おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

雨のあとね

雨はもう雨でないほどに

知らぬ轟音を立てた

地の揺れる錯覚と

背中が熱持つ確か

 

こんな小さな私の日常など

潰れていいから

 

あなたの住む町は穏やかかしら

愛しさでなく思い出すのは

流行りじゃないから捨てようかしら

理屈唱えても思い出すのは

 

あなたの声ひとり

追うだけかしら

 

雨はもう何処へ行ったのか

やけに静寂は住み着いた

身に詰まる寒気にも

心貶める闇にも

 

平気の平左

そんなわけないけれど

私の事より

 

あなたの住む町は穏やかかしら

素知らぬ顔で帰り道なら

流行らぬ歌でも紡いでまた

聞いてくれてもと

願っていいかしら

 

あぁ

世の雑多と苦し血に

惑ったはずが

洗い流すように

都合よくはできていないのね

 

あなたの住む町は穏やかかしら

私の日常じゃ敵わないもの

愛しさでなく思い出すのは

流行りじゃないから捨てようかしら