おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

いろを見て振り返って

澄んだ思いはどこに忘れてきたの たどれば誰かいるかしら パンくず落としてきたかしら ねぇねぇ野には何が咲く どうしても風に逆らい 季節にかかわらず荒れている手 白いクリームはどこだっけ うまく読めずに数えるヘ音記号 鳴らす前に口ずさむ指笛 下手こい…

思い出してもいいかしら

もう忘れてしまった頃に 貴方の手紙を読み返しています いいの私の心の中だけに 留めおくものだから 駅前の路面電車待ち 会えるかしらと探したこと 恥ずかしくなる前に 気づいてもらってよかったな 横断歩道の呼び声は 都会と違うと聞いたけど 揺られるまで…

朝の日とあなた

朝日をみた あなたの横顔を じっとみた 今の奏 愛は罪に溺れても そこにいるはずよ 離せないのね 幾つもの悲しみを生みながら まだいる理由がわかった 朝日まぶしい東向きの 窓際にあなたの命をみた こうやって並んで座っていたら 小さな私でも同じ目線に 立…

宝箱

大切だった宝箱は たった100円の小さな箱 何かのおまけについていた そっちを大事にとっていた 中には何も入らない タイムカプセルのように 夢や嘆きを書いた紙 折ってもうまく入らない どこに置いておけば 失くさず見つからず済むかな 書いて満足する日記に…

巡った花火

日の巡りからは逃れられず 月のリズムも身の内に住む そうやって生きてゆきましょう 唱えた途端には整わずに また日がな一日 計画と反省で暮れるのね 何為すわけでもなく過ぎたころ 日付変わるまで済崩しに 起きていてよかった ドンと花火が鳴る夜半に 出会…

暖炉の先に

肩身の狭い思いをさせたね 古い暖炉のまた遠く 蹲る子になったのは 私のせいやね すまんかったね 身を縮めることだけが 自分を守るすべなのだと 覚えてしまったのね どこで違った人生を ここから温めてゆけるかしら 老いゆく身の押しつけになって また苦しめ…

帰りたくないのよ

帰りたくないのよ 冬日は暮れは あたたかさを やけに煽るTVが街が そんな家 どこにでもあるわけじゃないのにね いいじゃない 好きに寝て起きて 食べたいものを食べれば いいじゃない 寂しくならないと なんて決まりもないんだし 帰りたくないのよ 夕餉のにお…

えにしのはなし

縁は途絶えて 礼参り ふらつく石段 今のほうが気が浮ついて 不安にもなるものね 付き纏うものだと知るのは これからね もういいの 神様が言ってくれている ように自分でなぞって 縁は途絶えて 礼参り 心は錘を携えたまま きっと少しずつ軽くなってゆくのでし…

大きな背中を追う冬に

大きな背中で進んでゆく 息切らしても追いつけないよ 冬道みぞれまじり 買ってもらったばかりの長靴 5時の鐘 西の町でも 暮れる時は暮れるから 手つないで 連れてってはくれない 冷たくなってゆくよ それ以上の言葉を知らないけど 大きな背中は近づいても …

海に呼ばれるとき

海に呼ばれるとき 片足は冷えきって あなた手繰るとき 片手は抜け落ち もう辿れないよ そこまで来ても 欲する命に 出会えた命 あなたへ溺れるとき 針は動きをやめた 動いているとしても 見えないところまで in summer ,96 泣きじゃくった おさないままの心だ…

おもいでばなし

ざらつく肌が嫌いでね 季節のせいでもないのなら 風を見ていたバス停で 待っていてもいいですか 校舎の向こうは緑の森 つらく当たった人もあり ただね謝るだけのこと どうしてできなかったかね 船の汽笛も届くのに 広がる野を描いたり 制服似合わない少女 ま…

感情の見える駅

連なる感情の 脈々と 暮れの駅で見ていた 見えなくても済む技能 持ったなら使命もある気 思いこみで年もゆこう いつのまにか消えるだけの冬 持ち帰った旅の案内 誰誘うでもないんよね 白い息もいったん見て また姿消えた そうか 三寒四温に限らず 行ったり来…

不自由が私達を自由にする

ベルが鳴った リンリンと 気づかぬ家の子もあるもので 赤緑とりどり リボン解いて 笑っておやすみ 此方には聞こえませんと 聡い子ほど垂れぬもので 描くことも忘れるか 描くことに長けるかして いい子ねおやすみ 街が煌びやかさ増せば 押しつぶされる子もあ…

思い出すだに冬道は

長い髪をバッサリ切ったら また会いにいくまでのカウントダウン 白い息が嫌でも真冬の合図ね 恥ずかしがらずに 誕生日はケーキ2つ並べて まとめてお祝いしましょ 溜め息の台所にも風を通す チャンスだもんね いつも残り物をよそう これでいいからって無言で…

暦を手繰る痛ましき

時計は見ないことにしていたのに デジタルにやられて 逃れられない夜半 こんなはずじゃなかった なら如何すれば満たされよう ならず者 無いものねだりの浅ましさ 姿勢の悪いと あちこちに来る 若さだけで抗えなくなったとき 美しくあろうとすることも あきら…

おさそい

夜遊びしましょ いいのよ どうせみんな夢の中 春よ春よと歌う間にもう 暮れてゆくのだからさ 手を引っ張って 無理矢理に連れてゆこ あっちが怖いってどうして決める? 今が夢の中、かもよ 横断歩道を気味の悪い歌 そんな気がするだけよ だいじょうぶ 夜遊び…

冬の抒情

荒れはじめた両の手と 否が応でも冬の名を つぶやきましょう 並木の路は 葉も散りおえて 寒ざむと 達者かと呼ぶ声も 鬱陶しいが先に来て 振り払い躱す間に 消える命もあるものと 知ってはおっても儘ならぬ 軽はずみ 幾つかの言葉を 今でも許せずにいます 小…

夜の真中、花火の残り香

図らずも真夜中 起きても虚ろ 眠りもしない身に浴びる 遠く花火の雫が落る 潔くまぼろし 季節外れもいいところ もう思い描きしか 生きゆく術ないのね あぁ節につけ あなた呼ぶわ どうせ沈む身を 色でもつけば 我在るかと問い質す 身窄らしさに酔っても 夢に…

片隅で

ノートの片隅に ゆめを書いた なんだか大きなことを 成しとげようっていうんじゃないんだ ただただ貴方の横顔や できるなら声に 会えますように 居心地悪い教室の 窓際でただ校庭を見えいた その先に広がる海が できれば絶望になりませんように ノートの切れ…

思い出せない海のうた

港まちをうたった 明るい歌があったんだ 節も確かで 言葉はおぼろげ 思い出したくてしょうがない どれだけ時代が進んだって 追いつけないし 戻せない せめてあの歌だけは 胸にもっておきたいのにな あの人に聞けばもしかして しばらくぶりでもおおらかに 教…

Amen Cadence

捨てる神だけの路にいて 楽しげな歌が通りすぎてゆく 見世物じゃないの 見られてもないけど 明日は我が身がいよいよ寄りて 覚えたての Amen Cadence 真っ赤なコート いつまでも少女 拾ってくれる誰彼 影が見えたらついていきそう 捨てていくだけじゃないでし…

目を見ていられるうちに、ねっ

寒い青空とあたたかな雨 どっちが好き? 何の気になしに聞いてみたのだけど そんな悩んじゃって 真面目だなぁもう 別にいつだって哲学してるわけじゃないし 気軽に話してくれたらそれで 傷つきやすさと 傷つけないように だけど近づいてゆけるように 君の好…

波間にあなたの夢をみる

波間、 愛おしい人の夢をみました 日なか、 人わずかの島には ぽつり、 旅の人が見えるけれど さらり、呼んでもいいですか じっとするのは性に合わなくて だけど渡ってゆく勇気がないの この波間、 待っていてもいいですか 風向き、 愛おしい人の影を見せて…

月の情

月は上半分 暗がっていた そうね雲に馴染もうとするのなら 止めはしないわ 見上げるだけの 情けない身に 弱るだけの 引き摺り足に 堪える月だわ 雨を降らそうとするなら あなたの塩梅 何嘆くでもないわ そう言いながら じっと見上げてあげる どうしようもな…

澄んだ日

こぼしちゃ大変! お気に入りのマグも貰ったコースターも 結局潜めてる 街ゆく度に 行き交う画面に 煌びやかチェックのスカート 赤いバッグも靴も 手にしたら幸せになれるかな 浮かれすぎちゃいけない! もう子どもじゃないんだから 一応言ってみる ただ吹く…

月にぐらつくものがあり

月を背に あなたが手を取る ずるいよ 別に吊り橋じゃなくたって ぐらつく様にできているから うっかり影になり そのまま酔い 始まりを覚えていないのは 夜の所為ではないでしょう ひとつずつ重ねたところで 帰りゆく日がそのまま引力 せめて浮世で抱きしめて…

風待つ渚

波はいくら 大気や地殻の鼓動で来ても 風はそうね 彼の気分次第かしら 泣いて泣いて 待っていたの それで一日が暮れたとしても 向こう岸も見えないから いいのよ 風待つ渚 波はさやと 音を立てて慰めのように 風はそっぽ 今は余所行きかしら 胸に詰まって 吐…

夏のブレス

君がくれたブレスを見て耽るような 可愛げがまだあって 自分でも不思議に思うもの 遠ざかるほど近づいてくる 夏は行って 恋しくもなるもの この赤に似合う海岸線 かざして遊ぼ 走ってこうよ 大人になってもなれなくても まぶしい季節をありがと 波しぶきを思…

同じ道来るあなたへ

金でも名誉でもないのなら きっと安らぎを得るために 旅をするということなのでしょう その一歩目で躓いた 柔ら日の中にいる時に 恋人が優しい時に あぁこれが揺りかごだと思えないんでしょ はじめに知らなかったこと 埋めるような人生は とても息苦しいもの…

駄則

明るいことを言わないといけないなって、 せっかくウザったいくらい東向きの部屋にいるんだからって 太陽と一緒に寝起きすることが一番いいと 本に書いてあったのだけど なんだか気乗りしないや すぐ逆張りする癖が出ただけかな たとえばソウルメイトに会え…