ただの少し風邪ひいただけで
泣きそうになるの
この世の終わりのように
時世は関係なく
物心ついた時からそうだったから
何か不安障害なのか
追い詰められる性分なのか
閉ざされた家や
身動きの取れない病床に
横たわっていたこともあるのだから
今はなんて自由
それでいて覆い被さる不調が
怖くなってたまらなくて
夕の鐘を聞きのがす
もう明日にでも今日にでも
消えてなくなるのではないかと
焦ってもしがんでも
図太く続いてきた十数年がある
生きたくても生きられない人がいると
至極真っ当な言を聞く度に
それなら代わって差し上げたいと
本気で思ったこともある
苦しみは本人しか知れず
たとえば神が認知していたとて
其れを此方には伝えてくれないでしょう
今更ながら経典等に縋りつき
唱えてとなえて
この世からではなくこの苦から
救われないかと念じている