肩身の狭い荒んだ町だ
このまま朽ちてゆくのもいいが
逃げ出せるならきっとそれがいい
電車もないから思い描けないが
フェリーの汽笛が町中に
響いて風情より先
嫌気がさすように
できて
しまった
無理やりのコンクリート道
そぐわない景色
ひととおり見通したら
海に出るから
都会の人が美しいと
褒めそやすものを
僕は睨みつけている
外の奴らに何が分かる
青春だけはどうしたって
取り戻せないようになっている
金や名誉を後からあとから
何とか積み重ねたとして
遣り場のなさが
物理的にも
攻め来る町が
容易に褒めるな
今日も海に日沈むだけを
見ている虚しさ
人の汚さ