駆ける坂の上には
君と行違うバス停がある
タイミングよく話せないかな
少しでもいい
古い丸太の手すりを越えて
草はらに座って海を見てよう
はじめて会ったグラウンドも
流行りのように写真残すのは
苦手だからな
思い出でいい
少しだけ近づいてもいいかな
何か言いたいことがたくさんあった
自分の胸が鳴っているのを
生れてはじめて気づいてしまった
1本逃したら
また長いこと待たなきゃ
ううん それでもいいかな
暮れてゆくのは遅い町だから
暮れてしまっても
歩いて帰ろうかな
向かい合わせも恥ずかしいけど
背にするのは淋しいから
隣にそっといてもいいかな
そんなことばかり考えちゃうんだ
駆けのぼった坂の上には
思い出になったバス停がある
もっと古びた擦れてゆく手すりと
季節にしたがって散り生まれる草はら
行違いやわだかまりを
1つずつ数えて眺める海だ
こんな小さく見えるものかな
初恋に泣いたグラウンドも
風当たりの 潮の香りの
そのまま来るバス停には
日の光の 偶の雨の
励まし過る気配には