おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

宝箱

大切だった宝箱は

たった100円の小さな箱

何かのおまけについていた

そっちを大事にとっていた

 

中には何も入らない

タイムカプセルのように

夢や嘆きを書いた紙

折ってもうまく入らない

 

どこに置いておけば

失くさず見つからず済むかな

書いて満足する日記に似て

もう気もないけど

 

春夏秋冬ゆくのと一緒に

日が沈み月見るのと一緒に

朽ちてゆくのが微か見えた時

ちらと恋しくなるものね

 

思い出すために生きていて

思い描くために先があり

ならば今はどうしましょ

小さな宝箱に

答えはないかしら