おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

三行

意地にもなれば

かかわりなど

一瞬で絶てる

もう覚えた

 

石段のぼり

少しばかりの

思い出縋り

社の飾り

 

冷えきっても

西の町に帰れば

少しばかりあたたまる

 

長らく離れていたせいで

幻想だけが

うまく育った

 

人によると

言ってしまえば

何でも片づく時世だけれど

 

人交わりは

避けて通れぬ

生きようと思えば

尚のこと

 

意地っ張りは

死ぬ間際や

ふとした時に

馬鹿々々しくなる

 

それでも日々を

遣り過すには

必要なものだと

やっと覚えた

 

血もえにしも

その気になれば

一瞬で断てる

都会暮らしは

 

誰の所為にも

誰の為にも

己だけの

寂しき自由

 

物語は

交わりの中でしか

生れぬ悲しに

あてられて

 

意地彼是は

少しずつでも

溶けてゆけば

西の町に

 

やっとあたたまった

その時に

抱きしめたい人

返したい恩

 

すべて朽ちていたとしても

それはそれだ

未来に怯えずとも