おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

旧い書棚から

顔も知らぬ人の書棚から

幾つか古い本を手に取り

開け放した窓から

皐月の風がいやに馴染む

泣かせにかかってるとしか思えない

 

度を越えた天邪鬼は誰譲り

 

1つ、

生きゆくには苦悩も愛も

同じ土壌で付き纏うと

まるで良いことかのように

書かれていました

 

教えを乞うなら最後には

生身の人がいいもので

せめて此れを読んだ時

何を思ったか聞かせて欲しい

 

埃なら綺麗に掃われ

まるで月日など無いかような素振り

入り込む風に少しだけ

それでも時代の匂いがして

 

振り返り仰ぎ見る癖も誰譲り

 

1つ、

迷いならそれだけで

恵まれていることなのだと

こじつけた綺麗事が

書かれていました

 

文句つけるにも1人だと

空問答で終わるので

せめて生きた貴方から

表情なり雰囲気なり

 

よく似たものと言い育てられ

想像だけが膨らめば

愛おしくも苦しくもあるもの

旧い旧い書棚から

手に取り乞いたい言葉があり

 

皐月の風は馴染むもの

言づてと取っていいですか

季節外れにクシャミをして

憂鬱に酔う日です