おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

さやかし

湯に落ちてゆく肌を

宥めるだけだ

まだ冷えていないのに

暦に黙って従う儀

 

風見鶏は慣らし飼い

東向きは習わし

遠ざかる旅人を決して追わぬよう

 

娘の心は胸の内

留めておくに越したことはない

叶わぬようにできている

色恋など抱くことはない

 

幾つの営みが

世に見えているだろう

知らぬうち消え濡れた

思いがあったろう

 

身体はいずれ冷える

季節が追いつくのを

待つこともなく