おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2023-01-01から1年間の記事一覧

深淵遠慮

深淵は此方から覗かないようにしている 怖いもんね 布団を頭からかぶって闇を作って逃げた 子どもの頃に似てる もう誰も怒らない叩かない だけど引きずる いつか大人になれるかもって 幻想だった 考えすぎが当たり前だから ほかを知らない 国語算数を学んで…

思考と恋

頭の中をいつも思考が回っているのは 皆そうなのだと思っていたけれど もしかしてめずらしいことかなと 気づき始めたころ 苦しくなって 生まれてすみませんも相俟って もう止めてしまおうかと思っていたころに かろうじて繋いでもらったことを 思いだした バ…

1.であい

ざわつく教室に背を向けて 孤独なんて言われないようにして ひとつとひとつが会う場所へ 恋でも友でもないけれど 静かに過ごすなら 己を思うなら 屋上までの道がいい 早まるなと締められた鍵 薄汚れた踊り場の 先に着いた君は 本を読んでいて こちらに目もく…

疲れた波路

白い飛沫を尾に引いて 一年に二度 満員の人を乗せて 波上は 穏やかにはいかないことを知っている ぐらりぐらり 吐きそうな 考えるほど 酔いそうな 大人になれば 治る病と いつになろうが 慣れない足場 覚えてきた歌を 抱えすぎた荷を 階段下に埋めて 身軽な…

見えてくる愛

指先と首筋に少し 傷を残した 構わないけれど気にはなって この脆さが 貴方の重荷にならないか 切られる材料にならないか 幾ら望んでも 生きても生きても 弱い生命体なのは 変えようがないもの また臥せれば 貴方の手は 優しくなぞる 這い起きれば 貴方の声…

声を捨てたとき

喉を守るより先に 叫ぶことを選んだ 生きてゆくとはそういうことだろう 趣味趣向よりも 心のうちの好きよりも 飯だの生存だのが 優先されるのは 本能だから 声を捨てよう そんなつもりなくても 声を捨てたの 誰かが気づいて 背をさすってくれたとき 少し晴れ…

彼の人 胸の内

毎年毎年 飽きもせず飾り付けられた街で 目が眩んで考えることはひとつ 彼は本当に 望んだのだろうか たとえば歌をひとつ歌うにしても それが自分のためなのだから 大体の人間は 彼に届くはずもない popなアレンジなどされると特に 敬虔さを忘れたかと 何者…

逃げの算段

信仰を持つとき 人は崇高な心持ちで 内から研ぎ澄まされているのだろう 私の身の内からそのような 清らかな気分が流れたことはないから 見聞きした予想でしかないが 私がもし彼の人を 強く強く欲するとすれば それは純粋な信仰ではなく 飽くまで逃げの算段 …

止まぬ思考と記憶

生まれかわりもないけれど ないと決めつけるには材料が足りないけれど ひとまずないとして どうしてここまで情報量が多いのか ずっと考えている けれど見えない また脳が疲れて 胸が詰まって肌に出る はち切れるまでの戦いを 誰としている 内内の動きは誰に…

記憶が途切れるのを待っている

記憶が途切れるのを待っている ずっと絶えずにいる友のような 否、敵のようだ 身体が弱く 一時持ち直したかと思えば またふらつく そんなくせして 記憶だけはガチガチに持っている 恐ろしくなってくる 何の才としても使えないのに どうして持っている ずっと…

宵はあぶない

なんてことない 僕の場合は 薬でぼやかされた頭で 考え続けるだけ なんの解決にもならない 対症療法が基本のキ この世しか知らぬ人には それが限界 生まれた星をまちがえた 帰りみちなら手こずって あれよあれよと 齢を重ねて もうどうでもよくなるのを 待っ…

僕が消えるから

打ち置かれた彼女を さらに沈めるように 蹴り落とす奴がいた 殺してやろうかと思った 暴言も気まずさも比ではないほど 暴力は痛いものだと 身体の大きい奴には 力の強い奴には 分からないだろう 僕が泣くと あの煩い餓鬼を黙らせろと さらに彼女が殴られた …

たしかに来る波

誰に言われたわけでもなく 勝手に不安が押し寄せて 波のように引いてゆく 元々が酔うようにできている 海町育ちは 何の役にも立たないさ ふらふらしているのが 普通のことだからさ 狂ったとか 弱ったとか 気づくわけないさ 生きているという実感は 生涯いち…

ボーシの下から

明日は きっと輝いて もっと輝いて 君のまなざしを 忘れないから きっと輝いて 海を行く 僕の影 消えそうで 怖くても 海光る 眩しさが 太陽を 教えてる 真夏の太陽 ボーシの下から見上げた世界が あまりにも 青空すぎて 戸惑った かざした手のひら うつむく…

終わりしなと傷

傷つけられるほうが楽よ 皆が眠りにつくならば 逆流して 寒空に出ることも厭わない あぁそういえば いつかと思って置いていた手紙を 今年中に片づけなくちゃ 忙しくしようね 死の予感だけで怯えて毎秒過ごさぬように 世の理に一々怯んでしまわぬように 明る…

君の澄んだ歌

朽ちてしまえ どうして呪いのことばしか吐けなくなったものか これが老いてゆくということ だろうか まだ若いから言い訳はできないな 君の澄んだ歌が 耳障りだ 止めろとは言わない いつまでも冬の空気に浮かずに 朽ちてしまえ どうして素直に美しいやまばゆ…

写真の君

唇は色を失くして 生きている者の中で一番 生気がなかったものだから その写真が幻か呪いかと 余計な思案を産んだもの ただただ 美しなかっただけよ それが一生を左右する 残酷な100パーセント 何も見えないけれど そこにいることは分かっている 霊より質の…

濁った心を持ったまま 女なら笑っていろという言を聞く もう生きてゆくにはそれしかない時代 でもないのに従う細胞が嫌いだ 身体は重く もたついた 空の重しを そのまま受ける そんなふうにできているのさ 泣くな、誇るな

あどけない波

およそ齢にそぐわぬ無邪気さで 今日も歌って跳ねている 息をつまらせて いだかれてなお 君があどけない理由は何だろう ずっと考えていた そのうち するりするりと引きこまれるように 恋情に似たものが 込みあげてきたのを おさえこんだ 君はいつまでも あど…

葛藤のふりしてる

君が心から笑うのは 彼の前だけなのだと 目の当たりにして もう 気が狂いそうになった こんな日に限って 空は晴れる 冬なら冬らしく 皆で暗くあってほしかった こんな陰険が 添えない理由なのだろう 気づいても変えられない性根が 自分でも悔しかった 君が心…

ひとりの星なら

くすりは少しにしておきな 暮らしていくには眠気が邪魔で 説明するのも面倒だから 手を引かれていたころに 戻れたらいいのだけれど 自分で分別つけないといけないような 齢だからね もう誰から言われても 従わずにおきな どうせ暮らしてゆくうえで 誰かがど…

生まれ月の遠き

あなたは月を静かに見ていて 私の入る隙もなかった たとえば優しさで 言葉交わしてくれても 心はもっと遠くを見ているでしょう 生まれ月の 愛おしいのね この地にいて 恋などしても あなたは月をいつも見ていて 私が侵すことなど叶わない たとえばひと時 隣…

汚れた声

汚れた川を背にした僕は 悲しいことに慣れていなくて 自転車を漕ぐ この足さえも 今生きている 感覚がない 貴方の声が 響いて止まぬ 僕のことだけ愛しておくれ 貴方の袖を引くことできぬ 僕のことなど忘れておくれ よどんだ瞳 晴れ渡る空 両極を持つ この世…

かぐわしい闇

ようこそようこそ いらっしゃいました ゆっくりしてって もてなしはこれから 急拵え むかし噺みたいに 連れこまれたり 引きゆかれたり なんて ないわないわ ゆっくりしてって ほら ほのかに してくるでしょう あなたが気づいているのなら それが かぐわしさ…

今日もこの空の下でまた

何もないような日々の中で さりげなく君を思ってた 無邪気な心は変わらないと思ってた 僕にかけられた 運命の糸が ぷつりと切れた その瞬間 アツイ涙が こぼれて消えた 離れて初めて分かる 君のやさしさ そしてやっと気づく 君の大きさ 涙は消えたよ 今日も…

夏の風

青い空を見上げ交わした 言葉たちよ この胸に 夏の風が吹き抜けてった 幻の日々 after school 絶えまぬ 笑いあふれてた 鼓動とチャイム鳴り響き for you 言える言葉はなくても そこにいれるだけで幸せだった いつしか叶わなかった夢は 心にしまって 太陽眩し…

君恋し夏の日に

君恋し夏の日には 夢も愚か はるかな空に 愛苦しい 時のはざま 時のしとね 涙さそうのは 痛みではなく震え 息をのみ 交わした ぎこちない 言葉たち 揺らいでも 続く あがいても 続く 物語は ここから 君恋し夏の日には 心軽か 見え透く空に 愛苦しい 胸の名…

戒めにはならなくても 僕らがここにいる限り 愛を唄い 夢を唄う それだけで生きて行ける 心のしとね いつしからか うつぶされたままの 悲しみを抱き 進む人ほど 幸せに近づける人はいない 戒めにはならなくても 僕らがここにいる限り 愛を唄い 夢を唄う それ…

初夏2003

やっと会えたね 思い出よりも ずっとずっと大人びた あなたの声 あなたの横顔 変わらない無邪気な瞳 ずっと見てたよ 君のこと あの日々 夏の初めの太陽よりも 眩しくて 手をかざした空 放課後 響く声は 今でも この胸 初めて交わした 言葉が胸をくすぶる 照…

時が私を呼ぶのなら

時が私を呼ぶのなら 逆らうことなく 巡り合おう 私を愛し憎むもの うつろうもの すべてのもの 時が私を呼ぶのなら 流れゆくのも 良しとしよう 私を包み込むところ 息苦しいところ 見えぬところ あの日に戻れたら この日が続いたら その思いは尽きない けれど…