おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

月にぐらつくものがあり

月を背に

あなたが手を取る

ずるいよ

別に吊り橋じゃなくたって

 

ぐらつく様にできているから

うっかり影になり

そのまま酔い

 

始まりを覚えていないのは

夜の所為ではないでしょう

ひとつずつ重ねたところで

帰りゆく日がそのまま引力

 

せめて浮世で抱きしめても

言の葉まかせ

いずれ、遠い人ね

 

月の夜に

照らされるだけでも

息しぼる

昔話に擬えて

 

ふらつく恋の端でもいいから

拾ってしまいたい

そして焼いて

 

終わりなら見続けているから

夜に堕ちることもないでしょう

ひとつずつ重ねたつもりが

思い出にもできずに引力

 

呼ぶような淡い黄が

 

始まりを覚えていなくても

抱きしめられた記憶で生きる

ひとつずつ数えてゆけばもう

帰りゆく日が近づくだけ

 

そうね浮世で抱きしめ合う

力任せ

どうせ、遠い人だものね