おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

汚れた声

汚れた川を背にした僕は

悲しいことに慣れていなくて

自転車を漕ぐ この足さえも

今生きている 感覚がない

 

貴方の声が 響いて止まぬ

僕のことだけ愛しておくれ

貴方の袖を引くことできぬ

僕のことなど忘れておくれ

 

よどんだ瞳  晴れ渡る空

両極を持つ この世界にあって

喉の痛みも 喜びにして

歌を歌えよ 前を見据えよ

 

汚れた声が 響いて止まぬ

僕のことなど忘れてもいい

汚れた声が響いて止まぬ

僕のことなど忘れてもいい

 

汚れた川に戻った僕は

街のせいだと嘆けばいい

自転車を降り 立ち尽くす時

川の流れのあることを知る

 

貴方の涙 頭離れず

僕にできれば 拭いたくもある

貴方の笑顔 まぶた離れず

許されるなら そばにいたい

 

汚れた声を ひけらかす時

僕は心で 僕を殺して

汚れた声よ 消えておくれよ

魔法でもいい 魔法は怖い

 

汚れた川よ

汚れた声よ

僕のせいだと 知っているから

今生きている 感覚を持て

地に足をつけ 流れを見ている

 

汚れた声はなお

響いて止まぬ

僕のことなど 忘れなくても…

という強がり

 

声よ響いておくれ

汚れてもいい

汚れてもいい