おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

叫び子

何者にもなれぬと君が嘆く時

およそ何者かになれるという傲慢がある

 

長い歴史を思えば

個人の意志や自己実現など

ほんの始まったばかりの遊戯

 

けれど幾ら巻物をなぞろうと

人類以前に馳せようと

結局 己の生きる幅でしか

感情は持てぬものだ

 

だから我儘ではないのよ

肯定できない命を持つのは

苦しいもので

それが己のものであれば

切り落とすこともできなくて

 

何者にもなれぬと君が嘆く時

およそ何者かになれるという傲慢がある

同時に今の時代を生きる

叫びなんだろう