咳をすれば
1人も2人も苦しくて
日常的に死を
其処まで行かずとも
いづれの終りを
予見してしまうのです
咳をすれば
身の弱きを己も己が
強く感じて
其の繰り返しが
本当に病ませていく
抜け出せぬものです
咳をすれば
あぁどれだけ普通に息を
ほっとできなくとも
単純な呼吸を
営める人間でありたかったと
嘆きは来るのです
咳をすれば
1人に酔うその事よりも
己が弱く何ともならん
腹立たしさと恨めしさで
狂ってしまいそうなのです
咳に酔えば
やがて来る終末の
予感だけ吸って
少しはましになるだろうかと
そんな空想ばかりで
今日も暮れるのです