おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

送曲のねむり

ただ静かに眠りなさい

日常なら

子に言い聞かせることを

 

もう静かに眠りなさい

いよいよかな

見送るために言う

 

冷えた気は慣れない

あたたかな町でも

冬は袖重ねて

 

好きな振りをした菓子も

もう簡単に捨てられる

心失いの

 

子は此処にいるから

悔しくも

憎たらしくも

すべて吐けぬうち

 

行く気なら

どうぞお休み

惜しみもせぬと決めています

 

子は静かに眠る頃合い

もう其方が気になる体です

あなたは静かに眠りなさい

何の心残りもありません

 

背を越すことはなかったけれど

もう今なら汚い言葉も吐ける

自分のために飲み込むけどね

 

ただ静かに眠りなさい

子に言い聞かせられて

どんな気分でしょう

 

もう静かに眠りなさい

冬の冷たさに紛れるうち