おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

homage

忙しない世は確かだが この切迫はその所為だけではない 己の心に静寂がない 止まるのは無理でもせめて 緩やかにあれ 街を抜け駅を出て ひととおりの喧騒をのんだ いつの間に眠った 朝 心ここにあらず カヴァレリア・ルスティカーナ あぁ私は 何を生き急いで…

暮れの日

朝を迎えたのは 思い違いだったのか 誰にも話していないから 確かめようがないけど 明かりの灯らぬ部屋を 目で追い疲れてまた ふらつく自転車で消えてゆくのだ 風邪ひいたみたいね 無理しなくていい どうせ数十年 暇をつぶして楽しんでよ なんて呑気なこと言…

最後の夏服

最後の夏服 袖通した君 全てが壊れる予感もしたけど 思えば 流れる全てが最後 流れゆく全てが最後の夢 だからもう一度 歩き出せるのなら もう一度だけでも笑い合えるのなら 最後の夏服 風に揺れている いつかは壊れる予感もしてたけど 祈るよ 今この この一…

降りてゆく

私は辿り着いた 絶望の淵に ここでもう終わりだと 取り乱して 私は心を病んだ あぁここから何処か 楽に生きられる場所に 光を求めて 絶望の淵は切なくて 苦しくて 救われようともがくほどに 苦しくなるばかりだから 私は降りてゆく 苦しみの底から這い上がる…

秋に焦がれる者

朝の冷たい街のなかで風を追っていた 見えないものほど縋りたくなるから 深まるほどに追うような そのままどこかへ行くような 秋の苦しみは分け合えぬ 葉の色、夕風、何をとっても また1人で恋焦がれる 明けた時からもう気づいている 人の行き交う街のなか…

見上げる思い

また臥せた床に 繰り返す闇に 放るが早い浮世思い 止まぬ痛みに 止まらぬ思考に 嘆くほか思い当たらぬ もう咲いた花も見ぬまま いつの間にか散ること 慣れたのに まだその様を いつか見た姿かたちから 思い描いて暮れる 地に足を着ける生き方と言うが 足どこ…

川岸の意

冬はぬくもりに気づくためにあり 誰も届かぬ心のうち 少し見せてくれるかなと 天までもお前に期待した 愛知らぬままに朽ちる身に1つ 教えておきたいことがある 戸惑いだけを残してゆく お前がどんなに愛おしいか うまく渡れるものならば 船も漕ぎ手も助けも…

この星の、独りごつ

いつか呼びかけた神の 沙汰無きこと どこまで肥大化させて 虚しさも一緒に コーヒーは飲めないし 車にも人にも酔うし この星の楽しみ方を 事前に誰か教えてくれてれば まだ空ばかり 空の向こうばかり 心持ってかれずに過ごせたかな この嘆きも 独りごとさ 胸…

よとぎばなし

言伝があるのです あなた1人で今夜、1番奥の部屋へ 怖がらずともよいのです …嘘です あなたの機微に懸けたくらいだから 気づいてしまわれたのですね あなたを堕とし 世の様を 少しでも潤せたらと あなたの首を絞め 世の痛みを 欠片でも拾えたらと 仰せです…

ひとり祭り

お前はひとり祭り 涙を浮かべても なぜに耐えるか この浮世 たれもきづかぬのに 春、桜辺は 人の通りの賑いに 紛れ、紛れ 妖など 羽を伸ばすか 香はあるか まだお前ひとり 決めあぐねた身の処し様 酷な言い方をすれば その涙落としたところで たれもたれも心…

narcolepsy

Let It Beを聞いていた 昨日でも今日でもない暮れに 覚めたのか 堕ちたのか やわらかメロディーだけが救いだけれど もう戻れないのか この世で最高の music 与えても 応えない身体に苛立ちながら 唱える 次の曲に移った 朝でも夕でもないくせに 死にだけは近…

believe IN myself

もう感覚を失くしてしまったから 涙 涙だけ落としてゆく 落としてゆく もう川の向こう辿ってしまったから 風は 風はほら 意味を成さず 僕を責めて I believe IN myself ただ なぜ生まれ生きるのかという ありがちな問いではもう表せない 表せない ほら 感覚…

海の前に立つこと

海の前に立つとき 清らかでなければならないような 呪文 それさえ流そうと 波音きて 海の前に立つとき 痛みが少しやわらぐような 錯覚 それでもいいから 涼風吹き 海の前に立つとき 心が溶けてなくなるような 幸福 それすら失くしても 不幸紛らせ 海の前に立…

こころおろか

夜半もとうに過ぎ 手先冷えきったのに 帰り着けば此処はいずこか 今はどの世を生きているのか 作りだされたやわらかい風を 受けても知れぬ巡りゆき 呼びかける神も背も なき身には こんなにも日常が おぼろげなものか 落日 記憶辿れ 目を閉じ作るしかない 描…

うきよまつり

秋祭りの明かりが灯る前に家路を 曳きこまれてゆくから …ゆきたい気もするけど あぁ艶やかに あぁ嫋やかに 浮世なぞる、かわす、染めるひかりよ 秋祭りの明かりが灯る前に家路を 曳きこまれてゆくでしょう もう彼の地にいるのかもしれない 鮮やかに 気づかせ…

雨の讃歌―「自然を讃ゆる詩」より

雨の音に夢は破れ 雨の音に愛を知る 雨のにおいのした町を忘れるはずもない 雨よ 雨よ 雨よ どうしてあなたが生まれたの 雨よ 降り注ぐ今の身に問うでもない 雨が降ることで 夢を見られるの 時に遣らずの雨 雨よ 雨よ 雨よ この世の無情を晴らすよう 雨よ 降…

秋の夕暮れ

散る葉に心摑まれ 真冬より怖いのは何故 まだ生きているのに ひと風ごと 肌に胸に来る予感 秋深まれば揺れ惑う 言の葉に縋りひとり 冷えゆく季節の前 成す術なく 秋の夕暮れは私を覆い 心は何処まで行くのか 何の夢でもない浮世 辿りながら暮れる 沈む日 街…

或る一つの詩

深い深い暗闇に突き落とされた 高い高い天空へ引き上げられた とても忙しいあなたの心 幻のような世界見つめ続けた 投げ捨てられぬよう怯え続けた とても繊細なあなたの心 縛られもせず 落ち着かず 行くあてのない 留まれもせず 進めずに どうしたらいい と…

交錯

交錯 悲しいこともあるという 僕は生い茂る草の中に隠れ 愛しいものを愛しいと言える季節を待っている 夜明けの街の冷えた空気を吸って気づく もう秋 ビルの間に明けるオレンジ その色はふるさとと同じ 悲しいって言ってもいいかなぁ 目の前で倒れ込む彼女(…

空を呼ぶにはまだ

記憶擦り合わせ どうしても戻れぬことを悟る いつ何時かと あの人の表情も 場の雰囲気も 私の感情も 全て覚えていることが ここまで苦しいのなら 無になりたいと 星に願うか 神を呼ぶか どれも叶わないのに 空などに縋るものか 私はまだ地に生きるのだから …

ぶり返す静かな波

また床に臥せた いつが正常かわからぬくらい 悔し床に伏せた 喉の痛みは強まり そう考えていると益々強まり もうそれだけで死ぬのかと思った そんな思いをしていた近い過去を思い出し そうか、これも過ぎ去ると知り それでも臥せていることは 私には堪えた …

海(fuka) 何も言わなくてよかったね そこに海があったから 蒼くきらめく風にゆられ 心ふたつそこにいた まだ君の心みえず 制服のままで走ってきたの 何も言わなくてよかったね そこに海があったから 手をつなぐこと寄り添うこと 心知らずそこにいた まだ未…

you

捻たことばかりさ ため息すら出ない世に 綺麗な思い出を ほんの小さな記憶を 広めて高めて持ってるようで 恥ずかしいけど頼りきってるの やさしい手の感触を 忘れずに生きているから 誰からももらえなかった愛を 縋るように思っていたから 何もかも純粋には …

雪街

背から腹から冷え切って 声は喉を通らぬ お前の愛した街は狂い 直に閉じるだろう 冬空に歌い 舞わぬ雪待ち 風ご機嫌伺い 遠かろに 寝覚め引き摺り世の一手 袖を通したままでも お前の愛した街に酔い 直に暮れるだろう 冬空に歌い 舞わぬ雪待ち 風ご機嫌如何…

物思いの部屋

あたたかい日を受けたはずなのに 背はまた冷えだした 1人きりでは確かめようもない 闇に堕ちたか 気のせいか 帰り着いた部屋は楽園ではない ひととき ただ体預けるだけ 遠い神は知っているか もうとっくに忘れてしまったのか ただ問いかければ ひととき 虚…

遠い神、心の真中

水が合わないと言うが この世の地が風が合わぬのか 何に追われるでもなく 臥せた身の惨め 遠くなればなるほどに 見えぬ神は形作られ いつしか心の真中に棲む 夢の中では悟っているが 醒めた途端の不確かさ 言うことを聞かぬ体 保てぬ心の惨め 唱えれば唱える…

森へ帰る

いつか森へ帰る 市井はわりと海に開け 海が開けているという なるほどそのとおり しかし森の広さを知らぬのか 生い茂る様 迷い入るからこその ある意味広大さを孕み 人がきづかぬ、ことまで含めて いつか森に出会う その人もひどく少なく 知らぬまま死するが…

いつか貴方の許へ

遥を知った もう何も無い 震える背に憑く影も無い 遥は苦しく 時に彷徨う 涙が死んだ 嬉しくもない 生贄には揺る背さえ無い 遥は優しく降り寄り添う 貴方の事を愛しいと思った季節もあった 今ではもう 体の底から冷えるような時を生きてるだけ 空が晴れたら …

辿るつき

世は熱に浮かされ 生きているのか 死んでいるのか いずれにしても not to be 青よ 涸れてくれ 希望見せないでくれ 欲が顔だす 赤よ 暮れるなら 飲み込んでくれ 世界ごと 世は疾うに暮れ 保っているのか 閉じているのか 幼な言葉も not to be 青よ 涸れてくれ…

呼びかける 青い季節

かなしみなど越えてゆけるから 1人で生きてゆけるから 呪文を唱えれば救われる? 青い季節(とき) ひとつ息をすれば 崩れ落ちそう 狭い校舎に閉じ込められたみたい あのセーラー服の私 どんなに遠くても どんなに遠くても そこに存在して(いて)くれるなら 迎…