薄窓の向こうはすぐに子等の
暮らしが聞こえる東向き
いやに差し込む朝光
避けては通れぬ気の巡り
そうやって彼も耐えたであろう
日暮らしを
思い巡らせ過ごすころ
心ざわつき手に負えなくなるまでが
おおよそ彼の云う通り
どれだけ感傷に浸ろうが
まだ人智の及ぶところで
逢魔が時の間隙に
連れてゆかれないだけ良いのよ
此方に保てたことを
しんと祝いましょう
酒も肴もないけれど
命ひとつで叫びましょう
勿論 心の中のこと
夕はおかしくなるからね
そっとしといたほうがいい
それも叶わぬ素地ならば
じっと考え及ぼせば
やがて夕の扉も知らず閉じて
宵が ただ酔いが来るだけのこと