もう吐ききって
朽ちるだけのように思えた
備えあれば憂いなし
それでも
病めるときは
健やかなるときを思いしのぶだけ
鳥の声が遠かろうと
構わぬ
好きに飛べばいい
どうせ素知らぬ顔をして
去ってゆくものならいっそ
今から裏切り説いてくれ
まだまやかしに
揺れるだけの生命であったと
そんなことばかり嘯くから
確かに身体はあると
最後に教えるつもりなのだろうか
余計な世話に舌打ちして
違わぬ
世はもう忌み嫌う
ためだけにあるのだろう
だって叶わぬならいっそ
すべて壊れてしまえよと
乱暴な思いは幾らでも
ほんの一筋の良心と
そうありたいと願うもの
不幸を分け合う算用よりも
愛を乞うて朽ちてゆこう