おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

貴方を捨てる地

貴方の言葉を捨てようか

何持たぬ者になるけれど

生憎か幸か

元々身軽な家なき子

 

縋ったページに折り目があって

忘れることが難いなら

其れごと捨ててしまおうか

 

少しくらいの胸の詰まりは

なんなら死するくらいの痛みは

越えてきて

慣れっこよ

褒めておくれとは云わないが

 

背を這う虫の聡いこと

思い通りの無いを知る

慣れぬまま茶を汲めば

飛び散るだけの始末でも

 

口伝いの歌に寄せ

叶えるために天を向くこと

花に許されて私には

 

何もかもが濁って降る

心の持ち様と簡単に諭す人は

この際ね

置いておいて

柔き楽園を目指すのよ

 

其れは其れ

掛け離れた

地を這う身の脆いこと

思い通りは霧に落ち

 

誰も彼もと吹聴すれば

変わり者か咎人か

それならまだ良い想像

只の欠片となって散る

苦し紛れに

 

少しくらいの胸の詰まりを

死を見たようなあれも此れもが

越えられて

いるのだから

褒めてくれとは云わないが