おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

夏夜も終わる、意地になっても

甘い蜂蜜で落ち着いたふりの 嫌われた気で守った心の 煽るTVの綺麗事も 思い致せば生きる糧 次は何の所為にしよ 傷ついた小指に包帯を 大袈裟には騒がないから 痛かったんだ 一言ぽとっと 言わせてくれたっていいじゃない 髪を切っても バスに間に合っても…

ひと闇

行き慣れた道も 1本入れば真昼も闇 明るさの話でなくて 塞がれ先見えぬ話 その心持ちが何年もつづいた 市井に在る気がしないのよ もちろん天上人でもないから あとは地獄の沙汰かしら 生きているのは思い違いで それにしては長いもの 幾つも並んだ書棚から …

天命

おとのは ことのは なぞって幾度 思いの丈と処し方を 風強まれば 何の便りかと 躍り空振る滑稽な 雷鳴遠く それが近く感じられたら 伝う人 病と見紛う 誰彼に 説明できない昨日今日 おとのは ことのは 綴っていつも 貴方への導と信じ 雨の注げば それもまた …

ひまわりのうた

ひまわりを見なくても 記憶と想像で 幾らでも補えるわ そんな私だって 本当は見たいと思うもの じりじり照る熱 天から地から 見上げた黄色の先に太陽 もう2度と会えないのね 追いつく前のひまわりには

十字の名をば

捻れてゆくように誰かが 指示を出したとしか思えぬ 天はそんなに暇してないと お前なんか見ていないと すぐさま否定にかかる声 運命とは綺麗なもの 十字には何と名づけよう 読み古した経典を また捲り 首を垂れる 誰彼と愛すことなく 例えば貴方だけ見ていた…

日頃、臥せた者にとり

病と名づけるには 短絡的すぎてね それなら才として生きるには 単純に人口が少ない気がするし のらりくらりがいいところ 騙しだましが上手くなり 日を追うごとに 記憶は溜まり 想像も度を越して 指先が朽ちて 膝が弱ってゆく そんなガタでなんとか 生きるを…

たとえ神にも

あなたは花も知らないでしょう 教えてあげるよ 傷ものこさず ゆっくりと息をすること 習わなければできないのなら 一緒に刻もう 生れ落ちた星に 柔らかな肌を抱き もう暮れる日を西に見る 帰すものか 辿れ辿れよ たとえ神にも あなたは何も知らないままで こ…

眠り落ちる日があっても

1日中眠っていた 姫でもないのにね 自嘲は繰り返せば沼に落ちる ほどほどにしておいて やっとブルーのカーテンを 開けた先 雨風強く どちらにしても本日は そういう日でよかったのよ 神様の声のアテレコ それとも聞こえている声かしら いいかなもう あれだ…

花火の夢におちるまで

勢いよく噴き出す赤黄 慌てて移して手持ち花火 光の時間はほんの少し 暮れる気がしない西の墓 蒸して夏夜 水も捻り ちゃんと消して 始末まで 駆けて帰る時になれば 急な階段はしゃぐばかり もうおやすみ それはまだ早い 言ってる間に 提灯消える パチパチは…

一人演歌

酒は飲まないし飲む気もないが 酔っぱらってしまえればと思う 端からふらついていれば 世の機微も何もないものさ 例えば23時の電車に乗れて きちんと保って帰れたら 寄り道荷物も腕に負い 倒れ込みそうでも歩けたら 褒めてあげたくもなるものよ そもそも惑…

止まった時計

その時を指して止まっている 時計がありました 生まれた時から何度も 目に触れていたので 何思うでもありませんでした あるとき不意に あぁ熱はこんなに届くものなのかと 苦手な科学をもってして 少し解った気になって もしも真下にあったなら 時の運やらあ…

思い過ごしの星

抑えていた熱が宿る 貴方には分からないのよ ゆらりシャツが風に靡く それを寝転がって見ている無力 愛してくれた人が消えれば 痛いという それを知らぬまま朽ちるのと どちらが世にあり痛むでしょう 暦は嫋やかに逝き 祈る言葉も忘れたのに 3時のベルが よ…

夕思いの隅

向かい合わせに座ることも そういえばなかったわね よもや今生 そのまま会えなくなると どうして思えたかしら 店の隅にいるのが好きよ もっというなら世の隅の 物がよく見える場所にいて あなたを見つけたのだから 色恋に人は歌を詠み 勝手に散ったと慌ただ…

闇の明るい夜

精霊流しの音に寄せて 思い致します 恨み言ばかりではもう 息絶え絶えとなるよう ゆらと 世は成りて 精霊流しの灯り追い 駆ける幼な子の手を取って 何を成すことなくても せめて留めおくことが勤めです 今年は何も気にせず 焼けた腕が背首が痛みます なんの…

闇の明るい夜

精霊流しの音に寄せて 思い致します 恨み言ばかりではもう 息絶え絶えとなるよう ゆらと 世は成りて 精霊流しの灯り追い 駆ける幼な子の手を取って 何を成すことなくても せめて留めおくことが勤めです 今年は何も気にせず 焼けた腕が背首が痛みます なんの…

貴方を捨てる地

貴方の言葉を捨てようか 何持たぬ者になるけれど 生憎か幸か 元々身軽な家なき子 縋ったページに折り目があって 忘れることが難いなら 其れごと捨ててしまおうか 少しくらいの胸の詰まりは なんなら死するくらいの痛みは 越えてきて 慣れっこよ 褒めておくれ…

暮れかけてもブルーの空

暮れかけてもブルーの空 分刻みで電車はゆく すぐ汚れたと思いこむ手 洗い流した水があつい でんぐり返ししてバイバイする その遊びがないんだよな 泣かなくてもよくなった分 閉じこもれば笑いも怒りも 遠ざかって 大敵の虚しさがまた来るんでしょ 臥し床も…

盆にも帰らぬ不幸者

盆にも帰らぬ不幸者 蛍、今宵は鳴く癖も 控えた町に静まって 昼間の汗をさます人 飾り棚には取り取りの 迎え果も花も色添えて 縁はつどい賑わいを 盆にも帰らぬ不孝者 待つ身の噎せは構うかと 夕凪、思いも暮れるころ 墓に向かえば列なして 潮香もかおれ 息…

ただ日の落ちる中に居る

ぐらついているのね 慣れただけで平気じゃない 髪を切るころ すぐにやってくる 宝くじにあたるように とても小さな確率でも 傷は負い 病みまかせ 確かにそんな命を生きて 何の類に入れても 気に入らないとそっぽ向き 誰も彼もわかるまい それがひどく淋しく…

罪とまやかし

罪は眠り いつだって待ち望んでいるの 来る日を あぁ夜半だと思っていた 恐ろしくも東向き うすら明け 燻らすように 貴方が 日和みているのかしら 押しせまる命の終り 見えはじめが1番こわいわ 代わりばんこの伝手だもの 聖書にない事も起こり 耕した畑いつ…

音楽に住む人

緑のカーテンに覆われて 熱気も地までは保たぬもよう さやさや風はまだ見えず 木立の中を進むのです 音楽に住む人よ 柔い声ほど聞こえるという どうして倒れそうな身体 引きずってでも会いたくて 焼ける真夏の海にいて 向こう岸はあって無いよう 吹き来る潮…

夢に入る時の

明日はきちんと目覚めなければ これでも社会人ですもの 最近仕入れた本により だいぶ巡りを学んでも 人に依りけりと結局は 最新科学の悪い癖 あぁどうしよう 私には何も当てはまらぬ気がするし 私が何にも当てはまらぬ気がするの それでもきちんと目覚めなけ…

うつろうつろの夜

蒸す夜 いつの間にか目覚め うつろうつろ 今は何どき 引いた汗をなぞり たどる いつの間にか 落ちていたのね まだ間に合う星座の波 もう無かったことにしても良し もう間に合わぬ恋も命も ここに在ることにしても良し うつろうつろ 移ろう代わり 少しばかり…

此の日に思う事

今日は雨が降らなかった 叫びも傷みも その言葉では表せないほどだっただろう 時を過ぎれば人は消えてゆく より若い事が意味するのは ささやかで 祈りにも怒りにも 綺麗事では立ち行かぬ 世も心情も それを重々、身をもって解った上で 思う ほんの少しでいい…

雨でも降れば、花火上がれば

簡単にぐらつくようにできているから ちゃんと帰りつければ万々歳の 寝こけて落ちるわけにはいかないから 浅い眠りでちゃんと揺り起きるの 雨でも降れば 傘持ち誰待ち そんな人がチラホラするから どうか晴れて 宵闇が始まっても 暮れ消えても 吐きだしそう…

煩い電話と財布のこと

暮らし向きのことには使うなと 渡された僅かな金を いつの間にか使ってしまった 電話はけたたましく たとえ鎮めても 真夏のセミより煩く鳴くね もう解放されてもいいころ それか思い起こして許してもいいころ 腑抜けたみたいで嫌だから やっぱりやめておこう…

花火のむこうについてゆくね

たとえそれが キラキラの花火と反対方向でも ついてゆくよ ちょこちょこトコトコ 生まれてはじめて見た おっきなせなか やさしいひと わすれないようにするね あつくて泣いちゃうかもしれないな 石ころこけちゃうかもしれないな つめたーいキャンディを 持っ…

千燈籠の子守唄

弔いに何の意味があるのか 知らぬまま燈籠は川へ続く 列に遅れないよに 音に怯えて泣かないよに 手を引く大きな背中には 堪えて済ませた歴史があって 見上げるに足らない背を 伸ばすつもりが 転ける夜 よかよもう 初盆でも気にせんで ゆっくりお休み 見渡せ…

真夏の雨の味のする

一度濡れてしまったら 雨は冷たいものとなる こんな真夏、昼の真中 思い起こして凍えるほどの 傷と呼んで片付けてくれるな 喚き嘆く隙を与えてよ 容易く抉るあの人に 分かるなど言わせてたまるものか しとしと綺麗に降るからと 甘いものではないんだろ 透明…

真昼に暮れる問わず語り

嗄れた声 慣れた素振りの いつも今でも怯えているのに 伸びた袖 大人になれば 変な癖も消えると思っていた どうしようもないのなら 諦めもつくけれど 意志を持って 強くなって それで何とかなると教えられ過ぎた いいかなもう このまま寝転んで 咽ていても …