おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

一人演歌

酒は飲まないし飲む気もないが

酔っぱらってしまえればと思う

端からふらついていれば

世の機微も何もないものさ

 

例えば23時の電車に乗れて

きちんと保って帰れたら

寄り道荷物も腕に負い

倒れ込みそうでも歩けたら

 

褒めてあげたくもなるものよ

そもそも惑って浮くような星で

見上げた空の馬鹿野郎

大声も出ない身で

食いしばったら一日も閉じる

 

自由になっても肩身は狭い

もう伸びない背で

願いでも

吊るしておいたらよかったな

 

商店街には

おめでたい七夕飾り

睨んで終わる意地汚く

雨でも降ればいいものを

 

悪態の1つも持ちたいものよ

そもそも汚い地に這うように

裸で生まれた時はまだ

何知れぬ淡い身で

何時から毒を手持ち身持ちで

 

泣き晴らしてもいいものよ

そもそも惑って浮くような星で

そんな馬鹿なことしないけど

素面で酔っているようなもの

世の機微が溜まりこみすぎた