おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

疲れた波路

白い飛沫を尾に引いて

一年に二度

満員の人を乗せて

 

波上は

穏やかにはいかないことを知っている

 

ぐらりぐらり

吐きそうな

考えるほど

酔いそうな

 

大人になれば

治る病と

いつになろうが

慣れない足場

 

覚えてきた歌を

抱えすぎた荷を

階段下に埋めて

身軽なはずの甲板で

 

くそったれと

呟いたけど

何の物語でもないからさ

 

耐えて息ひそめて

また温かさの

ない家を遣り過そうと

 

帰るというのは

盆正月というのは

安寧とは決まっていないのに

 

ふりをするのに

疲れたよ

 

白い飛沫を

見送って

生まれ故郷のくそったれ