おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

遠きにありて故郷は思わず

遠きにありて故郷は思わず

それが罪だという沙汰はやめてよ

奇跡のない星に生まれたからには

綺麗でない日を過ごすことで

及第点でしょ

 

手には痣がのこり

いつの間に

生まれ消える

まやかしか

 

波音がまた

責めたてるように

夢に白昼に

押し寄せる

誰もが耳馴染み良いと褒める

その音が呪い付いてくる

 

遠きにありて故郷はさらに遠く

そのまま遠ざかって消えてしまえ

どうせ帰られぬ浮世の里

こびり付く記憶を払うだけで

精一杯なの

 

足には傷がのこり

掻きむしって

引き摺ることになる

夏来ても

 

展望台から

見ていた緑や青が

夢に白昼に

よみがえる

誰もがこの世の楽園だという

その景色が追い迫ってくる

 

遠きにありて故郷は払えず

罪と過呼吸を連れるだけ

綺麗なものだけ

汚いものだけと

両極のみを見せてくれれば

いっそ清く生きられただろうか

 

遠きにありて故郷は思わず

それもいいよと

自分でうたうだけ