おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

潮風の君

歌に出てくるような

イタリアの綺麗な海町じゃなくて

ただの潮かおる

人も荒く陰険な港

 

それでも呼ぶことができるだろうか 君

恋し恋しと

鳥の行くさまに波の散るさまに

重ね重ねの

心を預けられるだろうか

 

潮に濁る朝の風気

うわさ話に暮れてまた明ける

懲りもせず

繰り返す陰険な港

 

それでも呼び続けていいだろうか 君

恋し恋しは

消そうと決めて消せるものでもなかった

重ね重ねに

便り届けるように

 

呼ぶ君

潮風の向こうにいる

恋し恋しと

聞こえているだろうか 君