おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

在る場所

黄泉に片足突っこんで 春のうららかなど匂えるか 彼方に心持ってかれて 柔く歌など紡げるか 気休め、チョコレートの味覚えた 幼子のようにリズム覚えた 我在るべき場所は此処ではない 堕ちた時からもう知っていた 何生、繰り返してゆくのだろう 気付、木漏れ…

桜に思ふ

今宵咲き 明日散るを思い ひとり咲き また散るを思い ひらひら ひらひら 鮮やかなままの季節はなく 穏やかなままの心もない ゆらゆら ゆらゆら 何故に蕾を 何故に花びら 何故に雨音 何故に散り際 残された視線 掻き乱す ただただ 今を生きるを 桜に思う 願わ…

かなでぐらし

貧乏な家の子のように 思い描く部屋を紙に書いていた 人よりとても狭くていいの ため息と鼻歌が自由にできれば きっと生きてゆけるから なんて単純な細胞 だって たったそれだけのことが すごくすごく難しいの 数十年で覚えたこと ヒマワリとバラくらいしか…

おもい

おもい 生きてゆくことへの発作が止まない 春風や陽差しさえうっとうしくて たったひとつの身体で生まれ ブチこまれた感情が多すぎるのか 誰にも伝わらないことくらいもう気づいてる さぁ時よ流れてゆけ 一瞬に100コの思いと対峙しながら まだ胸をおさえ…

死なないでおくという選択肢

絶望に打ち克つことが正義のような世界にあって “死なないでおく”という選択肢があることを知っていてほしいから あなたの生き方や死に方をとやかく言う権利は私にはないけど どうしても伝えたいことが1つだけあるから 力の抜けた体 虚ろな感情 魂もないよ…

ひとりやすみ

心は追いつかないようにできてるのね それをさらに 体現したような子が 偶に生まれるのよ あなたはそれなのよ、まさに 気にしないで、なんて言えないね 気にすることこそアイデンティティなくらい 囚われるようにできているからね 少し休んでいってね それく…

訥々と、重なる宇宙で

お前を守るためにこの星に居るのだ 悲しい思いなどさせるつもりは更々無い 魂戻し 呼ぶ声など聞こえぬその肢体に 帯びた憂いを 込められた感情の数を思えば 1人で耐えきれるはずなどないのに 堕としてしまったこと 気づかぬうちに孤独を深めさせていること …

異星人こいうた

異星人こいうた いびつに並んだビルをぼんやり見ていたら ほんとに どの星にいるのか分からなくなる 私が泣いていること 貴方に届くかな 悲しい笑顔の理由が貴方に届くかな 堕とされたことなら恨んでなどいない 思うより先に考えて言い聞かせるの 淋しくない…

海に約束

あなたの声響かなくて少し淋しい午後に キラキラ光る その底は暗闇だと知りました 指切りはないけど 約束がしたくて 独りきりで淋しいなら私がそばにいるよ 今日このひとときだけだけど ずっとずっとそばにいるよ そっとうなずくような心地良い波音 いつかも…

subconscious

あたたかい記憶がゼロならば すんなり外れて歩けた道を だましだまし逸れずにきたの 今になって噴き出してる 泣けど喚けど消えないような 陰陽に揺れて千切れるような 間違ってますか 夢に見せるほど 郷愁も懐古も葬ったのに 私が1人ではなかったことを だ…

春見た雪

雪を見た春 そんなはずはなかった 手の感覚も この目も 肌に受ける冷えも 嘘だと言うなら 何も信じられないや 神のつくった 地を道すがら 少し過ごして 消えてゆくように 闇を纏った 人がちらほら できてるのかな 産まれるように 生きろとは誰も言わぬ ただ…

はるのものおもい

目覚めたのは確かな 三寒四温、不確かな 鳥の声も聞こえぬ 工場煙が遠く見えた ねえ、どこでだって生きているよ もう、どこだって同じだから 平気なわけないじゃない 息苦しさと同居に慣れたの また一歩ドアを出れば 春風らしき 息吹は確か また一本電車逃し…

2つの春

君が先に花束を受けとり 去る町を 出会ったときからわかっていたのに やっぱり寂しくなるんだね 沈みこむこと それを感じとられること 嫌だなって先回りして 俯いてみた 恋のよろこびよりも 僕は僕を守る だって 何でたった2つの 春をまたぐだけでこんなに …

短絡

汚いことを考えている人間はすぐに分かる 人を痛めつけようだの それを隠そうだの また分からぬようにやろうだの 表明させない小技まで 分かってしまう 私がいちばん汚いのかも 胸の詰まるような思いを 人にさせて楽しいのかと問いたい お前はの自尊に付き合…

時と春のさま

時は移りゆく 全て知ってか知らずか 春の香にやられているのでしょう 人間はそういうふうに作った 風の流れゆく その様に息吹と名づけ 心やわらげているのでしょう 人間はそういうふうに生きた 町は育ちゆく 廃れるなどという言葉に ひととき惑わされるので…

息吹

三寒四温つぶやく間もなく いつのまにやら葉桜まで見上げるの 世界はまだ 追いつけない私を 遠ざかる日に あたためて 泣きだすまで 包むつもりでしょう さすがに齢幾年 わかってきたのよ 負けないからね 言ったそばから 春、息吹 胸苦しさをとかす あぁ世界…

春の野に

花飾りまとい現れた童 なんと純朴に世を見る この野原にそぐわない身を 申し訳なく思い しかし一定数 そういう者が必要ならば 私が負っているのだと 心に慰めを 偉そうな講釈たれるつもりはなし ただ心に慰めを 花飾り一片二片 風に散り 駆けてゆく童

旅をしているか 今や天から見下ろす感覚を得て しかし我が身はごく狭い地に留まる 旅を望んでいるか 思わず考えているだけなら無理しなくていい 得るものはあろうが行かずともよい ただ今ここが耐えられぬ どうしても耐えられぬ かといって旅先に楽園はなし …

ねむたまなこ

まちがっているのはだれか といつづけて今生はとじる そうしてめをとじたはずなのに またひらけてしまった あさ、 せかいがあけゆくのは ひとのいとなみが つらくともひろがりゆくのは 今生をひらけてゆくために しくまれているのかも

朝の歌

朝の夢を見た 目覚める夢だった 私は海を目指し あなたを目指して 翼のない背中を必死で進めた 朝の夢を見た 歌う夢だった 私は空を目指し 翼のない背中で あなたを必死で思っていた 涙を打ち払うくらいの強さは あいにく持ってないけど 涙を流しながらでも …

神の子等

世界を変えてしまうような神のみなしご 人里遠く離れた村に生まれた1人の少女 伸ばした髪を1つに結い 逞しく駆け抜ける 母の愛を知らぬままに1人育った少年 空を見上げ問い続けた その瞳は強く 2人が出会う時 声(おしえ)が胸に目覚め来る 世界を駆けて救…

夜舞(やまい)

貴方に届かない 自分すら分からない やめとけば良かった やめとけば良かった 貴方のその声に 耳を傾けるの 聞こえない声を 聞こえない声を 独りきり地平で項垂れているけど 届くかも分からず吐き出すけど 貴方が居るんだと皆が信じる空に ただ雲が流れるだけ…

ゆく夏の中

悲しみになぜか 触れた時なぜか 愛おしさや狂おしさが この頬を染めた 夏の終わりにいて いつも2人でいて あたたかさや愛おしさは いつの世に消える どうか2人でいて いつも変わらないで なんて願い 抱いてる間に 季節はスッとゆくの 咲いた花がいつか 君…

魂のこえ

天気のいい日は自転車でなるべく遠くへ出かけましょう ぎこちなくても公園や花の色に出会いましょう この岸辺に咲いたの なんでここまで来たの 沈んだ心解き放つ魔法の言葉唱えましょう そんなものは初めからどこにもないはずでしょう 風任せに走った 今なら…

まだ来る青

海が見たいと言う その背に 憂いはなし ただ浸るふりをして遣り過ごしたいだけ そんなにいいモノじゃないんだよ 嘯く癖は抜けない やめられない 青、青、 また思い起こせば青 振り払っても青 今はすぐに写真で見下ろせるね 変な感じ あんなにもがいた浜が帰…

約束の海

約束の海へゆく 思いはぐっと高まるよ 白い波に誘われたように季節は過ぎ 美しい景色の中だけには留まれぬみたい 遠く1人の時を重ねて だけど忘れずにいたよ ずっと 約束の海でまた 君と向き合い笑えるよう 卑屈な毎日は そっと青に溶けて流せるよう 強い風…

夏夜、空へ

夏の夕刻 涼し風に囚われて 今生を果たすまで まだ幾許か生きようと 教えられたことは一度もないけど 私は元いた星を知っている もう少し暮れれば姿も見えよう 大声で叫ぶように 音楽を与えた 人より少し強く されど帰る空を忘れぬように 息吹を送る 人より…

神隠し

私は祈りながら 祈るほか無いかと考えてた 悲しい生き物だよ とても悲しい生き物だよ 貴方を隠し 幸せだと言えるところまで感受(おもい)を下げたの 心を乱し 苦しんでまで 掲げる夢の価値が知れない 見えるものも見えない 聞こえることも聞こえない そう言え…