貴女を憐れんでいた
時代に気に遣られて
思考する力もなく
虐げられた
弱き身を
憎らしい奴に
屈するのが許せなくて
しかし連れ逃げるような力は
幼い僕にはなかった
今
病んでなお
愛だとか子を思う心があるのなら
此方のことは気にせずに
もっと言っていいのなら
放っておいてくれ
それが一番の安らぎだ
今
弱りゆくさまを
見せつけるように
情を求めないで
此方は貰っていないから
持っていないものを
求めないで
恨みの後には何も生まれないから
文字通り何も生まれないから
許してくれるといい