勢いよく噴き出す赤黄
慌てて移して手持ち花火
光の時間はほんの少し
暮れる気がしない西の墓
蒸して夏夜
水も捻り
ちゃんと消して
始末まで
駆けて帰る時になれば
急な階段はしゃぐばかり
もうおやすみ
それはまだ早い
言ってる間に
提灯消える
パチパチはねる模様
逆に怖い線香花火
ねぇいいでしょもう少し
先延ばしと欲張りの縁側
蚊取りのにおい
庭の草木
氷麦茶しみるよね
いよいよ眠気に揺らぐころ
掛けられた薄い毛布に
気づかないくらい
ゆっくりおやすみ
蒸して夏夜
ほんの少し
風を通して
もうねおやすみ