おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

いち刹那

じっと、息を殺す その能力に長ける 例えば学びや人付き合いは 何かの役に立つでしょうけど ただただ潜めた心 少女は何になればいい? 答えが待つとは限らぬ未来 平気で3年も4年も経つ 恐ろしくなってくるでしょう? 記憶力が良すぎるのも困りものね ほど…

恋待ち酒場

似合わないからやめときな 酒場の泣く女 どうせ1人で帰るのなら 足許確かなほうがいい 誰彼となく 優しい腕が待っているとは 限らないのよ 意気込んで投げ捨てられるより はじめから憂鬱に酔いましょう それで済むならなんのその 慣れたものです 恋待ちも …

帰りついて眠るまでに

空を見上げる力も無いわ あるのが偉いって言うなら尚無いわ さぁ下向いて帰りましょ 世の隅、日の影、星の底 付いて回る傷に酔い その所為に死ぬまでするわ 人の世に慣れぬうち 朽ちてゆくのも遣り方でしょう 街が祭りなら ひっそりと 息を吸い もう眠るだけ…

川に帰(き)して

水流れ さやさやそれは 幻に近いもの いつも見ているのは 慰めもの 本明川 緑の岸 泣いたりはしないよう 思い出は綺麗に取っておける 石わたり 向こうに寄る 息継ぐ間もない世に 人の声に囚われたら しぶきも寄る なんてことないさ 千灯籠さん 呼び声のして …

宵愚痴候

空気は層になって 忘れたころ 私の背を押す 誰に知れるともなく 暮れに潰されてゆく 街がみんな 苦しみの中なら 紛れるなんて大間違いよ 同じ括りに閉じ込められて 傷んだ目を知ってる? あぁ遠い宇宙まであと何歩 小さい身体を与えたからには 飛び越えきれ…

電車の外の景色

ねぇ電車の外の景色 少しだけ顔上げて見てみてよ すっと過ぎてゆくもののほうが 愛おしくなった日 ずっとそこにあるものなのに 通り過ぎてゆく日 橋を渡り 境越えて 穏やかなれと 都会の空 だって泣いた日も運ばれる 連れてってくれるの 少しだけ顔上げて見…

宵町花火

から、ころ、 久しぶりの から、ころ、 はずむ足に 合わないまんま 鼻緒あざやか 追いつくように少し走って から、ころ、 境内のすみ から、ころ、 待ち合わせの場所に逆戻り 宵の花火は咲いたろか 夢見も過ぎて朧げな 煙い町 そっと暗い空に 咲いたろか 恋…

波にも溶けぬ人生

揺れている波に逆らわずに たった一度の人生を 投げ出してみるのもあなたの自由 決して決して戻れないけどね 寄せ返せば白い渦 ずるいわ 目を閉じて倒れ込む時 足掻くように呼吸は荒くなり もう何だっていいやって思ってた あの時の無抵抗はどうした そうや…

病み上がり 風の子

気持ちのいい夕暮れね 黄緑に縁どった電車 音を立てて家路へ運ぶ 港も少しだけ見えるわ ぐずついたぶん 風通すだけで すっと思えるのね 何にも深く考えずに 押し出されるように町を出て 意もせず辿り着いた先 今少しだけ 良かったと思えるわ 優しくもない街 …

泣き泣き夜籠

三寒四温の逆を行く ひとりぽっちに泣かないようにしなきゃ、ね 道理で焼けた喉の奥 泣いたあとの強がりだ 引き摺ってきた 投げつけられた言葉をそのまま そんなとこまで 素直にならなくていいんだよ 誰かがそっと言ってくれるだけで 叶う思いもあるだろに …

波前に歌った日

誰かに伝わる言葉があると 信じて疑わなかった 誰にも届かぬ海の向こうで じっと見ていた遠い岸 泣いてしまえばそれだけで 流れ落ちてしまうのを ぐっと堪える性分は このためにあった気がして 1つ1つ 紡いで届けます 不格好なままの青春 笑われる怖さより…

石畳

石畳 硬い雨に戦いを挑まれた今日 そんな風にしか見えてない 自分がきつい生き物に思える 何だっていいや どうせ死ぬから 本当にそう? 思い返してみれば 中途半端な足掻きに暮れ 誰を乞うこともせずに 救われた救った気になった 傘を捨てればヒーローになれ…

昭和が居残っている

霧雨の降り込んで寝覚め 大した傷じゃないさ そのうち乾く 放っておこう そうやって幾つの痕をのこした もういいや 揺れる煙 嫌いだって言ってたのに すがる くゆらす らしくもないな 都会の所為じゃないことだけは 確かな日 どうしよもないな 諦めたいな 畳…

愛を乞うて朽ちゆく

もう吐ききって 朽ちるだけのように思えた 備えあれば憂いなし それでも 病めるときは 健やかなるときを思いしのぶだけ 鳥の声が遠かろうと 構わぬ 好きに飛べばいい どうせ素知らぬ顔をして 去ってゆくものならいっそ 今から裏切り説いてくれ まだまやかし…

今から夢を見る

夢を忘るる勿れ 幾つの歌がなぞってきたの 私には遠い文句 そこに置き捨ててきたの 時に押し出されて 望んでいた大人に 望んでもない形で なったみたいね 今、目を閉じれば 狭い町で泣いていた うんと焦がれていた 少女が笑ってるわ 何だってできるじゃない …

うんと港町

すっと遠ざかっていく人の 背を見送るのはつらいもの 自分から違うほうを向いた 言い聞かせて幾年か すっとしないままの日常を あの時の私の所為にして 時たまそれだとつらいから なぜかあの人の所為にする 恋はまやかしとよく言ったもの 抗えぬ 今日も変わ…

追憶

戦は確かにあって 逃れようのない事実で 目を背けるつもりなくても じっと見るのはつらいもの 熱かったろう 苦しかったろう 世を去るには早すぎたろう 嘆きの言葉と 悔みの手紙が 並ぶのを見た 心は持っていかれそうになり 平和ボケしていると己をなじる そ…

綺麗な日々を夢見ていて

気分が高まるのは間違いないじゃない? それは捻くれ坊やも一緒 案外容易いのね 真夏の夕焼け見ながら歩いた 橋の向こうは知らぬ島 真っ黒に焼けた肌で笑った 忘れたくはない できるなら これから先の人生で もう一度くらいありますように なんだってできる…

後ろ向きでも夕暮れは

頭いっぱいになったけれど 泣かないようにできている 5月でよかった 夕方の風が いちばん攻撃的じゃない 憶えている景色を繋ぎ合わせて 慰めるには ちょっと時間が経ちすぎた つらいことのほうが多すぎた 見てみて 夕焼けの跳ねっ返り くだらないケンカをし…

蔓延るきずにも

続柄のない哀しさでも覚えたかい? 手に足に膿む赤い傷 生命を揺るがすほどでなくても ないからこそ面倒でね 誰の所為? 軽はずみには聞けないから ここまで来た 装い新たにもう衣は 夏立て色も羽織りけり 取り残された気になって ずっと歪んだ気になって 明…

夏初めの真夏

まるで真夏のような錯覚を起こす 暮れきってからよりも 暮れはじめのほうが 暮れているのに似て また屁理屈を捏ねた 歪んだ背に日の差す どうしたもっと来てくれていい 恋よりも恋ね 皐月、心はもう持ってかれて 真夏日まで待てないみたい 駆けだすには少し …

遠きにありて故郷は思わず

遠きにありて故郷は思わず それが罪だという沙汰はやめてよ 奇跡のない星に生まれたからには 綺麗でない日を過ごすことで 及第点でしょ 手には痣がのこり いつの間に 生まれ消える まやかしか 波音がまた 責めたてるように 夢に白昼に 押し寄せる 誰もが耳馴…

旧い書棚から

顔も知らぬ人の書棚から 幾つか古い本を手に取り 開け放した窓から 皐月の風がいやに馴染む 泣かせにかかってるとしか思えない 度を越えた天邪鬼は誰譲り 1つ、 生きゆくには苦悩も愛も 同じ土壌で付き纏うと まるで良いことかのように 書かれていました 教…

風除けて縁側

暮れ前から 風の強くて 縁側には ぼんやりも居直りも 思いの通りにはいかないなぁ シーツの飛ばされないよう 見ておいて いっそ取り込んで 手持ち花火は暮れてから ちっちゃい時の指切りを 今さら思い出したので そっと手除けで点けてみる いいね 今日だけ縁…

over sanctuary

教会が苦手なんです 嫌いなのではなくて 持っていかれる感じがするでしょう? むしろ本来の在り場所を思い出させるような 聖歌が苦手なんです 好きが高じたのか 感動や信心という言葉でも表せないものがあるでしょう? 本気で入り込んだら苦しくて とても歌…

熱源

遠い異国の歌が 胸の奥から鳴ってくるのはどうして 姿勢も正せない か細いいのち そうか明日を待つことも 儘ならぬから手土産を 嘆いたつもりが温かく 声が出なくても立ちのぼる だって雷鳴も やわらかメロディーも 来し方おなじでしょう 強い繋がりなんてな…

誰よりそれを受ける身ならば

立夏に於いて 弾まずにいられるものか 平素大人しい振りをしても 木々やわらぎ 風が光る時 確かにそれが見えるのだから 苦しみ負った定めにあって 見え聞こえる過敏にあって 損得に付けるは短絡 それでも祈りも込めて思う 誰よりそれが見えるのだから 立夏に…

灯消し

祭りの灯は 吹き消して そのあとがなお輝くものよ みんな帰ったあとだから 気づかないのが惜しいわね さぁ何事も練習だから ちゃんと見ておくから はじめての 此方だけの儀式を始めましょう 人は眠りに就くの 宵は 繋いだ道を塞いで隠して 記憶からそっと消…

dark side

dark side 思慮のない奴には渡せないから こっちで後生大事に取っとくよ 後ろ指さされて 冷たい声を浴びる 別にね生まれながらに 慣れてるから 甘んじて dark side こっちのほうが難しい生業だって 大声で言ってやりたいけど やめとくよ 舌打ちが聞こえて も…

君のいのちに気づく海

泣いてばっかりいたら 腕ひっぱって連れてくよ 優しいとか広いとか そんなことさえ遠い海 歩幅合わせの余裕なんて ないからさ じっとついてきてよ 息も上がって なんで苦しいか 分からなくなったころ ちょっとだけ笑う 偶然の産物 君の幼さが見られてよかっ…