おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

日頃、臥せた者にとり

病と名づけるには

短絡的すぎてね

それなら才として生きるには

単純に人口が少ない気がするし

 

のらりくらりがいいところ

騙しだましが上手くなり

 

日を追うごとに

記憶は溜まり

想像も度を越して

 

指先が朽ちて

膝が弱ってゆく

そんなガタでなんとか

生きるを知るという

苦笑い

 

健康になりたいわけじゃないから

巷のうわさは話半分に

もっと根幹

息を継ぐには

正常な感覚が

宝より欲しい

 

虚ろうつろの

駅前に

迎えある人

無き身にも

西日のザっと照る

 

身を持て余す

記憶が薄れ

狂う人うらやましくも

 

此処で斃れるわけにはいかぬ

謎の意地で食いしばって

 

よもや今生

幸福に会えるなど思っていないから

せめて正常

その感覚を一度でいいから

知らせてほしい