砂場のすみっこは冷たかったの
誰かが埋めたガラクタも
忘れられるくらいには
この世の端っこ
かえりみちは細長い
何十分もかかる気がする道を
大人がものの数分で来たりするものだから
魔法使いかお化けかと思った
5時の鐘を素直に聞いたとして
温かい家庭が迎えてくれるわけでは
なかったからなぁ
もう少しもう少し
草はらにいたかった
いのち繋ぐのが定めであるとして
そうでない人も含まれると思わない?
自分がその筆頭だと
思いこんで思い悩んでも
たとえば聞いてくれる人がいたとして
誰でもいいわけじゃないんだよね
原語で流れてくる蛍の光
泣いてしまう前に掻き消したい
遠い地に思いを馳せるほど
この心は鈍っていた
目の前の世界に対して
初めて髪を染めたのは
30を過ぎてから
粧しこむ趣味もなく
アクセサリーなんてキラキラしたものは
もってのほかだわ
自分がわざとわざわざ洒落たことをするなんて
恥ずかしくてたまらない
いいえ 他の人は好きにしていればいいの
私は私は 着飾るも自分を主張するも
こんな身分の者がと
謎の羞恥が覆いかぶさるから
許されないいのちは
どこへゆこう
もうどこへもゆけないこと
分かっているから
贅沢言わないから せめて
今この場所で
持ち堪える方法だけでも
世界のすみっこは冷たいからね
あとどれくらい保つだろ