おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

折に触れて

綺麗に咲いた その花に 人の愛でる言葉紡ぐうち 奥にある 奥にある 悲しみを刹那 汲み取った人が 居たそうな それを遠く 時を経て知る お会いしたかった せめてもせめても 文字に生き 遺してくれてよかった 私も其のように 在りたいと存じます

雨、気の知らせ

心揺さぶるなど簡単に言わないで その先にある苦を知っていますか そのまま死ねるならまだ良いものを 離れぬ旋律があるように 届かぬ貴方がいるのように 意のままには成らぬことで 世は出来て 泳げというの 沸いた湯が 身を沈めて癒えるまで 冷めぬ保証はな…

のらりくらりの子守歌

風のつがい 見てた夕は 誰のものでもないでしょう 愛されてない予感がした そういう日は 逃げるより 抱かれたほうが早い ルララルラ やわい歌で誤魔化した 目に涙ためたフリだ もう手に負えないや 空の移ろい 見てるだけで 溺れるようだ上空へ 愛を乞う暇が…

ぽとり、のとき

線香花火 ぽとり、の前の じっと待つが できない子だった 心忙しなく 見えない場所で 消え落ちたら 消え落ちる時より 重いね 辛いね 知ってたよ 予想だけで 胸つぶれること 知ってたよ 街灯もない真暗闇 どこに向かって言えばいんだろ 線香花火 チカチカ、灯…

Miami

具合の悪い TV 私がどうにかできる範囲を超えたなら もう用はないわ 叩くも蹴るも無しに ポイっとプイっと 置いてってやる 夏は終わり 痩せなかった 彼は元気? どーでもいーわ 酔い覚まし そのために また酔っぱらう必要がある まだ見ぬ Miami の blue sky …

夏空の下の送り歌

花の中にいる人が 綺麗だとは限らないわ 私はまだ許してないわ 世を裂くような雨も去り 今日は夏空 誰も彼も噛み砕いて 言い聞かせなければ 立っていられない 素知らぬ顔で寝てんじゃないよ 幾らでも鞭打ってやる 明るい歌で送ってよ そんな言葉だけで 思い…

恋の後ろ姿

もう思い通りにならないならば 嫌いになってあげようか 夕雨に消えていった あなたは初めから遠い人 追いかけるような熱があれば 縋りつくような可愛げがあれば なんてことない幸せが すぐに手にはいるのだろか 見窄らしい 濡れたスカートと 跳ねっかえり 走…

馴染まぬ生を負う君よ

生まれてすみませんを標榜するには 烏滸がましい気がするけれど それに似て 生まれつき何だか 大地に大気に 歓迎されていない気がするでしょう わかる わかるよ どうしても此方に落ち度があるような 実に"らしい"捉え方をしてしまうのだけど 大地が大気が ま…

生きるだの死ぬだの言う前に

生きるだの死ぬだの言う前に 今日の飯を炊いておく 食べ物無駄にしたらバチが当たると じいちゃんが言ってたから ちゃんと食べる きっとバチの効き目はあの世にもある もしかしたらあの世のほうがあるかもしれない そんなんビビッてしまうやないの キッツい…

雨にいる天賦の人

天才は安いパイプ椅子に座り ひどく項垂れていた なにをそんなに苦しむことが あなたの身にはないでしょう 部屋から出てすぐに駆けて コーヒーの1本でも差し出すものだろうか 抱きしめるにはこの身が小さすぎて 雨音が強まってゆく 心地よさを越えたらもう …

宵雨の情話

日も暮れてから起きてもう 世に阿るつもりはない情話 何か噛み切る力もないしさ 適当なものを流し込んで くっだらない惚れた腫れたや やたら煽り立てるNEWSに 盾突くために 繋いだ命じゃないのになぁ ないのになぁ それでも落ちた先に また落ちることが待つ…

思案の人

あの人以外、誰にどう思われたっていいや 好きなように言わせておけばいいや 落ち着く呪文のつもりで唱え 逆に頭から離れなくなる 時間がたてば何でもないことが 今を覆って捕らわれること もう知ってる もう知ってる 凋んで心閉ざしていても 何でもなかった…

渚にこぼせ花火の色も

海に浮かぶ異国の渦 犯人でもないのに拾う子ら そんな矛盾に毒を吐き 同じ水辺から花火が上がる 泣いたりも 悔んだりも 無理に飲みこませた 抱いた人 追いかけた日も 夏に消えれば 汚い言葉もお手の物 散らして夕は 赤、黄色 もういいのよ 綺麗には生きられ…

なつざれ

幸せ不幸せ 誰が決めるか、いつ決めるか はかれないけれど 少なくとも死ぬ瞬間まで 決まってはいないのよ 意味のない言葉を並べながら 心を飼うのは重きもの 誰の言葉を信ずるか 眠る正義 貫いて果てるまで 悔い改めたそばから湧く 憎し恨めし時の人 持たざ…

沈みこんでゆく物語

棚に並んだ旧い物語 泣きかけた夜に啄ばみもする カビの匂いがふと来ても 潔癖を越える 会いたい誰か 助けてと声を出せぬ分は その中に潜ってゆくほか ペラ紙1枚の先に 愛を見るでも 恋しがるでもなく 本当に中に落ちてゆくほか ない身のこの身の重いこと …

酔い明けの情歌

ねぇどう思ってる 今何を感じてる 優しく聞かれるたびにほら なんて答えたら離れていかない? 淋しい子の思考回路 ただね、ぎゅっとしてくれれば それでいいの それ以外に思いつかない 貧しい心では 綺麗な夜景は地球の違和感 海に行くまでが酔う苦行 作られ…

夜半抒情歌

時計を見ないようにした夜半 髪乾ききらないまま眠ってもいいじゃない 誰も振り返ってはくれないから 此方ならもう諦めはついたものの 黄泉まで遠くなろうとは 息を切らして走った昼間 それが生きた証拠だと 綺麗に仕上げて放っておいで 1つ、1つ、消えてゆ…

片恋のような旅

時計の針が遠くなる あぁ夢見ていた世界だわ 意外に花とか咲いていないものね まやかしの楽園を作りすぎたわ 旅人の特権だもの ゆらりとふらりと揺蕩うの 胸詰まりも陰険も過ぎた 苦しみの種はもう過ぎた 返し忘れた本がちらつく 今はいいじゃない だけど離…

眠り前の問答

もう眠らなきゃ まだ電車の音のしても それはあちらの営み 明日も早いのよ 雨まじり? 通りすがり? できるだけ長くシャツを干したいし 空回り? 承知の助 上手いこと運ばないまでも 織り込み済み ほら眠らなきゃ まだ人の声のしても それが此方の世界と 決…

7.12の花火

軽くシャワーを浴びた後 眠り落ちるルーティーン そうね水に帰すことを 忘れていたかな 揃いの浴衣を掛けたまま 日を数えるだけの夏に 泣くことないのよ あの花火 見られていたのが特異な日々 人より少し考えて 眠り落ちるを繰り返し いやはや夢か現かと こ…

酔って夏夜の夢盛り

夏夜にしては冷ややかな風を飲んでいる 一度上がった熱を癒したい 食べ合わせが悪いのか いい気分は遠いな ならさ せめて酔わせて コソコソザワザワやけに響く 通り過ぎたい胸もあり 聞き耳立てたい欲もあり 開け放した窓の外で誰が はたまた妖の類か 怖いも…

野に立つ少年の唄は

敵も味方もないわ 愛に飢えた時 少年は野を狩り 未来へ帰る日を待つの 耳に馴染まぬ子守歌 他の誰かのためならば 世から狩り 燃やし絶やすことも厭わぬわ 最後の時に流れるは 燃えろよ燃えろ あの節が 背を行き 迂闊にも生きてしまったことを 思い知るのでし…

世の裾野

ただ、世界は 青いふりをしている 真中にいれば 上から見下ろせば よく見えた気になるでしょう? いいえ、むしろ逆よ 隅からのほうが 下からのほうが より詳細に そして繊細に 世は見えるのです 声の小さい者が知る 誰も気に留めぬその力 よくよく聞いて見え…

ただ病むためだけの今日

恐ろし電話の鳴らないように 息を潜めているつもり 願えど逸らせど 鳴る時は鳴る なるようにはならぬのに ずるい神様 詰って捨てて また忘れたころ不意に 願って祈って縋っても いいだろうか ずるい私 備えた時は決まって 何も起こらないようにできていて 寝…

晴れでも雨でも

ねがいは 晴れでも雨でも たくすのよ すっと冷えた7月の 遣り様の分からない暮れ いいのよ歩いてきた道に 何を残してきたかなんて ドアを開ける時に少し 苦しかったり 弾んでたり 君の景色はそれだけで眩しい ねがいは 晴れでも雨でも 叶うのよ 知らないで…

fight

ふらつくようにできている そう考えればまだ保てる 予防線は張るだけ張って どうか倒れずにいかなきゃ 一旦休んだほうが 結果早くたどり着ける それをまた合理的に 言い聞かせる 気持ちとは別のところで 簡単に電車に追い越され 置いてかれる夢を見るよ 要領…

弱き身暮れるなら

煤けてしまった体、こころも 弱さに胡坐掻いたことも 夏の気に溶ける 雨に流る 唱えたところで神亡き地 運命が嫌いというのなら しんどくても自分で作ってゆくしかないし 浪漫を見たいというのなら 納得いかなくても身を任せるほか あぁ暮れた いつの間に暮…

そぞろの生きよう

なんら解決する気配のない しみったれた哲学 重い足取りで 暮れも暮れ 夜を携えた 商店街 古びた中かえりゆく 頭がガンガン痛むけど この世の病気じゃないからなぁ 雨降り明けたら 土の匂いのする そんな鮮やかさばかり求めて 薄くれないの空に どうして反発…

またも眠り子

眠りに落ちてゆくという感覚もないまま いつの間にか昼も夜もなく どこの姫でもないくせに 覚ます魔法も持たぬのに 夢を見たら見たで昏く 見えぬ水に追われるような 自分だけ追い詰められるような よく眠る子だったもの 気にすることもないはずよ 手は痺れて…

やわらかな半夏生

めぐって半夏生 泣かないつもりが 思うようにはいかぬ14の頃 小さな舟に乗って隣の島へ 海は厭に澄く 通りすがりの人生にしては 長いと感じたの 大人になれば 手を振り去れば なんてことない小さな箱で 怯え身を小さくして泣いてたの めぐりめぐって ちゃん…