おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

音楽

set a poem【to SBS 】

船漕げ 罪なき彼の人運ぶ 穢れと誇りを併せ持つ波 追う身も 救う身も 紙一重に 責めるも 囚わるも 神の御手に 船漕げ 貴き彼の人運ぶ 身を変え生き延び伝えたい波 晴る日も 揺する日も 波ひとつに 悔いても 望んでも 波の次第に 船漕げ 誇らし彼の人守れ 捨…

set a poem【to SOTCD】

春気持つ国の端 流れつく人等の 不可思議の香に皆 掴まれ惹かれる 連れゆくような宵の火 一滴垂らせば 皆気持つ気も失せて 彼方へ向かうの 悪は何処か誰かと 聡き人の問う 其れ無力に終わらせる 旅人の持つ香 地の果てるまで枯らし 実りを待つ人の 性根か生…

set a poem【to YBB】

緩く匂う 小島の日暮れに沿った夕飯時 風紛れにそそるな 異人の叩く戸もなく 憐れと刻めど 碑はのち 戦火に消ゆる 知りてなお愛おしき 水流れ持つ彼の国 変わらず波に誘わる 岩打て流る朝飯時 狩り帰りの男らと 火囲み眺む島の瀬 儚きと刻めど この時 誰も知…

寒入り後の

寒の入り 鳥さすらい 外れくじを掲げたところで 誰も知らぬ間に朽ちる いのちが生きているだけだ ああ息が白く 西生まれには 堪える季節がまた深まり ああ身勝手にも 思い馳せる あなたの生まれ月など 寒の入り 過ぎてもやわく あろうとする 黄金の空 幻であ…

自律ということ

虚ろな者にしか分からないことが それはあるのだろう 何十年かけて我が身を以て 気づいてきたからさ たとえば 街に出て大声で叫べぬようなことでも 弱さを晒すふりして 密かに悦に入ることも できる時代 できるからこそ 歯止めは自分でかけろ 苦しさを 解放…

虚弱の人

何で具合が悪いのか 分からないまま此処にいる 物語のように美しい 苦難さえも綺麗に描かれる そんな日々はもうないさ あるか分からない生命のくせに どうしてこんなに痛いのか 誰に責められたわけでもないのに 許しを乞うのは何の癖か 眩しくなった社会なら…

罪のがれの積もる町

耳を塞いでいた 殴り倒される人を 目の前で見聞きする勇気はなかった これが時代で許されるなら 法などいらないじゃないか 心を閉ざしていた 話の通じない人と 向き合うのは無駄に労力使うだけ これが多感で済まされるなら 皆そうなっているはずじゃないか …

病の名に縋らぬように

巷で流行りの 病を気取った定義とは 一線引いていたいと思う 安心したいならそうすればいいけれど 私は逆に不安になって 腹さえ立ってくるから 弱いのだと 繊細なのだと 飾りのように言いたくないわ ともすれば 横柄の道具に使うようなことは 決してやりたく…

彼の誕生日

彼の誕生日は なぜか夏はじめだと勘違いしていて 伝えられないぶん おめでとうと思いを馳せていたもの 彼の誕生日は 本当は冬の真中で そのころから夢うつつが妖しくなってきたかもね 彼の姿かたちは 本当に美しくて 恋を知らなかった私の鼓動から掴んできた…

冬傷

手傷を負った 冬日中 負けじと拵える夕飯など 己のためでしかない癖に いくら傷を負った 夜真中 慣れすぎて気づきもしないのか 己の罪とさえ思ってしまうのは もう 呪いでしょう たとえば愛にいだかれても それは 呪いでしょう 気にもしなくなった時が 己の…

春の文

春の文 落とした時の ままの感情で縋らせて 愛の罪 おかした時の 彼の人後ろ姿の泣く 誰彼と連れゆけないから どうしても選ばれる世 季に乗り手を延べ いつの間に それと知らずに逝ってしまう 春の文 花びらの振り 桜色にだまされる 愛の振り いだかれた感覚…

ぶりかえす夏と熱

夢中になって追いかけた夏の 戻らないことが 痛くなる午後 思い出そうと海辺に立つとき ひとりぼっちがついてくるのよ あぁもう 縋らなきゃよかったな 別にこのままでも 死ぬわけじゃないし 意外と平気だし ぶつぶつ言いながら歩くのも どうせ波が引くように…

singer

およそ人間社会では 生きていけないような人が好きよ 紡ぎだす言葉に嘘がないから 決まりきった世界に 馴染めないような人が好きよ 身の内から来る音を知っているから ねえ singer 聞かせてほしい 少しずつでいいから その苦しみを聞かせて 明日は晴れる 知…

深淵遠慮

深淵は此方から覗かないようにしている 怖いもんね 布団を頭からかぶって闇を作って逃げた 子どもの頃に似てる もう誰も怒らない叩かない だけど引きずる いつか大人になれるかもって 幻想だった 考えすぎが当たり前だから ほかを知らない 国語算数を学んで…

思考と恋

頭の中をいつも思考が回っているのは 皆そうなのだと思っていたけれど もしかしてめずらしいことかなと 気づき始めたころ 苦しくなって 生まれてすみませんも相俟って もう止めてしまおうかと思っていたころに かろうじて繋いでもらったことを 思いだした バ…

1.であい

ざわつく教室に背を向けて 孤独なんて言われないようにして ひとつとひとつが会う場所へ 恋でも友でもないけれど 静かに過ごすなら 己を思うなら 屋上までの道がいい 早まるなと締められた鍵 薄汚れた踊り場の 先に着いた君は 本を読んでいて こちらに目もく…

疲れた波路

白い飛沫を尾に引いて 一年に二度 満員の人を乗せて 波上は 穏やかにはいかないことを知っている ぐらりぐらり 吐きそうな 考えるほど 酔いそうな 大人になれば 治る病と いつになろうが 慣れない足場 覚えてきた歌を 抱えすぎた荷を 階段下に埋めて 身軽な…

見えてくる愛

指先と首筋に少し 傷を残した 構わないけれど気にはなって この脆さが 貴方の重荷にならないか 切られる材料にならないか 幾ら望んでも 生きても生きても 弱い生命体なのは 変えようがないもの また臥せれば 貴方の手は 優しくなぞる 這い起きれば 貴方の声…

声を捨てたとき

喉を守るより先に 叫ぶことを選んだ 生きてゆくとはそういうことだろう 趣味趣向よりも 心のうちの好きよりも 飯だの生存だのが 優先されるのは 本能だから 声を捨てよう そんなつもりなくても 声を捨てたの 誰かが気づいて 背をさすってくれたとき 少し晴れ…

彼の人 胸の内

毎年毎年 飽きもせず飾り付けられた街で 目が眩んで考えることはひとつ 彼は本当に 望んだのだろうか たとえば歌をひとつ歌うにしても それが自分のためなのだから 大体の人間は 彼に届くはずもない popなアレンジなどされると特に 敬虔さを忘れたかと 何者…

逃げの算段

信仰を持つとき 人は崇高な心持ちで 内から研ぎ澄まされているのだろう 私の身の内からそのような 清らかな気分が流れたことはないから 見聞きした予想でしかないが 私がもし彼の人を 強く強く欲するとすれば それは純粋な信仰ではなく 飽くまで逃げの算段 …

止まぬ思考と記憶

生まれかわりもないけれど ないと決めつけるには材料が足りないけれど ひとまずないとして どうしてここまで情報量が多いのか ずっと考えている けれど見えない また脳が疲れて 胸が詰まって肌に出る はち切れるまでの戦いを 誰としている 内内の動きは誰に…

記憶が途切れるのを待っている

記憶が途切れるのを待っている ずっと絶えずにいる友のような 否、敵のようだ 身体が弱く 一時持ち直したかと思えば またふらつく そんなくせして 記憶だけはガチガチに持っている 恐ろしくなってくる 何の才としても使えないのに どうして持っている ずっと…

宵はあぶない

なんてことない 僕の場合は 薬でぼやかされた頭で 考え続けるだけ なんの解決にもならない 対症療法が基本のキ この世しか知らぬ人には それが限界 生まれた星をまちがえた 帰りみちなら手こずって あれよあれよと 齢を重ねて もうどうでもよくなるのを 待っ…

僕が消えるから

打ち置かれた彼女を さらに沈めるように 蹴り落とす奴がいた 殺してやろうかと思った 暴言も気まずさも比ではないほど 暴力は痛いものだと 身体の大きい奴には 力の強い奴には 分からないだろう 僕が泣くと あの煩い餓鬼を黙らせろと さらに彼女が殴られた …

たしかに来る波

誰に言われたわけでもなく 勝手に不安が押し寄せて 波のように引いてゆく 元々が酔うようにできている 海町育ちは 何の役にも立たないさ ふらふらしているのが 普通のことだからさ 狂ったとか 弱ったとか 気づくわけないさ 生きているという実感は 生涯いち…

ボーシの下から

明日は きっと輝いて もっと輝いて 君のまなざしを 忘れないから きっと輝いて 海を行く 僕の影 消えそうで 怖くても 海光る 眩しさが 太陽を 教えてる 真夏の太陽 ボーシの下から見上げた世界が あまりにも 青空すぎて 戸惑った かざした手のひら うつむく…

終わりしなと傷

傷つけられるほうが楽よ 皆が眠りにつくならば 逆流して 寒空に出ることも厭わない あぁそういえば いつかと思って置いていた手紙を 今年中に片づけなくちゃ 忙しくしようね 死の予感だけで怯えて毎秒過ごさぬように 世の理に一々怯んでしまわぬように 明る…

君の澄んだ歌

朽ちてしまえ どうして呪いのことばしか吐けなくなったものか これが老いてゆくということ だろうか まだ若いから言い訳はできないな 君の澄んだ歌が 耳障りだ 止めろとは言わない いつまでも冬の空気に浮かずに 朽ちてしまえ どうして素直に美しいやまばゆ…

写真の君

唇は色を失くして 生きている者の中で一番 生気がなかったものだから その写真が幻か呪いかと 余計な思案を産んだもの ただただ 美しなかっただけよ それが一生を左右する 残酷な100パーセント 何も見えないけれど そこにいることは分かっている 霊より質の…