おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

さよなら花火

ポツンと光って消えた花火 手に持ったまま固まってた ねぇさよなら まだ言わずに 暦に構わずいたかった でも、でも、でも 行ってしまうのなら ちゃんと さよなら花火 じっとしてても暑い気を 払って夜は訪れた もうさよなら 迫りくる 暦の律儀に泣いてみた …

目を閉じた人にとり

鳴り止まないベルのせいかな けだるい朝が抜けないのは 幼い傷を思い出すように どこまで巡るつもりの 夢見は遠く 現実はさらに遠く コーヒーでも1杯 落ち着けるような生活を どこかで身につけていたら 少しは楽だったかしら 安心した瞬間に ちゃんと苦しさ…

伝う苦に

一生の3分の1だか4分の1だか 眠ってるっていうじゃない? それだけでなんと勿体ないこと おかしくなりそうだけど ロングスリーパー それどころじゃない 気が狂いそうなんだけど ただ地に立っていることが 苦痛に満ちて、なお 横になって蹲って それだけ…

alone

痩せた背をなぞり見て 時の移ろいも悲しくなった もう二度と戻らぬなら それなりの愛を示して去ってくれ be alone それだけのことが 息も止めてしまう be alone 誰か 花を掬うように 手を伸ばしてくれ 今はもう 遠くからの旅の人々に見晴らされて 白い大橋、…

ひと雨積もる

ひと雨ごと冷えゆくことを もう知っている夏の終わり 焼かれるような熱とどちらがいいか 問われればそれは程々がいい 呼吸を紡ぐ それだけのことが 苦しい人がいること 知っていますか 投げやりにならないように 気がけ心がけてきたものの 今になって破れる…

遠ざかる星

暮れに見た灯りを 翌朝、確かめよう なんと想像の及ばぬ それほど気は滾っていた どうやって帰ろか 伝手も示さぬまま また行ってしまったのね 遥か遥か見えもせぬ故郷へ …ずるい人ね 星空は奇しくも この部屋から見上げる 景色のよさなんて 求めるものじゃな…

聞こえたろうか

花火は終わった 僕の手に 何も残ることは無かった 誰かの背を追うことが 闇の中の伝手だと思った 花火は終わった ざわめきも 静まればもう影なくて 誰かの背に負われることが まるで宝のように 夢まぼろしのように 花火は終わった 色もいま この世に1つ2つ…

煩う暇もないからね

冷え切った部屋から一歩出て あぁ息吹はこのようなものだった 感慨に浸ってまもなく またうだる暑さに負けて閉じ込もる 何もかも致し方なかった あの頃と比べたなら なんて自由な地に立って 思い込みも思い切りもこの手に 何にも教えてもらえなかった分 何の…

片手便り

もう忘れてしまったの? 雨か夜明けかわからない暗がりを 二重窓の内側からぼんやり見てると死にたくなる あなたのことだけ伝わって しとしと夏の終わりに居て 片手便りはつらいもの 死にたいんじゃない 消えたくなる 相も変わらず世の雑多に 飲まれています…

なんてリズム!

あの子にわかるか 胸の詰まったこの世界の 生きてゆくにはあまりにも 雑多な思いが釘付ける ねえ 夏の盛りに 日も当てられて焼き晴らした 去年買った白いワンピース 着ないまま暮れてゆく あの子にわかるか わかってもたまるもんか 生きてゆくのはあまりにも…

願いと思い至り

構ってられるかって 投げ出した部屋 また明日戻らなきゃ わかってはもらえないわ 賢いからだって言い聞かせて あぁ通ずる者だけで 話ができたらいいのにな 痛く、けれど切実な 願い浮かんでほぼ同時に 最後の節を思い出した 己酔いに落ちてはいけない あぁ低…

薄オレンジの空のこえ

電車のおと近くに感じた 夕寝覚めにも慣れた 日の長いと夏はいうけど それでも暮れゆくものね 網戸の先に気配だけ 連れてくるのも得意でしょ 薄オレンジになるまでに 久しぶり立ち会っていたいな そんなに暇じゃないけど 生き急ぐこともないでしょ 蝉けたた…

空凪ぐ

空が凪ぐまで待っていて 気分、鎧もなく滑る 世に世に涙もいずるでしょ あなたを落とした罪つくり 踏ん張ってとは言えないわ 夜に夜に喉も詰まるでしょ こころも頭も複雑には作りすぎて 負わせてしまったことにつけ 何度でも謝りたい 空が凪ぐならいいところ…

テディベアおさんぽ

今よりもっとずっとちっちゃな背 小さなリュックに詰めこんだ テディベア首だけ出して歩いた ルンルンほがらにリズムも鳴るよ 迷子になっても平気でしょ ずっと長い華やかアーケード 勇ましく歩いてった どこに寄ったわけでもないのに アーケード 端まで着い…

うたをおしえてくれたひと

うたをおしえてくれたひと わすれてもわすれないように おまもりのようにもっときな そんなこえがいまきこえる うみにむかってあるくより うみのそばにいきて それでだいたいのことは だいじょうぶなんだって よわいいきものとして まよいおぼれることあって…

朝の唱え

起き抜けの 道惑い 誰かが指した気がしたから 虚ろに 付き従って また落ちる 現実 遠ざかるもの遠ざかれ 何度唱えても 身に落ちない 思ってもないことは 口にするもんじゃないな 何時ぶりの 紅をさし 導かれてる気がしたから 似合わぬこと 望まぬこと 構わず…

落夏

突き刺さった矢が取れないうちに 責め来る敵の惨いこと 風一陣、惑ううちに 流る世の波 二の矢、三の矢 蜜の味して 平静はどこへ行った 忘れ得ぬ夏 子に孫に負わすか 痛みは賭して止めて 悲しみだけ留めて 儘ならぬ右手に気を取られ 広がる傷にも気づかない …

border

どこにいたって自由だって 歌った歌があったなあ けれど果たして 僕の身は1ミリも入ってこなかったんだよ あぁ世は見えぬ位 金でも出自でも色でもなくて 見えぬけれど確かに強い 境目があるような気がしてならない それが解けるまで生きられようか 見えぬ者…

盆にも帰られぬ不幸者

蛍、今宵は鳴く癖も 控えた町に静まって 昼間の汗をさます人 迎え棚にはとりどりの 思い注ぎもある家に ゆかり集まり賑わいも 盆にも帰らぬ不孝者 其方の気には馴染めずに 苦し思いをすることも 陽の翳りには待つ癖も 泣く子黙れよ 祈る火を 灯して馳せと唱…

逆さ流れの電車

人がどんどん消えてゆく 逆さ流れの電車に揺られ 隅っこ車両はいよいよ 私1人になったみたい 暮れろ暮れろ 構わずに 暦はもう遠ざかった 涼しいはずのワンピースが 冷えて心地も砕けそう なんで乗ってきたのかを 忘れそうになる今も 忘れぬうちに帰ろうか …

いとしの music

ときたま詞より心打つ instrumental 一生勝てないな せめてあの正体を知らぬまま 死んでゆくことのないよう 心を埋めて 音楽の中を 泳ぎたい 掻き乱されたい だって唯一 この世で唯一 苦なくできること music ああなんて愛しの music 時を忘れて 古ぼけた今…

一節、うたってみてよ

私の足がまだうごいたころ 街は駆けゆく対象だった そこのけそこのけ 何様でもないのに ずいぶん偉そうに走っていた 私の足がいうことをきかなくなって 心までしぼんでしまったの 情けなくてね 私をはねのけてゆく人が 何様なんだっておこりたくなる そんな…

灯りの川に

川岸に沿うように もしくは我関せずと ゆらりゆらり灯りは流れてゆく 錘持った老人と 思い致す大人たちに 囲まれて幼子は 見様見真似 手を合わせた 微笑ましくも拙くて 何にも知らぬことすら愛おしい 今になってわかる気が 年端も行かぬ少女の頃 ひとつ覚え…

青のメッセージ

今が幸せかどうかの願掛け 服を着るのと同じように 降り積もる苦しさを自分のものにしようとした いつのまにか 背負うことがアイデンティティみたいになって 空の青、だから何って 言うこと恰好つく気もするけど 希望も絶望も酔ったら最後 お前の見えるもの…

a footling girl

陽気に蒸され寝落ちてまた 夕涼みに起こされる 日のめぐる部屋でよかったと ぼんやり思うのに 欲しい届かないが湧きでてくる いつまでたっても現金な頭も付いて 残念!きょうも現実の中に暮れる 物語は遠ざかるわね どっかの占い師に言われたように すっと消…

僕だけの海

また夢に見たの 遠い海は 砂も焼けて 夏盛りかしら 旅の人も 新しい人も 楽しんでってね だけど片っぽ 僕だけの思い出だって 凪の日が多くて 波音 耳を澄まさなければ 教えられたことはきっと これから先にわかるように 今は懐かしみ恋しがる そんな子どもみ…

whiner

いつのまにか傷は広がって 体中が熱を帯びてくる 慣れたとはいえ 心穏やかなものじゃない 幸せそうな人どころか 普通に歩いている人にまで 恨みつらみが湧く これじゃだめだって考え直して 空を見るって単純な治療が できなくなっているからな ただただ苛立…

西の果て

西の果て 海は青 誰も知らぬほどの青 宿るもよし ちょいと旅の人も 夕凪は優しいわ 都では随分早く 日は昇り沈むらしい 此処は夏などいつまでも昼 焼けてかなわない 耐え忍ぶような時代も あったのね きっと今もあるのね 西の果て 空も青 誰も知らぬほどの青…

いとしの川流れ

川流れに会いたくてまた来たの さやさや穏やかでなくてもいいわ 枝分かれした山向こうの家裏で 西瓜を冷やしていたこともあった 世はもう濁りはじめていても 残る清けき その様に 会いたくて来たの 久しぶりね 砂利道すすんでも それを押し流しても あなたの…

汗をぬぐって

汗をぬぐって思い出す 力も金もなかった 逃げ出す術も だから今 なんのこれしき 今だって 力も金もなくとも 知恵がある 自分の心を確かめることもできる 頑張らなくてもいいんだよ 優しい人が唱えてくれても 今は強く強く行こう 汗をぬぐって走り出す 夏はど…