おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

宵のあかり

許しを乞うように 夜は来ます 身を整えて 待っています 昼間のざわつき 嵐のさまが うそのように しんとしています あなたをうけいれる 思えば息もできず すすり泣くように 待っています 戸の開く あどけなく いつまでいられるでしょう 宵闇 少しばかり 明り…

この街のせいくらべ

血縁は遠くはなれ やっと息をつけた 都会の冷たさなど 気にもならない ただ解放された 野原よりも自由だ 家族というものは 初めからなかった 世間にはあるものだから 繕いつくろいの日々だった 速足の街中には ついていくのが精一杯でも なんて澄んだ街だ 田…

夏越しの君

声は耳に残る 夏を越しても そして胸に残る もう聞こえなくても 君を見送った 水辺 今日も穏やか あれは遠い夏だった 忘れたはずの季節だった 君のいない町は ただのがらんどうだ 季の菓、噎せかえり ひとりぽっちの涙目 走ってきた 水辺 少し荒れてきた た…