こんな苦しさに会うくらいなら
心燃やさずに生きればよかったのよ
抗えず秋は風呼び
冷えるまで見守るでしょ
あぁ可愛らしい小花のような
恋も知らず急に
熱に出会うなんて
指の先まで欲しいのは
心の奥まで覗きたいのは
いちばん遠いと思っていた
欲望そのものなの
愛の苦しさに出会うそのことが
人の定めだとでもいうのかしら
いちばん遠いものだと思っていたのに
今 胸の中にある
あぁどうすれば どうすれば
花の奥にある痛みを汲んだところで
寒風の中の春はただ待つしか
待つしかないの
遠ざけつづけたものが
今 胸の中にある
報いにさえ思えた
炎は消えない