おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

港町生まれの渚

汽笛は遠くかすかに聞こえるほうがいい

風待ち

身に迫ればもう

心耐えられなくなるだろう

 

スキップはしゃいで帰る子の

愛おしさにぼかしてさ

 

港町生まれの渚

まんまの名前をつけたもの

あんたの親はどこ行った

すまぬ今まだ

物分かり途中に

甘えてもう少し

 

汽笛まだ強く鳴り響き

街は人だけの行き交い

風止み

身も焦がれた恋を

果たしたまでは良かったが

 

すっと何気に帰らぬ子の

影を負う日々に落ちるとは

 

港町生まれの渚

まんまの名前をつけたまま

あんた、あの子はどこ行った

親になっても手の焼ける

物分かり途中と思っていたのに

 

なんてことない

此方より遥かに聡い子

 

港町生まれの渚

まんまの名前をつけたもの

あんたの親は大馬鹿で

なんて愛しい帰らぬ子

そうね

渚も愛しの子