抑えていた熱が宿る
貴方には分からないのよ
ゆらりシャツが風に靡く
それを寝転がって見ている無力
愛してくれた人が消えれば
痛いという
それを知らぬまま朽ちるのと
どちらが世にあり痛むでしょう
暦は嫋やかに逝き
祈る言葉も忘れたのに
3時のベルが
よろこびのうた
此処では鳴らないはずなのに
いよいよ故郷返りでしょうか
目を覆いたくなったとて
闇はそれで苦い空想に満つ
ほらね海辺浮かべても
置いてけぼりが蘇るだけ
窘められることもなければ
夢か現か知れぬほど
耄碌したか
我が身に鞭打っても立ち上がれずに
暦は華やかを過ぎ
祭りの音にも会えぬまま
凋んでゆく聴覚も
ただ澄まされたはずと願い
いよいよ母星がお呼びでしょうか
昼日中
顔出した行燈の気配に
もう真夜中
伝え聞いた空蝉の声に
ぐるぐる回る夢に落つ
暦は嫋やかをもって
間違いがあるなら己と
読み聞かすように指すのでしょう
たしか、生きているはずなのに
そもそもの思い過ぎでしょうか