おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

身を埋めて歌う時

遠い異国の湖へ

帰れなかった者へ

いいえ 魂はきっと

その景色を見ている

 

私はまだ海を渡ったことがない

それが非道くかなしく

同時に掻きたてているのだと思うの

あぁなんて愛おしいメロディー

 

吐くようなことは幾らでもあったわ

現実でも思考でも

それがなんだっていうの

その辺の歌に言われたら

腹立てるでしょうけど

 

身を埋めて歌う時

私は遠い空を見ている

何にもならない日常を

溶かすように

見ている

 

続く遥かな山々は

幾つかの本で見て

思い馳せるとは

まだずっと見ている

 

私はまだ海を渡ったことがない

弱い体に鞭打てば あるいは

なんて夢想に暮れるうち

沁みこむわ愛おしいメロディー

 

泣いてもいいなんて簡単な辞に

騙されないで生きてきたのに

今さら

その辺の歌をつかまえて

縋ることもできないでしょう

 

身を埋めて歌う時

私は遠い空を見ている

何にもならない日常を

溶かすように

見ている