おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

幸せの逆さえにし

零れたチョコレート あなたの手 これ見よがしの恋ばなし 古い自転車 風切りの川辺 いつの間にか手ばなし 思い出があればあったと 言えるような町が嫌いよ なんにもない日々をかえりみて 縋るな憎んでいたものに 髪を伸ばせば月が呼ぶだろ 指先に証と震えのこ…

pass by

眠り虚ろな今日を 恨みっこなしね また愛の言い訳 生れた理由 並べ立てる人がいたとして ただ横を通り過ぎればいいだけ 気にする気にしないなども考えずに 遠ざかるのは得意なの 美しい人は幸せそうなの どうしたって戻れない時を 私を生きるより先 身につけ…

aki

春の気配なら 吸いこむ毎に感じるのだけど また手強い秋の 急な冷えと揺れ戻りに そのままグラグラとやられるの 勝負はつかないまま もしくは此方が言い張っているだけで 負けっぱなしなのかも でもね こちとらさそり座の女 移り変わるなら好きにして だんだ…

YY

移り気は罪じゃないわ 幾らでも奔放に 聞き覚えた昔の恋歌と えらく違うけれど 紅を引く時が来るものね 泣いたりもするのかしら 幸せの中 不幸せの中 止まらないチョコレート 時間決めたりは無駄な足掻きだった 浮き世なら許されるわ 誰も言わないなら 自分…

さらば秋祭り

秋祭りはいつの間にか 終っていたのね せめて夕刻に立ち会えなくても 兆しや残り香に酔いたかったわ 中通り 終わりも終わった気配だけ孕む 細道はまだ怖い 引き摺りこまれる 気が残る気がしている それは願いでもある 秋祭りは知らぬ間に 終わっているのが役…

薄情な文

声が聞こえなくなるまでが あなたの命だと思っています そうね もう私の中で いないものとして暮らしても いいですか どうしたって順序通りなら 先にいなくなることは分かっていて その一点で情けを謳うなら 此方は 人間にも数えられない者に成り下がり そっ…

愛は無罪でいて

絡まった髪をいくら撫でても 見目麗しく生まれ変わることもない あぁ少女は出自を悔やみ 致し方ない事で世が出来ているを知る 合わない靴を踏み潰しても 擦れた傷を手当てしてくれる者もない こうなったら自分だけが頼みだけれど いつ倒れてもおかしくないの…

己惚れ

うまく眠れないわけじゃなくて 見方によっては健康優良児 ただ暮らしが整わないだけ しかもそれに慣れてしまっているときた 何を思うか考えるかよりも どう思うべきか考えるべきか そんな頭の所作に明け暮れていたら いよいよ分からなくなっただけよ 頂き物…

咎めなき刻

時たま意識が無くなりそうというよりは いつでも薄ぼけているのよ 本当に一瞬くらい 此方に戻ってきて 現実や人生というものに怯える 幾つもの波を越え進んでゆく人たちは いったいどんな意識なのかしら いつでも気になるけれど 話もしてみたいけれど 思いの…

夕の感傷

薄窓の向こうはすぐに子等の 暮らしが聞こえる東向き いやに差し込む朝光 避けては通れぬ気の巡り そうやって彼も耐えたであろう 日暮らしを 思い巡らせ過ごすころ 心ざわつき手に負えなくなるまでが おおよそ彼の云う通り どれだけ感傷に浸ろうが まだ人智…

導線

渇きが私をつくるから 一生幸福にはなれないわ 今にも終りそうな恐怖と 果てなく続くような追い立てが かわるがわる襲い来る秋 いい加減 子どもじゃないのだけど おそらく死ぬまで付き纏うさが 本当は存在してないような感覚と 確かに胸詰まる苦しさが かわ…

さよなら お月さま

さよなら さよなら お月さま 機嫌よく生きてゆけるなら 供えに見上げに弾みましょ まんまる ぼやり照らすお月さま 今朝はね 飛び起きて時計勘違い また眠るのも気後れ 間違い探しに暮れたなら ようこそ 僕らのお月さま まるで受け入れるような顔してるけど …

このまま雨が止まなくても

私のことなど忘れてね そうやって云うことがもう 意識させようとエゴに思えた 帰り道は反省だけで 面倒な跳ねっ返り 傘の群れ 黄色の電車を慣れず待つ 反芻するほどに端無い 己から病めるほうへ 向かうのはよしましょう このまま雨が止まなくても あぁそれも…

海前にゆく季節の

約束どおりにはいかないものと なんとなし分かっていながらね 人は海を前にするとどうして 平気で噓を吐くのだろう 制服には砂まじりの 暮れ風来てもう秋すらも去る 置いてかないで 船は汽笛ここまで響かせて 大人になったら何てことない 彼れや是れやに縮こ…

とどまりライン

パンチ!かましたつもりが すぐヘコタレテノックダウン やたら煽る広告も嫌い これじゃとても街は歩けない 寒くなれば人肌恋しと また当たり前のよに言ってくれちゃって 恋を捨てたら罪ですか 退屈そうに見えても 心忙しいのにな 明日は来るって煩い歌 皆が…

秋越し祭り

愛されていないことに慣れた 人生はどこでどう転ぶか分からないけれど 本当の意味で幸福には 絶対なれないことが分かっている また寝覚める真夜中 いつまでも学生のような暮らしに 似合わないコーヒーなど合わせたところで 飾れないことも知っている あぁ秋…

ピエロ最後の日

もうやめにするよ 自分で自分に笑けてきたら お仕舞いだと思うから 被り物重くてさ やっとこさ外せるよ あぁなんて楽なんだ こんな風に生きている人も いるんだろうなぁ 見たことないような大通り お堀の周りは人が走り 隠れたり避けたりいじけたり これから…

秋泣きに暮れ

狭いベランダ 植えものもなし 大橋の切れ端 眺めてる ガタゴト電車の心地良い 過行くが見える 此れも隅だけ 何にも追われていないのに 逃げるように流れ着いた生活で 秋暮れの気に晒されてさ こんなん 泣いちゃうよ 慰めも望みも持たずに ひとりで泣いちゃう…

周回おくれの人生は

周回おくれの人生が 空しくも口惜しくもなるもんやね 雨に紛れて逃げるな今日を それならどう思い直そか 人も疎らに西浜は 責めも慰めもせんのんやね 凭れ揺られて電車はどこへ 山手も波止もゆきどまる のらりくらりと人生は 弱りも立ち上がりもしたけれど …

雨のカーテン・雨向こうの苦

雨向こうは どんな色? 知らぬように過ぎる日中の街 堪らず身を削ぐ者もある 古い伝えの その苦には 地を埋め どんな祠建てても 追いつかぬ咎があるのでしょう そっと手を伸べるのも 霧晴れ そして散るように 雨ばかりの僕達は 泣いたりもしないけれど 雨交…

継ぎはぎの不幸せ

枯れ花を湛えた海前の花時計は 止まったままね それとも昔から? 車酔いで 楽しく燥ぐだけってわけには 愛したって それが続かない限りは あぁ面倒が増えるなら 七夕飾りも外しておいて 煩わしいだけになった ベルは切っておいて 幸せって 自分の手で掴みに…

孤独酔いの列

戦闘服は無垢なワンピース 花でも散らしておけばいい 意外な乙女趣味が自分でも笑える ピンクか水色で決まり 姿勢の悪いお上り 様になってないけれど 自分じゃ気づけないもので いいの 風切ればいいんでしょ? 246を駆け上れ 実際はただ歩いているだけの 海…

傷も飲む

実際の傷こそ付けなかったけれど だからこそかな 気づくのが遅れて 自分を痛めつける生き方を 何十年もしてきたのよね 今日は大通りを避けて 今更の都会歩きのつもり 潜り込んでゆこう これが快感になる不思議 手紙は破くのも憚られて 触りたくもないから そ…

ごた煮の宵

有り物を放り込んでしまいな 雨風も好きに過ごしな 去る者も来る者も知らんわ 拒むのも容れるも面倒 浮かれ草に毒当たりして ポックリと逝くのもいいさ ハレもケも ごた煮の宵よ 騒ぐなり眠るなりしな 忘れたら そのままにしときな 思い出せば 誰か引き留め…

彼の望み

彼が真に望んでいるのかを 誰か確かめたことがあるかしら 日曜は祈りの歌を 思いは枝分かれ 何も知らぬ生娘が 閉じた本を片手に問うの 何にも知らぬなら黙るがいいけれど そういう者が真を知っているわ 高く昇りつめる魂よ 交差して絡みつくメロディも 彼が…

危ういたましい

忌み子を愛してくれたから 貴方は優しい人 騙されていて惨めだとして どうせの生れつきには敵わないでしょ いいの いいのよ 髪を撫でて 愛でも呪いでもいいから注いで もうね いっそのこと 溶け交じって 彼方へ行ければ本望と 馬鹿な子 また眠れても眠れなく…

小さな小さな呪いたち

幾つかの靴を並べて さぁ今日はどれを履こうかって そんな選択を したことがないの もっと言えば そういう選択をするような生活を 作ろうとしていないし できないの お空が青いわねなんて 歌ってる暇じゃないと思う 100円あればお釣りが来る 紙コップのコー…

愛の贅沢

悲観しかできない哀れな女 浴びるように愛があれば また違う日が待っているでしょう ねぇ少しくらい甘かして コーヒーは苦手だけど そう思いこんでいただけかもね 大体が好きも嫌いも 自分の頭で決めたから 完璧を捨てましょうという 街中の煌びやかにやられ…

草はらの日思い

駆ける坂の上には 君と行違うバス停がある タイミングよく話せないかな 少しでもいい 古い丸太の手すりを越えて 草はらに座って海を見てよう はじめて会ったグラウンドも 流行りのように写真残すのは 苦手だからな 思い出でいい 少しだけ近づいてもいいかな …

I ♡

緑に青に囲まれて 気は澄むまで澄んでも うまいこと息もできなくちゃ 何が故郷だ 時を経て 望みでもあり 押し出されるように 辿り着いた街 広すぎる道路の 先の先まで続くコンクリート それでいいよ 好きなだけ呼吸ができる どれだけ汚れを歌われようと 私は…