おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

寒雨の死

聞覚えのある声が 私ではない誰かを誘っているわ 外は寒雨 鞭打つ気も失せる宵 おいでおいで 早くしないと死んじゃうよ 行きな向こうへ 早く行かないと 席が無くなるよ 自分ひとりが食む飯のため 奮い目覚めるくらいの弱さじゃ 食べさせ合いの円卓には 呼ば…

haven't he?

彼は望んだと思う? そもそも論になるけれど 2つに枝葉に分かれることを 懲りもせず争うことを 暗誦の正しいとすることを 1000年2000年を平気で超えられたら 聞いてみたいものだわ 彼は存在したと思う? もう確かめようもないけれど 讃美に満ちて声達が 届…

haunting songs

蛍の光がかかる頃 忘れていたことが 忘れていたからといって 無くなるわけではないと知る 実に久々の大粒どしゃ降りが 今まで避けてこられた幸福と 生ぬるさを 生き方の いちどhaunting songsに取りつかれたら 戻れないのはどうしてだと思う? 遺伝子ですら…

世と己の在処

弾きだされた気分だけれど 初めからいなかったのね 思い違いをするところだった 気温は冷えて喉の痛い 朝は生きた心地のしない また繰り返す後悔と教訓 唯の決意に落ちないように 身に彫っておきたいほどの だけれどそれは許されていないから 心に確と確と …

些細な苦にも

ただの少し風邪ひいただけで 泣きそうになるの この世の終わりのように 時世は関係なく 物心ついた時からそうだったから 何か不安障害なのか 追い詰められる性分なのか 閉ざされた家や 身動きの取れない病床に 横たわっていたこともあるのだから 今はなんて…

やわい歌

身を落とすのは容易くて 動けなくなるのは一瞬 悔やんでも悔やみきれない若い日も 致し方なかったのでしょう? いいのよ これからのことを考えましょう そうはいっても 頭に靄が掛かって 一般的な生活は送れそうにないわ そうね 神様の意地悪か 存在から忘れ…

10月のてがみ

生きている感じがしないのは どういうわけか 確かめようがないから 焦っている 無力感や青春の彷徨いではなくて それも経験があるから違いは分かるわ そうでなくてもっと根本的に 在る感覚がないというのか 我思うで解決されたくないものね 意地でも張ってや…

潮風の君

歌に出てくるような イタリアの綺麗な海町じゃなくて ただの潮かおる 人も荒く陰険な港 それでも呼ぶことができるだろうか 君 恋し恋しと 鳥の行くさまに波の散るさまに 重ね重ねの 心を預けられるだろうか 潮に濁る朝の風気 うわさ話に暮れてまた明ける 懲…

明日絶望が来るかもしれない それを知ってから ささやかなことに感謝とか そういう綺麗な理念ではなくて 本当に追いつめられるように 痛みを生きるようになったの それぞれの不安定な時期が 偶々重なったら なんてない言葉で傷ついて傷つけて 何年何十年と …

知らない土地へゆく時は

奥深い森は とても美しく神秘ですらある そこに同居する野蛮や臆病も飲むほど 気づきにくいものよ あぁ緑と空が広がれば 自由になれると信じていた 鉄道の整備された街からは 恨めしく思えるものが 人を飲み込んでゆく 人を呼び讃えさせ 魅了するままに 気づ…

すみにおります

砂場のすみっこは冷たかったの 誰かが埋めたガラクタも 忘れられるくらいには この世の端っこ かえりみちは細長い 何十分もかかる気がする道を 大人がものの数分で来たりするものだから 魔法使いかお化けかと思った 5時の鐘を素直に聞いたとして 温かい家庭…

愛の記憶

www.youtube.com それはとてもあたたかく 眩しい代物らしいのだけど 持てる者と持たざる者 何故かなあるみたいね 今日も 愛の記憶と闘っているのよ 無いそれと闘っているのよ 形も知らぬたからもの 死ぬまで続くのでしょう 幼なごころ 飢えた箱 今から埋める…

awake

あなたが傷ついてくれるなら 命を捧げてもいい 身を差し出すだけに飽き足らず 空気の冷えるに任せて 添っていればいいのよ 多少は強引に指先を掴むため 季節も動くのでしょう? 悠長なことは言っていられないの 斃れゆく人を見て 明日は我が身 愛してくれな…

mass

待ち受ける 必ず来るChristus massに 冷静にいられる訳がないでしょう 彼は存在したかしら 確かめようのない事が 降って降って 雪より重く 彼が望んだことかしら 手放しで讃美は 私は反対よ 取り戻す2000 years 泣かないようにしなくちゃ 悲しませたいわけじ…

不幸の岸

生まれてから今の今まで一度も 幸せだとか楽しいとか感じたことないの?と 彼女の口調は私を責めていた 悪人のように仕立て上げられて 気分が悪かった 暗い歌を好きこのんで歌う女は 見下されて哀れまれて また惨めが増すから人前で 鼻歌も歌わなくなるのに …

A little girl

赤い渦巻きのキャンディを うらめしそうに見ていたね もう日も暮れるから 1人でもお帰り 部屋は散らかっていないのに ゾワッとすることもあるでしょ 外からはどうもしてあげられないの ごめんね どうか少しでもお休み チェックのスカート 少し裾が解れて 誰…

宵の呪文

風の冷えれば自然の成り行きで 身凍えるようにできていた もう一欠け隠し持ったクッキーを 急ぎ入れて床に行った 幼き日の記憶と入れまぐわう もう赤いストーブのにおいが そこまで来ていた 抱きしめられるのは一瞬の 居残る情念は一生の やれ憎し恋しで 冬…

さやかし

湯に落ちてゆく肌を 宥めるだけだ まだ冷えていないのに 暦に黙って従う儀 風見鶏は慣らし飼い 東向きは習わし 遠ざかる旅人を決して追わぬよう 娘の心は胸の内 留めておくに越したことはない 叶わぬようにできている 色恋など抱くことはない 幾つの営みが …

日常と生き様

慣れない物を慌て掻き込んで 舌を火傷した 何急ぐでもない 唯一人の日常をこなすだけなのに どうしてそんなに追い詰められているの 転寝に暮れていつの間に 宵闇を迎えていた 小指ぶつけると同じ 唯ありふれた日常の失錯でも どうしてひどく落ち込んでいるの…

熱に打たれる

こんな苦しさに会うくらいなら 心燃やさずに生きればよかったのよ 抗えず秋は風呼び 冷えるまで見守るでしょ あぁ可愛らしい小花のような 恋も知らず急に 熱に出会うなんて 指の先まで欲しいのは 心の奥まで覗きたいのは いちばん遠いと思っていた 欲望その…

奇し契り

あなたの人生全てが 私のためにあったなら どんなによかったかしら 季節が何と言えない移ろい時は 馬鹿げた夢を見るものね 愛の正体を知らずに 思い描くだけだった少女の頃のよう 繕う間もなく解けてゆくから 私の人生全てが あなたのためにあったなら どん…

焦らせる日の暮れ

おおよそ この世の枠組みの中で 生きていける気がしないと 悟ったというより 胸が詰まって気持ち悪くなった その瞬間にも現実での生活は 営んでいかないといけない 金を稼がないと 人と関わらないと 衣食住ととのえるのは勿論のこと 文明の中にある人間とし…

海わずらい

船の揺れが大嫌いだったのよ 当然耐えるべきものだと思いこまされて あれだけ耐えたのだから もういよいよ言い訳に使わせて 島が美しいなんて幻想よ そう言っていられる人は幸せね 捻くれた不幸者と呼ばれても 称えるほうに依りたくはない 水辺がこんなに好…

叡智

この丘はとても冷える 風上にいれば凌げるかも 期待は打ち砕かれるためにあり また抱くことも許される 昼時になれば流石に 日が差すと思ったもの 此方から望んだら応えない きっと神様は男だろう 潮の香を届けたくて 風の旅は際限なく 未来は描けど追いつけ…

最初の手紙

生きている感覚が無いのです 無力感や五感の話ではなくて ずっとふわふわと浮いているようなのです 浮き世とは良く言ったものだと 感心する振りで慰めても 他の人も同じような構造なのかと 考えても考えても 例えば具に尋ねても知れぬものです 他人の頭の中…

いつかの手紙

戦争中の物語を見たり 食うに困る話を聞くと この時代で 衣食住に困らないだけで恵まれてる 感謝するべきだと説く人がいるじゃない? 本当にそうかしら 肉体が満たされていて 心が思い悩んだり 気がふれたり 精神性に囚われていくことは 贅沢だと言う人がい…

かなし十字

心躍る物語には 愛や絆が描かれていて subliminal かと疑いたくなるほど 当たり前に潜んでいる 其処から外れた者はサヨナラ 初めからお呼びじゃないのよ そんな声が聞こえるような気がして そっぽ向くけど 背きつづけるには人生は長いの ふんじばって やがて…

水場の矛盾が棲むところ

償いかけたものが半端に落ちる 石に布団はの御託が痛く くそったれと唾吐いた船旅の先は 否が応でも故郷が待つ 水場が好きで近づくけれど 何処も繋がっていると聞かされたから 嫌な気が流れてもいる気がして 素直に称えきれないの 墓参りは花火の思い出 夏の…

揺れる星

街は灯りに恵まれて 真っ暗闇を忘れたの 午前0時 暮らしも乱れて 思い出した洗濯物を取りこむ 狭い空にゆらゆらと 揺れる星 異国の物語に夢中になり その延長で見上げたものだから 運命じみて見えるものね たとえば人生が限られていたとして 考え抜いた数々…

異郷の土と水

異国の土は甘かった? 生きることに悩んだり 死のほうがマシだと思えるのは 心が暇なせいよ その言葉 確かにその通りかもね 齷齪働く道を選ぶ? それには及ばない 追いつかない程度の弱い身体と 思考にばかり走る頭を持って 命がけの状態に置かれれば違うの…