おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

fake sleeper

流石にぐらついてきたでしょう? 気の強いこと 結構だけれど 眠らないと生きていけないからね 最終 倒れこんででも休息するように できているのよ 安心しなさいな 稀代のロングスリーパー 不安はもっともだけれど 眠れる質でよかったわね まだまだぐらついて…

水気に連れていかれる

浜へ近づけば気は淀む 那の津も京浜も同じこと 汽笛や波に心躍る それはイメージとまやかしね ぶつくさ云いながら 大通りを歩くには勇気がいる 連れていかれる 少しでも知らぬ小径に入れば 途端不安になる 水気が好きで海好きで それは疑いもないけれど 魅か…

ごっこの終末

どうしてたったの一言で壊れたのかを 考えてほしい きっと土台から脆かったこと 認めなさいな 地に材重ね 家を建て 寄って住まう 摩訶不思議 血のつながり 思いこみ いづれかで成り立つ ごっこでしょ そうよねたった一言で なんならそれが無くたって 壊れて…

暮れの音こうべ

もういいじゃない 久しぶりに汗を流して あとは疲れて寝るだけよ 騙しだましで隣にいて 生活が成りたっている振りをしましょう 夕の音が痛いくらいに響いた 子等の声は責めたてるように 窓を打った もうおやすみ 余計なことは考えなくていい ほらおやすみ 思…

愛と波前

愛が終わるときは わかりやすくチャイムも鳴らない 海辺の校舎で待ち竦むよな 柔さもない 滲んでゆく記憶と たたかうだけよ 指腹に残っていた 触れた日を払いましょう 忘れじの誓いなど 言葉ごと捨てましょう そう上手くはいかないことばかり 終わりしな押し…

沈みこむ自我

身を隠したくなったのは いつからかしら 何にも悪いことしてないのにね 息苦しさが付き纏う 物心つくより先に来た 海が好きなのもほんとよ 風恋しも本音なのに 遠ざかる 遠ざかる 明るく優しいものはすべて 身を潜めて 息を潜めて 静かに終える 一日も一生も…

5years.diary

Tokyo は思ったほど曇ってないわ 誰の所為にもできないものね なんなら1つ目の海を渡る その時のほうが大きかった振り幅 戻れないことを知ったもの 戻る気もなかったもの 1年平気でたつもので 5年たったら絶望がくる そうか10年あっという間に きっと来…

雨季に呼ぶふるさと

雨気孕んで此方へ来る そうね暦はもう皐月 泣けど暮らせど営みは 古くからの伝えに従う 気よ空よ地よと云う 其れなら幾らでも受けよう されど ふるさとはあたたかいという 幻想にやられて 今日も沈みこむだけの路 あぁ雨風よ 貴方とだけ話していられたら 人…

西へ向かう者たちよ

敗れたわけでもない夢が 追い立てるように 彼を西へと向かわせる 時代錯誤もいいところ 人はもう一個人を生きていいだろうに 敗れたわけではないからも 言い聞かせる窓に 景色は懐かしさへ近づいて 彼の首を絞める 眠りには落ちることできないな 一度は叶っ…

暦ゆきかえば

小さな拳握って 聞きおぼえた大の月小の月数えてみた ねぇ時雨月うまれ どこにいる? 辿ってしめす記憶の手 すっと風吹けばもうそれは ユリウス暦が恋しいね なんて、言ったら 知れてしまうわね 何生目のこと もうね構わない気にもなるけれど 公然の秘密 宿…

夕のめぐりに、逆らうこと勿れ

正しい生活は 望めば遠ざかってゆく デジタルに侵されたくないけれど 置いてけぼりは嫌で また知らぬ間に 肌を傷つけていた 少し赤くなって きちんと細胞があると示す あぁ今夕もまた どうせ音もなく訪れる そうやって 死ぬことにすら気づかずに 死んでゆく…

打ち雨を聞く

雨は打ちつけて そのまま故郷の海沿いまで 流れるでしょうか 空っぽの瓶に溜ておいた 甘い蜜に手を出すころ 綺麗に洗い流せ 雨 誰の所為とも云わぬよう 恨みつらみを失くすよう 必死の思いで音を聞く まだに打ちつけて 微妙くも故郷の海沿いまで 辿りつくで…

眠りなさいな

もう眠りなさいな 起きられるか不安だなんて云うけれど 生意気な たかが今生 急に終えることも 往々にしてあるのよ あなたの裁量じゃないわ もう眠りなさいな 明日が不安だなんて泣くけれど 皮算用で 此処に今生 あると思いこんでいるだけの 話も転がってい…

来訪者の夜半

明かりが見えた気がしたから来たのだけど 気のせいだった? あぁいいのよ、お構いなく 飲み食いをしに来たわけじゃないわ だたちょっと気がかりが多くてね いいえ、こっちの話 人の家に上がりこんで其れもないわね しゃんと話しましょう この辺りは随分と変…

参り

眠れないわけでもないのに 刻一刻と丑の刻 待てど暮らせど来ぬ迎え 果たして此処に居ろという 静かな便り? 存外暮らし慣れた所為で また行き処が分からなくなってゆくというのに 古い節に乗せて 呪いとも経ともつかぬを 唱える唱える 大事はないか 苦しゅう…

lost girl

知らない街に迷いこむたび 戻れない不安は確かにあるけれど このまま戻らないとして どんな世界が見られるかしら かなぐり捨てる勇気はなくて 知らずに飛びこめたなら 記憶だけもっていくものいい 失くして真っ新もいい どうせ初めから迷子でしょ 鈴を鳴らし…

神も人の気も

神が姿を消したのは 世界への怒りか 尊い教えか 如何しても疑りたくなるけれど 例えば もう疲れてしまったとか 気が向かないとか いきおい暇乞いや遊歩やも こじつけたくなるものは大抵 ぐっと堪えるべきもので 飛行機が彼自身ふと 何故飛んでいるのかと 疑…

不安に溺れる時

突然、不安が襲った 夜だからよ 春だからよ 年頃だからよ 人類の叡智 培ってきた慰みは幾つもあるけれど どれもしっくりこないもの 瞬時に、不安は増幅する 生きていける気がしない 暮らし向きのことではないわ むしろ ただ生活していくだけなら ギリギリの…

Sunday after...

気怠い日曜の朝も 黄緑の電車はけたたましく 窓開けて無理やり聞かされた気分 中途半端な曇り空 そう簡単には起きあがれない ぐぜる子どものようになる 片や くすっと笑って みんなこんなもんだよって ほんとなのか なぐさめなのか 分からないことばかり言う…

ちいさないのちに名をつけて

いちど生まれたいのちが 消えてゆくことは 誰もが知っていて 誰もどうにもできないね わかっているけれど まだ言葉もうろ覚えの ちいさなちいさないのちが 消えてゆくことは どうしてもね やりきれないものね 儚むために 生まれたような気がして でもそれじ…

影と駅

たばこ煙い乗換駅 こっちからもう願い下げよ 言いたいけど必要に迫られて そういうものね 生きてゆくって 青は遠ざかってゆくために 今日も空にいる 生きてゆくなんて つもりもないのよ ただ生きているだけで 現状維持のそれ以上何を 望まないといけないのか…

島ゆく風

美しい島々 人も住まわぬ緑 生い茂れば 生きる空気を私たちに送る 太陽の光とともに起きて 生きてまた眠る どうか原始のまま在りたかった 風はもう風ではない 天が何とか形を変え 此処にくる口実だろう この身をもって受けよう 連なる島々 静まり揺れる緑 雨…

狭間に生れた気がしてね。

あの世代がおらんくなるまでは、 その名残で言ったら私も含めてかもしれない、 死に絶えるまでは、 新しい価値観は根付かないのだろう、 本当の意味で。 今、時代の転換点にいるのだと思う。 家のこと考えただけで苦しくなるのに よぉ今までその中にいたな。…

風にあてられ置いてゆかれる

この世に愛があるという前提の歌が だいきらいだ 血も恋も 春を見ずに枯れるのを 誰か知らないかしら 心揺するのはいつだって 優しいメロディーじゃない 皆で朽ちてゆけと また願う 持てぬ者の声はいつも惨めに 街にも風にも見放されて 今生を耐えると決める…

曰く lullaby

lullaby 泣かないように そっぽ向いた背をさすって 今日のことはもういいの ゆっくりと堕ちてゆきましょう lullaby 空の色も 気にならない灯りをぼんやりと ともせば今日は終わる おやすみ 愛し子 洞窟の中 迷いこむ夢をみて またしゃくるの いいわ ここに居…

【cover】Hard Times Come Again No More(厳しい時代よ もう来るな)

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浮き世音

朝っぱらから消魂し 烏の勝手 私だって 好きにさせてよ 辛うじて夜明けを知られる部屋 良かったのよね きっとこれで ふわふわと浮くような人生去らば 洒落た西洋の飲み物を 朝から淹れる趣味もないわ その辺に転がる名も知らぬ菓子を 口に放り込むが精いっぱ…

いとしのユニヴァース

雨風派手に晒されて 地固まるでもなく窮屈な 耐えれば耐えただけ自由を謳歌 それが本当だとしても 今生のうちとは限らない 斯くなる上は 重なる宇宙に行く他ないか 迷い帰れずも本望と 尋ね人になることも恥じず 誰からも思い出されぬことも承知 重なる宇宙…

歌われず止むうた

唾吐き捨ててきた道を 2度と振り返りはしないでしょ いいのよそれで あなたは気ぃ遣いすぎを あと何年やるつもり 勝手に生きて 勝手に死んで 愛おしむのはひと握り いいのよそれで あなたはそうね 教わってもいない愛 持つ必要はない 祈りなんて どこ吹く風…

夜街酔い

意地汚い風にさらされて 渋谷は今日も重い帰り道 正反対の遠い島の広告が 憧れよりも蹴飛ばしたい気分 まっすぐに歩けない人混み いつになったら止むのやら 指先は冬でもないのに荒れ 明日はきっと雨 鏡に映るときだけは 笑っていようと決めた 二十歳そこそ…