おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2017-01-01から1年間の記事一覧

人間のフリをするのはむずかしかったよ。

人間のフリをするのはむずかしかったよ。 あのね、僕ね、 人間のフリをしてみたんだ。 むずかしかったよ。 あのね、僕ね、 泣いたり笑ったりの 人間になりたくて あのね、僕ね、 食べたり眠ったりの 人間になりたくて どこかの星からやって来た 僕はひとりで…

よろこびの夜

よろこびの夜 ジングルベルのない道も 12月には変わりなくて やたら輝く街を出てここまで来たの 降り来る雪を払う 遠くて泣きたくなるよ 悲しみも どうせなら近くにいてくれればよかったのに 懐かしむ人も無いから 淡々と歩を進め 1000年前の息吹とは…

homesick

強がっているわけでも カッコつけてるわけでもなく ホームシックになったことなど ただの一度もない 愛されたあの子には 人を想うあの人には 死ぬまで死んでもわからないだろう この清々しさ 隣り合わせにあるのはきっと むなしい、さみしい、たくましい し…

音楽の理由

NO MUSIC, NO LIFEを掲げる街の真ん中で 叫びたいけど叫べないこと 生まれてこのかた抱えたものを 誰か聞いて 胸の底まで分かって 大丈夫だって言ってよ どこまでも自分勝手が たった1人で暴走してるだけさ 静かに 理由なんてそれだけ NO MUSIC, NO LIFEの…

息吹の中

春風に立ち 空を見る どれだけの涙が流れたか 人々にとり 僕は何 問いかけるほど分からなくなる ただ1人立つ丘は 神も見えぬ どこからか鐘の音が きっと幻 何十年の生命を託され励むのに 一瞬毎の色を成す 胸に住まう息吹 この人ひとり在るために どれだけ…

川と風の日

通りすがりの苦しさだった やさしい陽を受けるとは まさかこの背も思ってなかっただろう 川の流れ思い描いてた 歌に出てきた嵐山 やっと来られた 1人きりだけど 誰にも知られぬように 小さく口ずさもう 制服の彼ら彼女らには 分からないよなんて嘯いても 重…

いちにちを巡らせる

気がついたら夜 あのコが怯えてた夜 闇が襲う 声もなく 堕ちてゆく眠り 気がついたら朝 彼が怯えてた朝 光の眩しさに 逃げ場なく 照らされる己 気がついたら昼 あの人が怯えてた昼 忙しなく 動く街 こなしてゆかなければ 気がついたら夕べ 私が怯えてた夕べ …

ロングスリーパー

世の中は眠りと覚醒でできている ロングスリーパー 何とか渡れ まだ明けぬ空に願いそっと懸けてみたり 白昼夢 寝覚め虚ろ 平等に与えられた24時間の中で ロングスリーパー 景色まだ 覚めやらぬ ロングスリーパー 人生損してるなんて 上っ面だけで言わない…

呼び水ふわり

水は人を呼ぶのだから 海を前にして怯えるあなたは正しい 砂浜で確かに持っていた意識を 飛ばすの 陽射しの 眩むか 目覚めるが先か だめよ だめよ 抗うほど 引き込まれてゆくのだから リズムつけて呼んでるのよ 気づいた時には もう海の底 水は声を出すのだ…

ひとり

愛されぬまま朽ちてゆく身が 惨めでならないのです それを言葉にすればなお 痛々しく映るから 黙っている そうやって口を閉ざせば いっそう気味の悪い存在となり 輝く人の影にすらならないように 街から消える いつ、どこで、どう間違ったのか 誰も教えてく…

うたにあらず

自意識と感受と ありったけの衝動をブチ込んだ それはもう うたにあらず ただ 爆発の時を待つだけ 荒い兵器のようだ こんなはずじゃなかったと 呪文なら幾らでも出てくるのに 華やかな世界にも 身を切れずにいるのか 丸い地球のはずが うってつけの社交場で …

おのがこころ

大切な人が誰なのか もうずっと前にわかっていた なんだかんだと病名をつける そんなことしなくてもわかっていた どうせ愛せないよ誰も すこぶる順調 毎日は 衣食住整えばいいならとっくに 夜9時を過ぎたらもう 閉じよう 詫びよう 見えない敵 帰途も明日も…

たまゆらもどきの

苛立ってたのはどうして そんなにヤワじゃなかったはずなのに たとえば何にも感じずに一言も発言しなければ 場は収まるし嫌われはしないと 気づいて実行してきた矢先 ぷつっと切れた糸に似て うまくいかなくて当たり前 唱えた呪文を蹴飛ばすような やっぱり…

嘆きの隣で

不謹慎を承知で言わせてもらえば 大切な人を失くしたと嘆いているその姿すら羨ましいんだ そこまで強く思えることが なければ生きていけないと 激しい関係を 安心の類を 築けることが この世は繋がらなければ 存在が確認できないような 無縁と名づけて慰めて…