないけどね 片づけをしかけたまま 放置された景色に見…

白昼考

白昼みる夢は色もなく 絵もなかった 不安には十分すぎる仕打ちでも なんてことない 街の音を そのまま見ていただけだった 音だけ頼りに 見ていただけだった また眠り 不確かな夢を見るもいいでしょう 殴り起き 頭の重いまま 暮らし始めるのも あなたにとって…