おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

大丈夫だと一緒に言おう

ひとくち水を含んで ゆっくり息をすることを 誰か教えてあげなかったのかしら こんな弱った子を前に すっと通りすぎてゆく人が 悪者でもないのに 恨めしくて 重ね合わせは危険なものね 頭でちゃんとわかってるから 言い聞かせるわね 心にもそう 大丈夫 背丈…

貴方の空を見ない子は

まだ貴方の声が聞こえたころに 思いだけ残してきた 風でも吹けばそれだけで 信じたくなる 独り善がりかしら 空を見ると人の言えば よくもそんなに気軽にできるなと 置いてけぼりも慣れているけど せめて記憶は消してほしかった 目もくれず恨み事だけを 並べ…

どちらにしても偏屈は

食べかけのパンを どこかに放った 正常な時なら 考えられないよなことだ そういえば 正常な時ってあったけな 自分で美しく仕立ててるだけだ のらりくらり 今日も病み 埃被った偏屈を 神棚に 手放しで祭り上げるわけにはいかないな まだほんの少し こっち側に…

夢現

目覚めたら 世界が変わっているかもしれない すっと別の生き物になっているかもしれない それならまだいいほうで もう目覚めることないかもしれない すっと消えてなくなっているかもしれない そんなことを考え始めたら 眠れるはずなんてないよなぁ そんなこ…

夜祭りの節

つんと小毬を落としたら 其処は迷いの入り口に 祭囃の誘いなら 行かぬほうが可笑しいほど 秋は、秋は 冷えるように できて、できて 招くでしょ 甘い香りするよなまやかし 振り返ればただ風の吹くだけ 怖い話ではないのよ そういうふうに できて、できて はっ…

しばしの寄る辺に

甘いココアをお飲み 泣いたりは またそのあとにおし 禁じたりしないわ だってあなた自身が受けた感情を 誰が否定したりできるでしょう ゆっくりお飲み 人生は 思うより長くしんどいもので 振り返る時 早かったという人は きっと幸福な人よ たったの一瞬が 重…

2つ柱の1つのほう

ちょっと汚れたくらい なんでもなかったのになぁ なんなら泥遊びして 笑い転げてたくらいだ 死んでいく時 はだかなら もうなんだっていい気がした 病んだように洗い上げても どうせまた 仕方ないよ 夕日か朝日のせいにして 適当なところでやめとこう 森を見…

命短し、生きよ乙女!

ギリギリあなたに見えないところで ちょっとワルイことしたいなぁ まんまるキャンディーほおばって 子どものマネして許してもらおう 愛なんて歌ってるヒマはないわ 人生は短いのよ つまずいた分の取り返し 今やる? いつやる? 今日が終る ちょっと反抗的な…

どこで眠り起きて

眠り起きの中にいるだけで 生きたと言えるだろうか 消えてなくなればみな無だと 開き直れたらいいけれど じっと耐えたホーム ようやく歩き出したアスファルト たられば並べた道の先 光でなくともせめて影 待っててくれたら諸手を上げて 眠り起きの所業だけで…

少女の駆ける町

傷口に浸みる雨 泣いたら負け、と 泣いてもいいよ、が 歯を食いしばらせる もう忘れてしまいそうな あの人の残した町 守らなきゃ ぎゅっと縛って また滲む包帯も 掻き消せ掻き消せ 雨の音 幼などき 口ずさんだ歌など 今さら出てきてくれるな 進め進め 守るた…

眠りの祈り

眠らなくてもいいのよ ずっと耐えてた身でしょに 眠っててもいいのよ 甘いプリンを買っておくわ らしいことは何も させてあげられないぶんね 考えてるわ 明日は空へ 初めての飛行機なんてどうかしら はしゃぎすぎないよに でも笑えるよに つかれて眠って起き…

遠い日

水流れは清らかで大きくて 大好きなんだけどな その大きな海が隔たる向こう 遠くて恨んで妬ましくって 今ならわかることが 遠かった 遠かった あの日 今ならなんてないことが 苦しくって堪らなかった日 開ける通りに出ると安心するのは 海前に立つ勇ましさに…

大陸の調べ

見知らぬ大陸の 聞きなれた調べ 矛盾してるって この世はそんなことばっか まだ知らぬ人の 歌い継いだから ここまで来たのね ありがとう ぎゅっとなるよな 追い詰められるような 節が好きなの 変わってるって また眠りに就く時に そっと流して浸みましょう …

星の子

急に冷えたね 追いつかないんだろ グラつく頭で なんとか微笑んでるに違いない 愛とか恋とか 歌ってる場合じゃない この星に君がまだ いるうちに 自分の体くらい 自分で支えられるよって 君が言えば言うほど 抱きしめたくなるんだよ 葉が散るまでに もう少し…

夢想に起きる

5時半のベルに叩き起こされた 泣いたって無駄 今日は始まる 夢想を幾ら重ねたってさ 世の儚さに怯えたってさ ちゃんと始まる 嫌でも始まる それであいこね そうしましょ 寝てた電車で揺り起こされた 地震じゃない 事故でもない ただひとりでに揺れただけだ…

Kanon

飛行機雲に見えたのは ただの思い出しだったみたい この部屋が狭いせいよ 思い描きに1日使う 虚しい人生だと 決めるのはあなたではない 生きて生きて 生きていたのね もう知ってるお空の何かから 晴れか、雨か、曇りか、星か 届けばもうそれで それでいいと…

冷えはじめた朝の夢

愛されていたはずの それも夢見だったのかも 冷えはじめた朝に 蝶になった夢を見た 気がした あぁ戻れないな それだけ悟って時を見る 誰にでも与えられているはずの 確かな感覚さえ 遠ざかった朝だった ひらひら舞っていたふりをして 認めてももらおうか も…

水流れの導

雪を触った夢を見るのは 南生まれの憧憬かしら 時は中秋 真逆でもなく 季節離れは否めぬかしら 静けさからも 騒がしさからも 懐かしがりも 未来描きも 逃げようなんて 出来ないし思ってもいない 水の注ぎは一瞬でも明瞭 あなたに触れていたいと 癒されたと口…

屈折の歌うたい

暗い歌ばかり歌う女だね 愛のひとつもさらえないのかい? 跳ね返りはいつだって 余計な世話 起きるのも息をするのも 眠りに就くことすら 奇跡 感動的なそれではなくて 絶望の意味でね また畳みかける 季節だけゆく 置いてけぼりだね 煽る音楽つけて 傷つける…

臨床

ザラついた床 誰も足を踏み入れずに 一月二月見送った部屋 窓を開けて少し風を入れようか それも何だか苦しい? 病は市井の預かり知らぬところに 蔓延る もう楽におなり 冗談でもそんな言葉は吐けない 寝床を綺麗に整えて じっと傍に座るだけよ 病は神に祈り…

背中預けておやすみ

まだ慣れていないのなら ゆっくりとおやすみ 木の根みじかい命を どこまでも見えぬ土の底へ 延ばし延ばし 咲く花も 咲かぬ花も 祝福した そんな温もりも感じながら 幹に背預けて おやすみ やわい苦しさは彼がきっと そのまま押しこめるでしょう もう慣れてき…

異星に於ける生活

騒がしい木々の擦れと 市井のあれこれ 距離を置いて暮したい 山に籠るでもなく 気分だけそうなる贅沢な いいとこ取りはできないんですよ ちゃんと降りこむ律儀雨 便利をとって すぐに何処にでも行ける場所は 仮住まいで 気づくのに何年かかって 気づいても抵…

巡るほんの一縷で

大きくほおばった西瓜 いつのまにか店先から消えた 笑顔思い出すなんて もっと難しいこと 命燃やした空蝉の 鳴かず鳴き 止み朝はまた来た 留まり知らない時の中 また季節に踊らさせて 悔しくも 諸手を上げて讃えよう 信じられるのもあなただけ 冷たく緩やか…

また戯れ言

毎日毎日飽きもせず 子を傷つけたニュースが そして表に出ない叫びが 幾らでも転がってるんだよな もういっそ1度破滅してしまえば 正しく生まれ変わるだろうか この星ごと 世界がどんなに狭いか忘れてしまったの? 土台が無ければどこも生きられないのよ 気…

野分の心丈夫

また野分の予感 山が騒ぎだして あぁ鎌もしまって戸も閉めて 泣く子あやすと いつか晴れると学んだだけで なんとか心丈夫 ただ野分の夜 雨は打ちつけて あぁ飯を炊いたら落ちつけて 子は泣かず済んだ 明日は一過の晴れ空だ やたらに心丈夫

夏越におやすみ

弓を引くまでに悪い夢を 何度越えてきたの貴方 空にぼんやりまあるい月のせいよ いのち途切れることを知って 急に怖くもなったのね 来年の夏越もいられるかしら 風はやまない 空の果て 貴方のこと 誰もが忘れてしまっても 必ず胸に置いておくわ 安心しておや…

祈りも枯れる

争いなく明けよ 淡い光にこめて 日はそう言っているのに 嘆くだけの日常を変えよ 強い光をもって 日はそう説いているのに 世界の様に逆らうのは 己の怠惰に鞭打つのは こんなに難しいことだったか 使命を持ったような気になって また日をひとつ、落してゆく…

青と緑の住むこころ

緑の声を知った時 私はなんて雑多に生きてる だからって形ばって 徐に出掛けるのも違う気がする 木々のざわめく中に暮らして はじめて分かるものよ 幼心に知った傷は数知れず それと引き換えとでも言うの 木立は確かに胸にもうある 青の声を聞いた時 私はど…

朝日の部屋

寝覚めに1杯さぁどうぞ 悪いものは入っていないから 少し熱めにしておいたの いつ起きてもいいように ちょうどいい頃合いを探ることがいのち 辿りつくそれまでに息は続くかしら あなたの朝に添いたいと 思ったそれだけのことが こんな大げさな問答に 落ち着…

後の祭りの長いこと

心巣食うおさな記憶 泣いたら負けよ 踏ん張りな 声を掛けてくれた人を忘れないのは 辛さの所為 誰も彼も 不幸せに酔えばいいのに 手を叩き 祭りを急ぐ 人の群れにはわからないけど 落した綿菓子 切れた鼻緒 ベソかいてさ それが今まで続いてるような 目もく…