波はいくら
大気や地殻の鼓動で来ても
風はそうね
彼の気分次第かしら
泣いて泣いて
待っていたの
それで一日が暮れたとしても
向こう岸も見えないから
いいのよ
風待つ渚
波はさやと
音を立てて慰めのように
風はそっぽ
今は余所行きかしら
胸に詰まって
吐き出せない
それは此処に立っても同じだけれど
向こう岸が見えないこと
慣れてるから
風待つ渚
思い描いた街と違って
どこから汽笛
人に聞いても
風速0の神頼み
ずっと信じて待っているの
恋人より愛よりも
向こう岸が見えない代わり
ちゃんと伝えて
風待つ渚