おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

葉っぱのゆくえ

目が覚めたら 生まれた国とは違っていて どんな旅だったか 辿ってみたのだけれど 記憶というものが 朧気で不安だなぁ 子猫に咥えられて また放たれて 薄ピンクの花びらが散る その中に紛れたことも ありました 生まれ変わるなら 風の中 そう歌う人がいました…

海だより

癒される方法を探すより 癒されないと決めてしまうが早い 防波堤ながめていた 打ち付けるさまは見えないのに 聞こえないようにしたのにな 海の声は 言うほど心地よくないの 本当を知らない人だけが 海に会いたいと言っている 捻た思いを込めてみた 青春を沈…

恋人形の罪

ほろにがいチョコレート 慣れてきて 可愛がられもお手の物 片手間なんてやめてね ちゃんとそばにいてくれなくちゃ 眠れないもの 好いて頂戴 甘い香りの恋人形 子供たちの徒競走に 混ざりたいものね 西洋の曲を流して らしくない感傷に 浸ってみるのも いいか…

You ken the summer.

煙い墓前に なつかしみの花 忘れかけたうたも 遠くのパレード 響きくるpipe 忘れよのない後ろ姿 You ken the summer. 教えてはくれないまま 去るのね 蒸される地には 魂の帰りどころもあるかしら 賑やかしの街は遠い なつかしみだけで 生きられよか You ken …

嘘と嘘のあいだに

寝雪ふかく 朝には気を失いそう それは目覚めないということかしら 名を呼ぶのは恥じらいと 背中合わせのことでした 冬の気にあてられて 生きているのやも判らなくなるほうが 温い部屋で潤けるよりいいわ 弔う積りもない癖に 匂う線香の禍々し あちらと繋が…

あまやどり

降られたのね 雫と湿った小さなバス停 また会ったね 反対方向でも 一緒に待つことがあるのね ねぇたった何年か前に 同じグラウンドにいたことを あぁ覚えてる? 僕は恥ずかしいくらいに さっきのことのようになぞっている 待てば止むかな 乾かないまま 注ぎ…

夕日が丘を背に

弾けないギターを抱えていた 夕日が丘は嫌い 心は赤に動かされなきゃ 冷たい人みたい 1人分の荷物抱えるので 千切れそうな腕 心ひねくれてばかりは疎まれる 知って止まない 季節相俟って 世はもっと繊細なほうに合わせるべきよ 静かに唱えてきたけれど いつ…

送曲のねむり

ただ静かに眠りなさい 日常なら 子に言い聞かせることを もう静かに眠りなさい いよいよかな 見送るために言う 冷えた気は慣れない あたたかな町でも 冬は袖重ねて 好きな振りをした菓子も もう簡単に捨てられる 心失いの 子は此処にいるから 悔しくも 憎た…

やわく紡がれる

泣いてしまった やさし歌は 知らぬ言葉で紡がれて harpと彼の声が 溶けるようだったわ もう 生きているのか知れぬ地で 生きていなくてもいいと思えた さよならの意ではないからね 思いこみの仮初もいいかなと 胸に堪えたというお話 深く埋まった ふるい歌は …

いきみちかえりみち

手を取りあったつもりが なぜ突き放したんだ 数えだした花びら 止められず間誤付いた 甘茶の風味は覚えていて もう町へは帰らないとして 隠れたつもりの草むら 5時の鐘は無視しちゃって 怒られた記憶が 本当か想像か もう分からなくなるくらい 離れたよ 手…

片恋証左

たましいの置き場が無いから わざと茶化して潤んだだけよ 火をくべるまでは気づかなかった 貴方はそうね やさし人だった 消えること知りの生きるは辛い せめてもの慰めに神呼びごと バニラの葉 捥いでこよか たましいの遣り場が無いから もう知らない振りを…

交差

幾つも名のついた病は居るけれど 思い切れないのよ ダメね どれにも寄り掛かれない 1人の部屋に酔い いつの間に本当の 孤独を受け入れた? 彼の言うように 幾つになっても 物を知らない娘のような 恥じらいも置いてきたもの 頭だけ働かせながら 同じビルから…

夕暮れのふりをした長崎

まだ暮れない まだ暮れない だいたいは海沿いで 待つともなく待っているのだけれど 馬鹿みたいに往復 かもめ広場と大波止を あのメロディーは何だった? 5時の鐘 十字を身にも着けず 失礼しました 足を踏み入れて いいものかしら いいんでしょうきっと 呆気…

物語の中へゆこう 1

風が弱まったのに合わせて せーの、一歩軽く跳ねてみて 物語の中へゆこう 向こうはそんなに怖くないわ 裾の破れかけた長いスカート やんちゃも可愛い子 頭抱えて怯え待った癖 大丈夫よ ついてるわ 甘いキャンディー今日はOKにしよ 憧れの絵本 飽きた折り紙 …

叫び子

何者にもなれぬと君が嘆く時 およそ何者かになれるという傲慢がある 長い歴史を思えば 個人の意志や自己実現など ほんの始まったばかりの遊戯 けれど幾ら巻物をなぞろうと 人類以前に馳せようと 結局 己の生きる幅でしか 感情は持てぬものだ だから我儘では…

星呼び

遠ざかるようにできているなら なぜこの星を作ったの? 会えないこと分かっている恋人の 書き残した歌に添う 日常は浅く 何の興味も失せて 食う寝る所に住む所 満たされるまでなくても 追い込まれていないのなら 幸せでしょ?って言う人 何の反論もできない…

わがいとしの国

憧れてやまない島国は オシャレで色鮮やかな服 なつかしむ歌は彼の地から 違うようで繋がっている不思議 彼の言うような内向きも 此方のことかと思うほど 身に染みていたから 余計好きになった ひらり風に靡け tartan 生き死にから離れて響け pipes 行ったこ…

離れた潮目

花を供えるのはきっと出来る 幾らか金を握って買いに行くのも 鍵さえ見つかれば水も汲み 見おぼえた通りに出来るはず ただその時の心持ちが 潮辺近くの風向きが 読めない見えない 未来事は憂うなと あれだけ教わっても 振り解けないもので 想像だけで生きる…

青より先に見つけたい

長い階段を駆け下りるまで 君がバス停にいるかは分からない 旅の人の言う美しい海と小島より 見つけたい姿 明日にはいなくなるかも それは誰にでも当てはまるけれど 年下は置いてけぼり 幾らか続いて身に落ちた 揺られる木々の中の道を 窓に映る大人びて疲れ…

借り物きょうそう

何にもできないという思いこみも 何だってできるという慢心も どちらにしても危険だから ほどよくバランスよくいきましょう それがいちばん難しくて 病のような気がしてきたら それと認めていいけれど 自分から落ちないようにだけは 気をつけてるつもり 必死…

苦い道

赤坂の大通りを ひとつ入って近道 垢抜けない 必死で自転車を漕いで 今思えば何をそんなに急いで 怒鳴る人がいるのは苦手 たとえば私に向けられていなくても 赤信号に変わるだけで苦手 弾かれているような気がするから …何様?って感じだけど 城下桜通りは …

祈りのまねごと

祈りの真似事をして 許された気になってはいけないのね 貴方が昔教えてくれた話の断片を なぞればいいと思いこんで うろ覚え 讃美歌 カタコト 唱え たかだか二十数年の命の中で 十字を負った気になって 貴方が通った教会の 前で波打つ青だけは 空と境もない…

色なき恋

その背を見つけた時 信じなかった情というものを はじめて胸に置いた 誰にも言えなかった 世界に色のつくと はるか昔の人もうたう 目で追うだけで精いっぱい 何色かも覚えていないわ 誰に伝えたところで 遠ざかるもの 遠ざかるもの 海辺に暮らせば 穏やかは …

旅をする人

温めすぎたココアにやられて もういいや 投げつけたくなるけど 熱いものは投げないほうがいい できればそれ以外も 書き置けばいいって訳じゃないよ せめて意味くらい分かるものを 愚痴を独り言つ 君はまた旅 汲み取れない此方の所為かと また自問が始まる前…

そぐわない星 なじまない空

鏡を見るまでもなく 疲れ切っている 何為すでもなく 何者にも成れず 只在ることに 愕然としている 何者かに成れるはずだという 驕りかと自省するが よくよく考えても これは欲ではない 分かりやすく備わった 欲望ならまだ良かった それよりももっと 追い込ま…

forgiven

誰かが一言言ってくれれば もうすぐのこと 解放されるのに 唱えて唱えて気づくけれど 誰でもいい訳ではなかった 神か、其れに準ずる… 準ずるものが果たして在るものか たとえば赦された幾らかの人々 野に放たれて何思った? 今日の飯は何 明日の糧は何 自分…

You're my sister

Do you remember? Or...want to forget? なつかしの歌が かなしの歌に どうしてなったのか 覚えていないのだけれど 地球は丸く それでいて 皆仲間だなどとは歌えない 綺麗なものとは随分早くに 縁を切ったものでね 不意に鳴るベルは心臓に悪い そういえば昔…

仕舞いの書置き

大切にされた記憶がないのです するとどうなるか分かりますか たとえば愛してくれる人が現れたとて 彼は冗談を言っているのだろうか 何かおかしいのだろうか 気を遣っているのだろうか はたまた幼心の夢想が過ぎて 幻ではないか まやかしではないか 妖の類で…

ほらね異国の物語

知らず覚えた呪文は異国の言葉 水を幾つか隔てた 馴染のない おさな心には幾らでも 吸い入れた 弾んだ 異国の言葉 幾つになっても 着こなせない彼是に ざっと囲まれて もう宵が待つからには 寝床の備えにかかりましょう 物語は大抵が異国のものだ たとえば生…

三行

意地にもなれば かかわりなど 一瞬で絶てる もう覚えた 石段のぼり 少しばかりの 思い出縋り 社の飾り 冷えきっても 西の町に帰れば 少しばかりあたたまる 長らく離れていたせいで 幻想だけが うまく育った 人によると 言ってしまえば 何でも片づく時世だけ…