おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

花が開くようだ

綺麗な物には 嫌悪感があり 呼ばれてもいないのに 近づかないようにしている だから花々が咲き誇るなど言われると あぁそれはようございました どうぞご自由にと 此方とは関係のないことと括る いいでしょう別に 迷惑はかけていないから 崇めたい人がそうす…

人生が閉じてゆく

人生が閉じてゆく音がするの 怖いね 秋はそれが強まるから 嫌ね そんなことは考えずに眠れたら いいけどね 調子よくはいかれないから もうね すっと足を踏み外すことが できたらどんなに楽かしら 何者でもないうえに 悪者になっても 捨てられないいのちであ…

歪む世界をうたうとき

世界が歪んで見える時 此方の所為にしておけば 恨まずに済むからね 格言とは 斯くして綺麗な物しか 扱われないけれど 諦めと侮辱と恨みつらみが こんなに渦巻いているのに 隠し通せるはずがない だから私は汚い歌を 誰も言わない独りよがりを 醜いと後ろ指を…

恨みの後

貴女を憐れんでいた 時代に気に遣られて 思考する力もなく 虐げられた 弱き身を 憎らしい奴に 屈するのが許せなくて しかし連れ逃げるような力は 幼い僕にはなかった 今 病んでなお 愛だとか子を思う心があるのなら 此方のことは気にせずに もっと言っていい…

恨みの地

巣食うのは幼少 思い通りにならないどころか 思いを発することもできなかった 淀みだ 文字面で大人になれと 訴えかけられて 今日も綺麗ごとが踊る 街の掲示 神が望んだか知らないが 負ったものが重すぎる 越えられる者だとして 壁が大きすぎる 精神の統一に …

雑念唱歌

美しかった鳥が 一瞬にして撃ち落とされた その見事を 称えることなどできなかった 数分後には喰らうくせに 褒めそやされた島が その実きたなかった 誰も気づかないけれど 余所者には見えず 内の者もある意味見えず 鳴りやまない鐘が 薬のように心地よくなっ…

終着のない町

肩身の狭い荒んだ町だ このまま朽ちてゆくのもいいが 逃げ出せるならきっとそれがいい 電車もないから思い描けないが フェリーの汽笛が町中に 響いて風情より先 嫌気がさすように できて しまった 無理やりのコンクリート道 そぐわない景色 ひととおり見通し…

星の子

すべりおちて今夜 あなたにいだかれる それが美しく生まれた理由 だから本望 硝子の靴も持たず 姿を消すように できているので 居るうちは 居るうちは 多少わがままになるものよ すべりおちて今夜 なんどもいだかれる 夢にまで見た地に やっと降りたった ひ…

問とくらし

走り出すまでの 助走が必要 身体が慣れないからね 起き上がる前の 覚醒が必要 そもそもが弱いからね 突き詰めれば 懸命などとは程遠く そもそも生きゆかねばならぬのか また問答がくるだけ

愛の罪

愛を見た気がした 夏の終わりにぼやけて 足も頭もふらついていたから 間違いだったのかもしれない あなたは一歩前を歩き 置いていかないように私を 帰りついた暮れの部屋で そっと触れたはじまり 忘れてもいいようなことが 幾つもいくつもあるけれど 覚えて…

月の下

月は僕より年上やから 言うこと聞いといたほうがええわな 皆が綺麗やと崇めるから そんな気分になるんや もうほっといたらええのに 切り離せんようになっとる 性が嫌いや 月は僕より上にいるから 見上げる形になるんはしゃーない それで卑屈にならんように …

風の予測

予後 良くないことは薄々と 感づいてしまう経験者 斯くも 好転までは無くとも 生きのびられる証人でもあり 明日は 季節逆さ戻りに 日の強い予報 外に出るなら今のうち 好きな物食み力を付けて まだ知りえぬ 風は その時にならなければ 風ばかりは 知りえぬか…

勝手に仲間意識を持って、勝手に「裏切られた!」と恨む身勝手さ

(※漫画のネタバレあるとです。)学生の頃、『フルーツバスケット』の依鈴ちゃん(リン)に、これでもかというほど共感していた。 フルバに出てくる親は大体クソだけど、中でもリンの両親は「え?ウチの親がいつの間にそこに!?」と目を擦るほど似ていた。 …

凪に寄る

もう目に見えず 聞こえもしない距離に来て まだ凪はいる 夏気をはらんでも 雲を追っても もう次の季節目指す 人は気早に 取り残されたように 根付いた草木のように 宇宙の法則かのように 凪はまだそこにいる いつか寄るまで 待つ義務があるのかもしれない た…

発熱時の夢があべこべで鮮明すぎた。

夏フェス的なのに来たはずが、体育館の集会みたいな場所で、なぜかコナン声優が勢ぞろいで歌ってトーク。歌い終わった林原めぐみさんが客席(体育館の生徒の位置)を歩いて回りながら「座らないで、ちゃんと立って。荷物の位置もここ。態度悪い」と注意して…

研修で「回答のジャンルが不明な質問」をしてくる上司

バイトでも会社でも、研修が下手な上司がいる。「これは何だと思う?」「どうしてだと思う?」「これについてどうですか?」この曖昧な質問。しかもなぜか毎回ドヤ顔で。 彼(彼女)の中では答えが決まっていて、「この単語を答えてほしい(もしくは答えきれ…

海便り

波は心地のいいけれど 襲ってくる怖さもある 便りは不定期 数人が読めるだけ 西から来るのは 特別に澄んでいる その代わり憂いを持っている 人のようでおそろしな 夕の鐘に従って 人は帰る それが正し 海からの声は 心地のいいと言う人を置いて ずんと低い声…

観察

苦しい声をしている かいらし見目のわりに 何があったか気にかかり 見ていた ブランコに一輪車 得意そうに ひとりだけれど 嫌われてやしない どうしたんだろ 笑っているけれど 具合悪そにも見える 苦しい声をしている それが気にかかり もう何年も 見ている

また海へ帰る

また海へ帰る 気がついたら海へ帰る カメくらい海へ帰る どれくらいか知らんけど 誰も呼んでないのに 故郷でもないのに 手足おぼつかず どこで呼吸するかも 分からんまま とりあえず海へ帰る 怒涛の海へ帰る 織姫はどこへだか ごちゃまぜになるけれど 連休じ…

助走

豪気な夜が来たようね 身構えていなかったから もうヤケになって踊れ 坂下りの溜まり場 どうせ機運はわるい 慣れない酒をあおれ 見掛けだけ洒落た店 中は狭くて座り心地わるい 金だけ払って飛び出せ 気持ちいいならもう何でもいいじゃない 今まででいちばん…

また破る

囁き声も筒抜けて 障子破ってくるごたる 庭は荒れても気にせんで 遮りも無しに照らされる あいつや東京行っておかしなった いくら言われても構わん 堪えん そがんことより今日の飯 遠い敵より明日の生業 おんなじ国におって 違う空気のある おんなじ国におる…

私は私の召使い

暮れどきの まやかし歌いに騙されるな 昔ばなしに託けた 物売りに釣られるな 明日は我が身と 唱えて遅き 私は私に囚われて 明けどきの 烏鳴きに惑わされるな 親の教えに似せて寄る 語り草子に付いてゆくな 今日も天気と 背伸びをしたら 私は私の影法師 昼ど…

熱帯びる者共

背筋が凍ることのあるように 熱が走ることもある 世に居るほんの数人の 実感を持ってしか表せぬ ほんに口惜しいことながら 大抵は病で片づけられて いつか実を持つ日を夢見 朽ちてゆくのが関の山 好転を待つよりも 挑戦を歌う人 そんに強く離れないからさ お…

足らない

赤い花の蜜を吸った 思い出に数るに足らない 置いてけぼり 遅い足の 呼吸乱れが常日頃 泣いても拭っても 耐えても転んでも どうせだーれも見てない 田舎道 あの子どこの子 それもつらくて 身を隠す癖のつく 教科書が全てではないと 簡単に言うけれど 蛍光に…

病と夏日

病のはじまりを 覚えていることなどあるだろうか 痛みとして 分かりよく来るなら良いけれど 夏日に茹だるうち 知らんうちに 眠りついた者もある 知らせも来んくらい 遠ざかったのは此方だし 病に託けて 帰らんよ それも良しと 誰か号令を 夏日を過ぎた後 後…

前後不覚と生き心地

前後不覚 生きた心地は どこへ行ったの 線香花火を 今年は見送ったはずの ほのか明りが 見えて見えて しょうがないのよ 病と紙一重 我思う 間もなく霞む 打上花火を 今年は見納めたはずの 空がまだ明るく 照らし照り返し 不確かを極める 前後不覚 生きている…

私の夢見を悪くする

私の夢見を悪くする 変な時間に眠くなる すると現か夢なのか 分からぬうちに現れる 親がすべてだったころの 信じたい守られたいという希望 打ち砕きながら 少しだけ 愛のようなものをくれる すると囚われて 恨めなくなるのさ 今日も夢に出てきて 何かを嘆い…

秋に連れてゆかれる人

時を操る者のいる それは人の知るところとなる 少なくとも想像で もう描いているでしょう 片や 上手く隠れたもんだ 空間を操る者の まだ知られてはおらぬ 一部の能力者を除いて このまま大衆の目には 触れぬが良いか 思案していた 振りをしていた 幸い秋口 …

街と君

二十年近くの時を経ても 無邪気に笑って見せる君だ 都会に慣れっこ そんなはずはないと 心配したのに 大丈夫みたいだ 僕がいない街で 泣いてやいないか 勇み足で来たのが 拍子抜けするくらいだ 元気でいてほしいと思うのも本当 僕なしで寂しくあってほしいの…

みにくいこ

醜くて結構 愛されたがりは 格好悪いから 捨ててきたの スペードのドア 開けた時には 取り返しつかない とこまで来たの 甘いドーナッツ 頬張るには 可憐か愛嬌 必要でしょう 持たざる者は マイナススパイラル 覚悟の上の 地上降りでした 溶けてゆくアイス 人…