おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夕思いの隅

向かい合わせに座ることも

そういえばなかったわね

よもや今生

そのまま会えなくなると

どうして思えたかしら

 

店の隅にいるのが好きよ

もっというなら世の隅の

物がよく見える場所にいて

あなたを見つけたのだから

 

色恋に人は歌を詠み

勝手に散ったと慌ただしいわ

いいのよ私は秘りと

苦手な珈琲啜るだけ

 

噂に落ちていかないように

日夜暮らしを崩さぬように

そうやって胸を落ち着けて

時たまカラコロ

目を遣るの

 

色恋に溺れ朽ちるなら

もう一巡り知ったつもりよ

ただただ見ていた景色の中に

あなたがいただけのこと

 

もう甘い珈琲も

許されるわよね